ホセ・バティスタ (外野手)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ホセ・バティスタ
José Bautista
トロント・ブルージェイズ #19
José Bautista on August 31, 2011.jpg
2011年8月31日
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 サントドミンゴ
生年月日 1980年10月19日(33歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手, 三塁手
プロ入り 2000年 ドラフト20巡目(全体559位)でピッツバーグ・パイレーツから指名
初出場 2004年4月4日
年俸 $14,000,000[1](2013年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
WBC 2009年

ホセ・アントニオ・バティスタJosé Antonio Bautista, 1980年10月19日 - )は、ドミニカ共和国サントドミンゴ出身のプロ野球選手(外野手)。右投げ右打ち。MLBトロント・ブルージェイズに所属している。Bautistaの日本語メディアの表記には、バウティスタボーティスタボティースタなど、様々なものがある。

経歴[編集]

メジャー昇格前[編集]

ドミニカ共和国の高校を卒業した時には、メジャー球団から契約オファーがなかった。そのため、米国・フロリダ州チポラ短大に進学。当時の体格は身長178cm、体重70.3kgだったが、その後の1年で身長は約5cm伸び、体重は約9kg増えた。チームでは三塁手投手を兼任し、最速94mph(約151.2km/h)の速球を武器にクローザーをつとめていた[1]2000年ドラフト20巡目(全体559)位でピッツバーグ・パイレーツから指名され入団。2004年にルール5ドラフトボルチモア・オリオールズに移籍[2]

ジャーニーマン時代[編集]

パイレーツ時代(2008年)

メジャーデビューを果たした2004年には相次ぐトレードの結果、オリオールズ、タンパベイ・デビルレイズカンザスシティ・ロイヤルズピッツバーグ・パイレーツでの4球団でプレーした。また、ロイヤルズからニューヨーク・メッツにトレードされ、その日のうちにパイレーツに再トレードされたという経緯があるため、バティスタは1シーズンのうちに異なる5球団で25人ロースター入りした史上初の選手となった[3]

2006年にレギュラーに定着し、キャリアハイの16本塁打を放った。この年は外野手として85試合、三塁手として33試合、二塁手として3試合に出場した。

2008年はトレード期限当日に加入したアンディ・ラローシュにポジションを奪われAAA級インディアナポリス・インディアンスへ降格。8月21日ロビンソン・ディアスとのトレードでトロント・ブルージェイズに移籍した[4]。オフには、日本プロ野球阪神タイガースがバティスタを新外国人選手の最有力候補としていることが報じられたが[5]、阪神は最終的にケビン・メンチ獲得に切り替えたため、バティスタが日本球界入りすることはなかった。

2009年第2回WBCドミニカ共和国代表に選出され、控えの外野手として3試合に出場した[6]。シーズンでは、4月に月間打率.317と好スタートを切るが、その後は長期の打撃不振に陥る。主にユーティリティープレイヤーとしての起用が続いていたが、スコット・ローレンアレックス・リオスの放出後はレギュラーに定着。常時出場する機会を得たことが打撃に好影響を与え[2]、9月以降に10本塁打を固め打ちした。年間を通した打率は.235ながら56四球を選ぶ粘り強さを見せ、マルコ・スクータロが故障で離脱してからは1番打者に起用された。12月13日年俸調停を避け、1年240万ドルでブルージェイズと契約を延長した[7]

強打者への変身[編集]

2010年は開幕を1番打者として迎えたが、フレッド・ルイスがトレードで加入してからは主に6番での出場が続いた。4月こそ打率.213、4本塁打と振るわなかったが、5月に入ると一気に調子を上げ、月間12本塁打を放った。6月末からは不振のアダム・リンドに代わって3番に定着し、初のオールスター選出も果たした。7月27日には両リーグ最速で30本塁打に到達。その後も勢いは衰えず、8月23日ニューヨーク・ヤンキース戦で、ブルージェイズの選手としては2003年カルロス・デルガド以来となるシーズン40号本塁打を放った。7月、8月には2ヵ月連続でプレイヤー・オブ・ザ・マンスに選ばれた[8]。同年9月17日の対ボストン・レッドソックス戦で、シーズン48号本塁打を記録。この1本は、1987年ジョージ・ベルが記録したブルージェイズのチーム記録(47本塁打)を塗り替える1発であった。9月24日シアトル・マリナーズ戦で、フェリックス・ヘルナンデスからソロ本塁打を放ち、メジャーリーグ全体でも3年ぶりとなる1シーズン50本塁打を達成。最終的に本塁打数を54本に伸ばし、2位のポール・コネルコに15本の大差をつけてア・リーグ本塁打王のタイトルを獲得した。5月、7月、8月、9月には月間本塁打数が二桁に達し、更に、124打点(リーグ3位)、109得点(同5位)、100四球(同2位)、351塁打(同1位)、OPS.995(同3位)など、各部門で上位に入った。

