ベルール

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ベルール(Béroul)は、12世紀ノルマン人詩人。『トリスタン』の執筆者。

トリスタン[編集]

ベルールの『トリスタン』は『トリスタンとイゾルデ』の伝説のアングロ=ノルマン語版であって、およそ3000節が断片として現存している。彼の作品は、『トリスタンとイゾルデ』の伝説がいわゆる「流布本系」として作成されたもののうち、最も古いものの代表例とされる。反対に、ブリテンのトマの詩の断片は、「宮廷本系」の代表とされる。アイルハルト・フォン・オベルクはこの伝説をドイツ語で執筆しており、ベルールの書いたエピソードでトマの作品にないものの多くが『散文のトリスタン』に登場している。ベルールの詩は写本が1つだけ、パリフランス国立図書館に残っている。この写本は不完全であり、詩の一部については他の詩人によって執筆されたのではないか、と考えられてもいる。実際のところ、内容的にも近代的な物語詩があるべき姿とは離れたものであり、プロットは支離滅裂で原因から結果に至るまでの過程が欠けていたり、登場人物の性格が充分に定まってはいない。しかし、フェデリックはベルールの時代の文学作品では、このようなことは当たり前だったのではないかと主張している[1]

日本語訳[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Beroul The Romance of Tristan, Introduction and translation by Alan S. Fedrick