ペイロードフェアリング
ペイロードフェアリング(英: Payload fairing)は打ち上げ用ロケットを構成する重要な要素の一つで、上昇中に空気力や空力加熱からペイロードを保護する役割を果たす。大気圏離脱後にフェアリングは分離し、ペイロードが宇宙空間に露出する。
フェアリングは通常、空気力学的考察から円錐筒の形をしている。2つに分離するフェアリングはクラムシェル・フェアリング(clamshell fairing)と呼ばれる。ペイロードが人工衛星である場合、衛星フェアリングとも呼ばれる[1]。
フェアリングがペイロードだけでなく、ロケットの上段部も囲んでいる場合がある[2]。
ペイロードがブースターの中心構造とフェアリングの両方に取り付けられている場合、バフェッティングや突風による振動が原因で、ペイロードは慣性荷重と同様にフェアリングの曲げ荷重の影響を受けることがある[3]。
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フェアリングの不具合による失敗 [編集]
1966年6月、ATDA(Augmented Target Docking Adapter)がAtlas SLV-3によって軌道へ投入された。ジェミニ9-A号がATDAにドッキングするためランデブーすると、宇宙飛行士はフェアリングが分離していないことを発見した。予定されたドッキングは中止となった。
1999年、IKONOS-1衛星がAthena IIによって打ち上げられたが、フェアリングが開かず失敗した。
2009年2月24日、NASAのOCO衛星が軌道投入に失敗した。原因はトーラスXLロケットのフェアリングが分離に失敗し、フェアリングの質量が余剰となったためと推定されている。衛星は南極近海のインド洋に落下した[4][5]。
同様のことが2009年8月25日韓国初となる人工衛星の打上げを行ったナロ号にも起こっている。フェアリングの片側が分離に失敗し、その結果としてSTSAT-2A衛星は予定された軌道から外れ地球に落下した[6]。
2011年3月4日、NASAのグローリー衛星を打ち上げるときにも打ち上げ失敗が起きた。2009年のOCOの打上げ時と同様、打ち上げ機がリフト・オフした後、フェアリング分離に失敗し、衛星は所定の軌道に乗れなかったのである。これによってオービタル・サイエンシズ社のトーラスXLロケットは2回連続打上げ失敗となった[7]。
製造業者 [編集]
- RUAG Space - チューリッヒを拠点とするスイスの会社。欧州宇宙機関と共同してアリアンのフェアリングを製造している[8]。アトラスVの5m径フェアリングの製造も行っている[9]。
- 川崎重工 - 1993年にH-IIロケットのフェアリングを納入して以降、H-II、H-IIAロケットのフェアリングを納入している[10]。
参考文献 [編集]
- ^ “宇宙輸送用語集『衛星フェアリング』”. JAXA. 2010年9月26日閲覧。
- ^ A Conceptual Design for the Space Launch capability of the peacekeeper ICBM [1]
- ^ Thomas P. Sarafin, Wiley J. (1995) "Spacecraft Structures and Mechanisms--from Concept to Launch", ISBN 0792334760 p. 47
- ^ "Launch Mishap Ends OCO Mission"
- ^ "NASA Satellite Crashes Before Reaching Orbit"
- ^ “S. Korean satellite lost shortly after launch: gov't”. Yonhap News. 2009年8月26日閲覧。
- ^ “NASA science satellite lost in Taurus launch failure”. SpaceFlight Now. 2011年3月4日閲覧。
- ^ Brian Harvey, "Europe's Space Programme: To Ariane and Beyond", ISBN 1852337222, p. 150
- ^ “Atlas V Launch Services User’s Guide”. United Launch Alliance (2010年3月). 2010年5月24日閲覧。
- ^ “H-IIAロケット17号機用フェアリングを出荷”. 川崎重工. 2010年9月26日閲覧。
外部リンク [編集]
- フェアリングのひみつ ロケットの基礎知識(JAXA HP)