この著しい飛躍に対し、8月末には地元紙トロント・スターのコラムニストから薬物使用を疑う声も上がったが、「他の選手と同様にいつだって検査には応じている」「これほど本塁打が打てるとは予想していなかったが、常時出場すれば安定した成績を残せると思っていた」と反論した[9]。加えて、シト・ガストン監督とドウェイン・マーフィー打撃コーチのアドバイスの下、スイングの始動を早くしたことが打撃開眼に繋がったと語った[10]

2011年6月5日

2011年2月17日、5年総額6400万ドル(2016年の球団オプションも含めると6年総額7800万ドル)で契約延長に合意した。バーノン・ウェルズ(7年1億2600万ドル)、アレックス・リオス(7年6983万5000ドル)、カルロス・デルガド(4年6800万ドル)に次いで球団史上4位の大型契約となった[11]。開幕後も本塁打を量産し、前半戦だけで31本塁打を放った。オールスターのファン投票では1994年ケン・グリフィー・ジュニアが記録した606万9688票を大きく上回る史上最多(当時)の745万4753票を集め、名実共にスター選手の仲間入りを果たした[12]。後半戦は足首の故障などもあってペースダウンしたが、43本塁打で2年連続の本塁打王となり、前年の成績はフロックとの声を一蹴した。打率も3割に乗せ、両リーグ最多の四球を選ぶなどバッティングの確実性が向上した。オフには母国ドミニカ共和国のメディアに対し、過去2年間で16回ものドーピング検査を受けていたことを明かした。それ以前の2年間では合計3回だったことも明かし、表向きにはランダム抽出とされているドーピング検査が一部の選手に対して"狙い打ち"されているのではないかとして話題になった[13]

2012年は4月に打率.181、3本塁打と絶不調だったが、5月は9本塁打を放って復調。6月は14本塁打を固め打ちし、自身5度目の月間MVPを受賞した[14]。前半戦でリーグトップの27本塁打を放ち、オールスターのファン投票ではア・リーグ外野手3位に入り、3年連続の出場を果たした。オールスター前日に行われた本塁打競争では決勝まで進出し、プリンス・フィルダーには及ばなかったものの準優勝となった[15]7月16日ニューヨーク・ヤンキース戦でスイングの際に左手首を痛めて途中交代し、故障者リスト入りした[16]。8月末に一旦戦列に復帰したが、復帰2試合目で左手首痛が再発し、手術を受けてシーズンを終えることが決まった[17]

2013年第3回WBCドミニカ共和国代表での出場を希望したが[18]、故障明けのため球団から出場を許可されなかった[19]。レギュラーシーズンでは、故障もありながら2年ぶりの規定打席到達を果たしたが、本塁打は前年より1本増の28本に留まり、2年連続で30本塁打に届かなかった。

選手としての特徴[編集]

一塁、二塁、三塁、外野を守れるユーティリティープレイヤーである。現在は主に右翼手を務めているが、2009年頃までは三塁手としての出場機会が多かった。マイナー時代には遊撃手としてのプレー経験もある。右翼手としての守備範囲はさほど広くないが、元投手ということもあり、メジャー全体でも屈指の強肩を誇る。

典型的なプルヒッターである。2010年9月30日に放ったシーズン54号本塁打(通算113本目)が自身初の右方向への本塁打であり、それまでは全て中堅から左方向の本塁打だった[2][20]。本塁打以外のインプレーの打球も8割以上が中堅から左方向に飛んでいる[21]。また、非常に好不調の波が激しい選手であり、月間打率のバラつきが大きい。しかし、安定して四球を選ぶことができるため、通算出塁率は通算打率に比べて1割近く高い。2010年はリーグ2位の100四球を記録。50本塁打と100四球を同時に達成したのは史上14人目である[22]

私生活[編集]

