ベルリン陥落

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ベルリン陥落』(ベルリンかんらく、原題(ロシア語):Падение Берлина)は1949年に公開されたソビエト連邦のカラー戦争映画である。日本では1952年に公開された。題名のベルリン攻防戦だけでなく、独ソ戦全体が描かれている。

あらすじ[編集]

1917年ロシア革命の年に生まれた鉄工所に勤務するアレクセイ(愛称アリョーシャ)は優秀な工場労働勤務を表彰されてレーニン勲章を授与され、スターリン書記長の元に謁見する。アレクセイには婚約者で小学校教諭のナターシャ(本名ナターリア・ルミャンツェワ)がいたものの、1941年6月22日のナチス・ドイツ独ソ不可侵条約破棄によるバルバロッサ作戦により、ナターシャはナチスに拉致される。報復を誓った主人公はソビエト連邦赤軍に入隊し、スターリングラードなど数々の戦闘で武勲を挙げる。1945年4月、遂にベルリンに迫るソ連赤軍。熾烈な戦闘の上、ナチスの首領ヒトラーは妻エヴァ・ヒトラーと供に服毒自殺を遂げる。陥落したベルリンの中でナターシャと4年振りの再会を果たし、スターリン首相の到着するベルリン飛行場へ待つ。「スターリン賛歌」の合唱のなか、旅客機より降り立つスターリン。ソ連軍により解放された世界各地の捕虜たちから英語フランス語イタリア語チェコ語ギリシア語セルビア語などでスターリン首相は祝福を受ける。スターリン首相の前に歩み出るアレクセイとナターシャ。ナターシャはスターリンの前に赴き、手に接吻を受ける。

史実と異なる脚色[編集]

  • 劇中ではヒトラー夫妻が供に服毒自殺を遂げるが、史実ではヒトラーはピストルと青酸カリを併用し、エヴァは青酸カリによって自殺した(アドルフ・ヒトラーの死)。総統地下壕を占領し、ヒトラーの遺体を回収したソ連軍およびスターリンはヒトラーの頭蓋骨に銃創が残っていたことを把握していたが、詳細を発表しようとはしなかった。
  • スターリンがベルリン飛行場へ降り立つシーンがあるが、スターリンは大の飛行機嫌いであり、演出によるものである。
  • 第二次世界大戦、独ソ戦線で活躍した名将ゲオルギー・ジューコフ元帥がほとんど登場しない。これは映画作成当時、ジューコフがスターリンによってソビエト連邦のモルダビア・ソビエト社会主義共和国に左遷されていたことによる。史実ではジューコフは大戦中の主要局面で活躍しているが、全て省かれている。

その他[編集]

  • ソ連初のカラー映画であった。ソ連占領地区にあったアグファ社の工場で製造されたフィルムを使用して撮影した。カメラテストの結果、安定した色彩を再現できるのは曇天時のみであることが判明し、曇り空の時を伺い撮影を行った。
  • 撮影が終戦直後であるため、第二次世界大戦で実際に使用された本物の車両や、かなり本物に似せた改造車両が多数出てくる。
  • 市街戦のロケは当時のベルリン市内で行われた。
  • あまりにもスターリン賛美のプロパガンダ色が強いため、スターリン没後はフルシチョフスターリン批判から、ソ連でも厳しい評価を受けて上映されることがほとんど無かった。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]