ホトトギス属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(ホトトギス (植物)から転送)
| ホトトギス属 | |||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ホトトギスの花
Tricyrtis hirta |
|||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||
| 学名 | |||||||||||||||||||||
| Tricyrtis Wall. | |||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||
| ホトトギス属、杜鵑草属 |
ホトトギス属(—ぞく、杜鵑草属、学名 Tricyrtis)は、ユリ科植物の属のひとつ。後述の種があり、概ね次のような特徴を持つ多年生草本植物である。
目次 |
[編集] 特徴
山野の林下や林縁、崖や傾斜地などの、日当たりの弱いところに自生する。
葉は互生し、楕円形で長く、葉脈は縦方向で、表面には毛が生える。
花期は初夏から秋にかけてで、雌雄同花で上向きに咲き、花弁が 6枚で直径数cm程度のもので 2〜4日程度咲くことが多い。
ジョウロウホトトギス類は黄色く下方向に向く釣鐘型の花を 4〜5日ほどつけるものが多い。
[編集] 分布
東アジア(日本、台湾、朝鮮半島)に分布し、19種が確認されている。
そのうち日本では 13種(変種を除く)が確認されており、うち 10種は日本固有種である。 日本列島を中心に分布していることから、日本が原産であると推定されている。
[編集] 種
[編集] 日本
- ホトトギス Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook
- 代表種。草丈は 1m になり、花は葉腋に 1〜3個ずつ付き、4日間咲く。花期は秋。関東・新潟県以西に分布する。
- シロホトトギス Tricyrtis hirta form. albescens (Makino) Hiyama
- ホトトギスの花に斑点が入らない(真っ白に見える)変種。
- ヤマホトトギス Tricyrtis macropoda Miq.
- 関東以西の太平洋側および長野県に分布し、草丈は 1m ほどになる。花は 2日間で、茎の先に花序を伸ばし、晩夏に咲く。花びらの折れたところに斑紋が入らず、花びらが反り返るところで判別できる。
- ヤマジノホトトギス(山路杜鵑草) Tricyrtis affinis Makino
- 北海道から九州までに分布する。草丈は 1m 弱。花は 2日間で、初夏から秋にかけて咲く。葉腋に着く場合と、茎の先に花序を伸ばす場合がある。花びらの折れたところに紫色の斑紋が入ることで判別できる(他種は橙色)。
- シロバナヤマジノホトトギス(白花山路杜鵑草) Tricyrtis affinis form. albida
- ヤマジノホトトギスの花に斑点が入らない(真っ白に見える)変種。
- セトウチホトトギス(瀬戸内杜鵑草) Tricyrtis setouchiensis Hr. Takahashi
- ヤマホトトギスに似る。近畿から中国・四国地方に分布する。
- タマガワホトトギス(玉川杜鵑草) Tricyrtis latifolia Maxim.
- 最も冷涼な環境に適応する種で、北海道から九州にかけての冷温帯域に分布し、山の谷筋などの湿った場所に自生し、葉腋または花序く黄色に赤紫色の斑点が入った花を咲かせる。京都府井手町の玉川で見つかったためこの名が付けられた。
- チャボホトトギス Tricyrits nana Yatabe
- 黄色く小さい花を付け、花は一日で終わる。
- キバナノホトトギス(黄花杜鵑草) Tricyrtis flava Maxim.
- 宮崎県に自生し、ユリに似た黄色い花をつける。
- 絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)
- タカクマホトトギス(高隈杜鵑草) Tricyrtis ohsumiensis
- 鹿児島県大隅半島の固有種で、岩場に生育し、キバナノホトトギスに似た黄色い花をつける。生育環境破壊により絶滅が危惧されている。
- 準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)
- サツマホトトギス var. masamunei (Makino) Masamune
- イワホトトギス var. saxicola Honda
- タイワンホトトギス(台湾杜鵑草) Tricyrtis formosana Baker
- 沖縄県および台湾に自生する。自生地が局地的のため絶滅危惧IA類(CR)に指定されている。
- 絶滅危惧IA類(CR)(環境省レッドリスト)
- ジョウロウホトトギス(上臈杜鵑草) Tricyrtis macranthopsis または Tricyrtis macrantha
- 高知県に自生する。花は黄色い釣鐘型で、長さ 4cm ほどのものを 10月上旬頃に咲かせる。
- 絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)
- サガミジョウロウホトトギス(相模上臈杜鵑草) Tricyrtis ishiiana (Kitagawa & T. Koyama) Ohwi & Okuyama
- 神奈川県の一部に自生する。ジョウロウホトトギスに似るが小型。
- 絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト)
- スルガジョウロウホトトギス(駿河上臈杜鵑草) var. surugensis Yamazaki
- サガミジョウロウホトトギスの変種で、さらに小型。静岡県に自生する。盗掘により深刻な状況にある。
- 絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト)
- キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑草) Tricyrtis macranthopsis
- 和歌山県・奈良県に自生する。ジョウロウホトトギスに似るが、葉が細くて光沢があるところで判別できる。
- 絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト)
- キバナノツキヌキホトトギス Tricyrtis perfoliata Masamune
- 絶滅危惧IA類(CR)(環境省レッドリスト)
これらの種の中には地域固有種も多いが、それらの多くは園芸用の盗掘が後を絶たず、また鉱物採取やダム建設、道路敷設等の開発行為に晒され、絶滅が危惧されている。
[編集] 台湾
- Tricyrtis formosana
- 台湾および沖縄県で見られる(前述)。
- Tricyrtis lasiocarpa Matsumura
- Tricyrtis ovatifolia S. S. Ying
- Tricytis suzukii Masamune
[編集] フィリピン
- Tricyrtis imeldae H.G. Gutierrez
[編集] 写真
-
ホトトギス (Tricyrtis hirta)、デンマークなどで園芸用に親しまれている。