ベンダロックイン

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ベンダロックイン: vendor lock-in)とは、特定ベンダーの独自技術に大きく依存した製品、サービス、システム等を採用した際に、他ベンダーの提供する同種の製品、サービス、システム等への乗り換えが困難になる現象のこと。

ベンダロックインに陥った場合、製品、サービス、システム等を調達する際の選択肢が狭められる。価格が高騰してもユーザーはそれを買わざるを得ないため、コストが増大するケースが多い。また、市場の競争による恩恵を十分に受けられない可能性もある。

また、公共性の強いシステムを他国の企業にベンダロックインされることは、その国独自の判断を妨げられる可能性が高いため、安全保障の観点から望ましくないという意見もある[要出典]

ベンダロックインの例[編集]

  • 情報システムの開発、構築を曖昧な仕様でベンダーに発注した場合、出来上がった情報システムの正確な仕様が、システムを開発、構築したベンダーにしか解らなくなる場合がある。結果、システムの保守、拡張、改修等の際、現存システムを開発、構築したベンダーに引き続き発注せざるを得なくなる。
  • システムの設計の段階で技術に関する知識が相対的に少ない担当者に対して、官公需を寡占する大手のシステムインテグレーターが独自仕様のシステム導入を提案し承認を受けた結果、例えばオープンソースの同等システムを導入するのに比べて保守費や更新費が大幅に増大するという事例が過去に多くあった。公官庁の担当者の知識不足や様々な独自カスタマイズの要求が招いた結果ではあるが、こうした大手システムインテグレーターの行動は、ハッカーやベンチャー起業家など情報技術に関する動向や知識の豊富な人々から「ITゼネコン」と揶揄され、米国に比べて日本の情報サービス分野におけるイノベーションが立ち後れてきた原因の一つではないかといわれている。
  • ソフトウエアによるベンダロックインの身近な例としては、現在、オペレーティングシステム並びにオフィススイート市場で圧倒的なシェアを持つマイクロソフト社のWindows製品Office製品Windows Media PlayerInternet Explorerによるそれが挙げられる。これらは独占禁止法に違反するとして度々訴訟の原因となっている。ただし、先述したマイクロソフト社のWindowsやOffice製品のように、社会インフラの一部として重要な役割を担うことで高い公益性を持っており、尚且つ他社製品への代替が効かない製品を供給している事業者に関しては、電力会社公共交通機関などと同様、独占禁止法の適用除外の対象と見做される場合があり、公的機関との随意契約を締結する事例も多く見られる。

関連項目[編集]