2人娘の父であり、長女(第一子)が2011年4月に、次女(第二子)が2012年11月に誕生した。

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2004 BAL 16 12 11 3 3 0 0 0 3 0 0 0 0 0 1 0 0 3 0 .273 .333 .273 .603
TB 12 15 12 1 2 0 0 0 2 1 0 1 0 0 3 0 0 7 0 .167 .333 .167 .500
KC 13 26 25 1 5 1 0 0 6 1 0 0 0 0 1 0 0 12 0 .200 .231 .240 .471
PIT 23 43 40 1 8 2 0 0 10 0 0 0 1 0 2 0 0 18 1 .200 .238 .250 .488
'04計 64 96 88 6 18 3 0 0 21 2 0 1 1 0 7 0 0 40 1 .205 .263 .239 .502
2005 11 31 28 3 4 1 0 0 5 1 1 0 0 0 3 0 0 7 2 .143 .226 .179 .404
2006 117 469 400 58 94 20 3 16 168 51 2 4 3 4 46 2 16 110 12 .235 .335 .420 .755
2007 142 614 532 75 135 36 2 15 220 63 6 3 4 6 68 1 4 101 16 .254 .339 .414 .753
2008 107 363 314 38 76 15 0 12 127 44 1 1 6 3 38 4 2 77 10 .242 .325 .404 .729
TOR 21 61 56 7 12 2 0 3 23 10 0 0 2 1 2 1 0 14 2 .214 .237 .411 .648
'08計 128 424 370 45 88 17 0 15 150 54 1 1 8 4 40 5 2 91 12 .239 .313 .405 .718
2009 113 406 336 54 79 13 3 13 137 40 4 0 6 2 56 1 4 85 9 .235 .349 .408 .757
2010 161 683 569 109 148 35 3 54 351 124 9 2 0 4 100 2 10 116 10 .260 .378 .617 .995
2011 149 655 513 105 155 24 2 43 312 103 9 5 0 4 132 24 6 111 8 .302 .447 .608 1.056
2012 92 399 332 64 80 14 0 27 175 65 5 2 0 4 59 2 4 63 11 .241 .358 .527 .886
2013 118 528 452 82 117 24 0 28 225 73 7 2 0 4 69 2 3 84 13 .259 .358 .498 .856
通算:10年 1095 4303 3620 601 918 187 13 211 1764 576 44 20 22 32 580 39 49 808 94 .254 .361 .487 .848
  • 2013年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録・表彰[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Castrovince, Anthony(2011-05-31). Better late than never, Bautista now the best. MLB.com(英語). 2011年7月13日閲覧
  2. ^ a b c Joe Lemire(2010-08-04), How the Blue Jays' Jose Bautista pulled himself to prominence, SI.com(英語), 2010/08/05閲覧
  3. ^ Jim Callis,07/30/04,Mets win pursuit of Benson,Baseball America(英語),2009年8月2日閲覧
  4. ^ Kovacevic, Dejan (2008-08-21),Pirates trade Bautista to Blue Jays,Pittsburgh Post-Gazette(英語),2009年9月2日閲覧
  5. ^ 阪神が強打の現役メジャーリーガー獲得へ,nikkansports.com(2008年10月22日付),2009年9月2日閲覧
  6. ^ 2009 World Baseball Classic :Statictics :Dominican Republic,MLB.com(英語),2009年9月2日閲覧
  7. ^ Jordan Bastian/MLB.com,Jays sign Chavez to Minor League deal,bluejays.com(英語),2009/12/13
  8. ^ Jose Bautista, Delmon Young, Gavin Floyd earn American League Monthly honors for July,MLB.com(英語,2010/08/04),2010/08/05閲覧
  9. ^ 共同通信(2010-08-30), 称賛の一方で薬物使用を疑う声も 昨年13本塁打が今年はもう42本, Sponichi Annex, 2010年10月4日閲覧
  10. ^ Jon Krawczynski(2010-10-02), Bautista's HR binge brings questions of PEDs, NBC Sports(英語), 2010年10月4日
  11. ^ Gregor Chisholm(2011-02-17), Bautista, Blue Jays finalize five-year deal, bluejays.com(英語), 2011年2月22日閲覧
  12. ^ Chisholm, Gregor(2011-11-21). http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20111121&content_id=26017324&vkey=news_mlb&c_id=mlb. MLB.com(英語). 2011年12月17日閲覧
  13. ^ Mitchell, Bob(2012-01-26). Random testing? Blue Jays slugger Jose Bautista given 16 drug tests over two seasons. Toronto Star(英語). 2012年1月29日閲覧
  14. ^ Jose Bautista of the Toronto Blue Jays named the American League Player of the Month for June MLB.com
  15. ^ Home Run Derby - MLB Topics ESPN
  16. ^ Toronto Blue Jays' Jose Bautista placed on 15-day DL with wrist injury ESPN
  17. ^ Toronto Blue Jays' Jose Bautista to have season-ending wrist surgery ESPN
  18. ^ Blue Jays’ Jose Bautista pain-free and optimistic at Toronto tour stop Toronto Star
  19. ^ Blue Jays open Spring Training eyeing playoffs MLB.com
  20. ^ Jordan Bastian, Bautista hits two of Jays' six homers in rout, bluejays.com(英語), 2010年10月4日閲覧
  21. ^ Joe Lemire(2011-05-10), Teams are reluctant to shift against righties like Albert Pujols, SI.com(英語), 2011年5月12日閲覧
  22. ^ Bautista draws walk, reaches milestone, MLB.com(英語), 2010年10月4日閲覧

外部リンク[編集]