ベルナップ級ミサイル巡洋艦

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ベルナップ級ミサイル巡洋艦
USS Biddle (CG-34)
艦級概観
艦種 ミサイル・フリゲート嚮導駆逐艦
ミサイル巡洋艦
艦名 海軍功労者。一番艦はジョージ・ベルナップ少将に因む。
建造期間 1962年 - 1967年
就役期間 1964年 - 1995年
前級 ベインブリッジ級原子力ミサイル巡洋艦
次級 トラクスタン級原子力ミサイル巡洋艦
性能諸元
排水量 軽荷:5,496 t
満載:8,017 t
全長 166.7 m
全幅 16.7 m
吃水 8.7 m
機関 水管ボイラー
(84.4kgf/cm², 510℃)
4缶
蒸気タービン
(42,500 hp/31.7 MW)
2基
推進器 2軸
速力 最大: 34ノット
航続距離 20ノットで7,100海里
乗員 477名(士官27名、下士官兵450名)
兵装 Mk.42 5インチ単装砲 1基
Mk.33 3インチ連装砲
※後日撤去
2基
Mk.15 20mmCIWS
※後日装備
2基
Mk.10 ミサイル連装発射機
テリア SAM
スタンダードER SAM
アスロック SUM
を発射可能
1基
Mk.141 ミサイル4連装発射筒
ハープーン SSM用)
※後日装備
2基
533mm魚雷連装発射管
※後日撤去
2基
Mk.32 3連装短魚雷発射管
※後日装備
2基
艦載機 SH-2F LAMPS
※後日装備、CG26のみSH-3対潜ヘリコプター
1機
C4I SRR-1+WSC-3 SATCOM
NTDS (CDS+リンク 11 / 14)
※後日装備
Mk.7 武器管制システム (WDS)
※後期建造艦ではMk.11、後にMk.14に換装
Mk.76 ミサイルFCS (SAM用) 2基
Mk.68 砲FCS (5インチ砲用) 1基
Mk.114 水中FCS 1基
レーダー AN/SPS-48 3次元式 1基
AN/SPS-49 対空捜索用 1基
AN/SPS-10 対水上捜索用 1基
ソナー AN/SQS-26BX 船首装備式 1基
電子戦
対抗手段
AN/SLQ-32(V)3 ESM/ECM装置
Mk.137 チャフフレア展開装置 4基

ベルナップ級ミサイル巡洋艦 (Belknap-class guided missile cruiser) は、アメリカ海軍ミサイル巡洋艦の艦級。1960年代後半に9隻が就役した。当初、フリゲート(DLG: 嚮導駆逐艦)として就役したが、1975年に分類方法が変更されたのに伴ってミサイル巡洋艦 (CG) に再分類された。なお、本級は、アメリカ海軍が開発した最後の通常推進型嚮導駆逐艦である。

概要[編集]

本級は、1960年代前半に9隻が配備されたリーヒ級嚮導駆逐艦の発展型として開発されており、リーヒ級と同様、戦闘群を構成して、対空・対水上・対潜の任務を遂行できる多任務艦とされている。

リーヒ級では、テリア武器システムのMk.76 射撃指揮装置(FCS)およびMk.10 ミサイル発射装置(GMLS)をダブル・エンダーに配置することで強力な防空火力を確保した一方、砲熕火力は弱体であり、航空運用能力も欠如していたため、作戦の柔軟性に欠けるという欠点があった。このことから本級では、Mk.76 FCS、Mk.10 GMLSは各1基を艦首側に配するのみとして、艦尾側には、無人の対潜ヘリコプターであるQH-50 DASHの運用設備(2機分の格納庫と発着甲板)とMk 42 5インチ砲を搭載した。なお、QH-50 DASHは1969年に運用中止されたことから、のちにその運用設備はLAMPS Mk.Iに対応するように改修され、SH-2Dを1機搭載するようになった。また、1番艦「ベルナップ」のみは、1975年11月に航空母艦ジョン・F・ケネディ」と衝突した際の火災で上部構造物を全損(事故については個艦記事を参照)したのち、これを再建する際に格納庫も大型化し、SH-3 シーキング 1機を搭載できるようになっている。

アスロック用のMk.16 GMLSは装備されず、テリア用のMk.10 GMLSにその運用能力を持たせている。このことから、弾庫の収容能力は、40発から60発に増強されている。また、発達し続ける電子機器を収容するにはリーヒ級の船体は小さすぎることも判明していたことから、全般に船体は大型化されて、収容スペースを確保した。ソナーは、リーヒ級のSQS-23よりも強力な新型のAN/SQS-26に変更されたほか、DLG-28より海軍戦術情報システムの搭載が開始され、それ以前に就役した艦に対しても順次にバックフィットされた。

このように大型化したにも関わらず、機関構成はリーヒ級と同じくボイラー×2基とタービン×1基の蒸気タービン主機を2組搭載するものとされており、蒸気性状は圧力1,200 psi (84 kgf/cm²)、温度950 °F (528 °C)、機関出力も85,000軸馬力と、諸元についても同様である。このことから、最大出力は0.1ノット低下している。ただし、電子機器の増強に伴って所要電力が増大したことから、発電能力は、キロワット数にして50パーセント強化されている。

改修[編集]

このように、潜在的に優れたC4I能力を持つことから、1983年から1985年にかけて、本級のうち3隻が改修を受けて、群司令部指揮所(TFCC: Tactical Flag Combat Center)を搭載した。また、1980年代末から1990年代初頭にかけてはNTU改修を受けて、戦闘能力を大幅に増大させることとなった。主な改装内容は下記のとおりである。

改修の費用は高価なものであったが、改修後はそれほど長く任務に就くことはなかった。本級は、全艦が1990年代前半に退役した。

なお、トラクスタン (USS Truxtun, CGN-35) は動力が原子力推進(原子力船)である以外はベルナップ級と同一であった。

同型艦[編集]

艦番号 艦名 建造所 起工 進水 就役 退役
DLG-26 ベルナップ
USS Belknap
バス鉄工所 1962年
2月5日
1963年
7月20日
1964年
11月7日
1995年
2月15日
DLG-27 ジョセファス・ダニエルズ
USS Josephus Daniels
1962年
4月23日
1963年
12月2日
1965年
5月8日
1994年
1月21日
DLG-28 ウェインライト
USS Wainwright
1962年
7月2日
1965年
4月25日
1966年
1月8日
1993年
11月15日
DLG-29 ジョーエット
USS Jouett
ピュージェット
サウンド
1962年
9月25日
1964年
6月30日
1966年
12月3日
1994年
1月28日
DLG-30 ホーン
USS Horne
サンフランシスコ 1962年
12月12日
1964年
10月30日
1967年
4月15日
1994年
2月4日
DLG-31 スタレット
USS Sterett
ピュージェット
サウンド
1962年
9月25日
1964年
6月30日
1967年
4月8日
1994年
3月24日
DLG-32 ウィリアム・H・スタンドレイ
USS William H. Standley
バス鉄工所 1963年
7月29日
1964年
12月19日
1966年
7月9日
1994年
2月11日
DLG-33 フォックス
USS Fox
トッド・パシフィック 1963年
1月15日
1964年
11月21日
1966年
5月28日
1994年
4月15日
DLG-34 ビドル
USS Biddle
バス鉄工所 1963年
12月9日
1965年
7月2日
1967年
1月21日
1993年
11月30日

参考文献[編集]

外部リンク[編集]