ベイグラントストーリー

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ベイグラントストーリー
VAGRANT STORY
ジャンル ロールプレイング・アドベンチャー
対応機種 プレイステーション
ゲームアーカイブスPS3/PSP/PSV
開発元 スクウェア
発売元 スクウェア
人数 1人
メディア CD-ROM1枚
発売日 通常版:2000年2月10日
PS one Books:2002年2月21日
ULTIMATE HITS:2006年7月20日
北米版:2000年3月15日
欧州版:2000年6月21日
ゲームアーカイブス版:2009年8月12日
売上本数 日本:約30万本
海外:約70万本
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ベイグラントストーリー』(VAGRANT STORY)は2000年2月10日スクウェア(現スクウェア・エニックス)よりプレイステーション用ソフトとして発売されたロールプレイング・アドベンチャー

ファミ通クロスレビューにてプレイステーションで唯一40点満点を獲得(2010年9月時点で累計15本のうちの一つ)、プラチナ殿堂入りを果たしている。

概要[編集]

監督脚本は、クエストで『タクティクスオウガ』を手がけた松野泰己

日本国内販売数約30万本。海外販売数約70万本。廉価版として2002年2月21日に『PS one Books ベイグラントストーリー』。2006年7月20日に『ULTIMATE HITS ベイグラントストーリー』として再発売された。また2009年8月12日からプレイステーションストアからダウンロード販売が開始された。

ストーリー[編集]

The Phantom Pain

グレイランド事件の始まり
ある冬の日の夕刻。カルト教団「メレンカンプ」の一味が、バレンディア王国の重鎮・バルドルバ公爵の邸宅を襲撃、占拠する事件が発生した。VKP(バレンディア治安維持騎士団)は事件解決のため重犯罪者処理班(通称「リスクブレイカー」)のエージェント、アシュレイ・ライオットの現場投入を決定。時を同じくして王国内の政治勢力として存在感を増していた法王庁も直属の聖印騎士団(通称「クリムゾンブレイド」)を派遣し現場に介入。クリムゾンブレイドは邸宅に放火し突入するという強引極まりない手法を採用、人質に多大な犠牲を払いながらも暴徒たちの鎮圧に成功する。
一方でアシュレイは事件の首謀者であり「メレンカンプ」の首魁と目される男、シドニー・ロスタロットと邸内で接触。深手を負わせるも取り逃がし、生き残った教団幹部にバルドルバ公爵の一人息子、ジョシュアを拉致されてしまう。占拠事件終息後、アシュレイは直ちにVKP情報分析官のキャロ・メルローズと共にシドニーたち教団残党が潜伏しているとされる城塞都市レアモンデに潜入。またクリムゾンブレイドも教団残党を追って既にレアモンデに向かっていた。その後、ごく僅かな例外を除いてレアモンデに入り込んだ人間のほぼ全てが消息を絶った。
バルドルバ公爵殺害事件
それから一週間後、先の占拠事件では別邸にいたため難を逃れていたバルドルバ公爵が何者かに暗殺されるという事件が起きた。公爵が死亡する直前に面会していたのは、リスクブレイカーのアシュレイ・ライオットと名乗る人物だった。VKPはアシュレイを公爵殺害の容疑者として追跡するも、アシュレイの行方は杳として知れないままである。

後にグレイランド事件と呼称された一連の事件。その真相は未だ明らかになっていない。

グレイランド事件に関わった人間をことごとく飲み込んだ城塞都市レアモンデで何が起こったのか。アシュレイは公爵を本当に殺害したのか。プレーヤーは多くの謎に彩られたグレイランド事件の1週間をリスクブレイカー・アシュレイの視点で追っていくことになる。

ストーリーの舞台[編集]

用語などに関してはベイグラントストーリーの用語一覧を参照されたい。

事件の主な舞台となるレアモンデは、魔導師メレンカンプによって、古代キルティア時代と呼ばれていた2000年以上前に建てられた。そのキルティア時代の後、聖ヨクスが誕生。バレンディア王国に自らの教えを広めたため、この地は敬虔なヨクス教徒の聖地となった。街の中心に建つ大聖堂はレアモンデのシンボルとなり、修道士たちは地下のライムストーンを切り出して生活の糧としていた。

最盛期には5千人以上の人々が暮らしていたが、25年前の大地震により壊滅的な被害を受け、人々はこの地を去った。それ以来、この廃墟で奇妙な生き物や火の玉が見られるようになったと言う。

ヨクス教の聖地として名高い街だが、その教義に反するはずの「魔」と呼ばれる超常の力が都市空間に充満しているらしく、法王庁や議会がその力の謎を強く求めているとの噂も。

イヴァリースとの関連性[編集]

本作及びイヴァリースサーガの著者である松野泰己自身に拠れば、両世界観の間に関連は意図されていない(twitterでの発言。削除済み)。それ以前には固有名詞等の共通から蓋然性を持って推察されていた事に加え、以下の様に著作権を保有するスクウェア・エニックススタッフに拠る仄めかしが存在する。

ゲーム中にはイヴァリースという単語は登場しない。後にイヴァリースアライアンスとして括られた『ファイナルファンタジータクティクスアドバンス」や「ファイナルファンタジーXII』では本作品中の固有名詞が登場した。『ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング』ではパンネロがOPの女性と似た衣装を着ている。その後、『ファイナルファンタジーXII アルティマニアΩ』でもイヴァリースのどこかを舞台とする作品と紹介されたため、本作がイヴァリースの関連作品である可能性を示唆した[1]。 ちなみに、ファイナルファンタジーXIIに登場する召喚獣「ザルエラ」は、右の翼に巫女を融合させた死神の様な姿をしているが、この元ネタは本作に登場するロメオ・ギルデンスターンとサマンサであるという[2]

システム[編集]

用語などに関してはベイグラントストーリーの用語一覧を参照。

画面
ファイナルファンタジーVII』などそれまでにスクウェアが発売した作品の多くが、背景をCGで制作しイラストとして使用、キャラクターはポリゴンによって生成するという手法が取られていたのに対して、本作では背景やキャラクターをフルポリゴンによるリアルタイムレンダリングを行っており、移動・戦闘の画面切り替えなく進行する。プレイステーションの多くのゲームに多用されているプリレンダリングムービーはオープニングとゲーム序盤の一部にしか使われていない。
プレイステーションのゲームソフトでは、これに先んじて『メタルギアソリッド』がこの試みを行っており、本作もこれに影響されたことが語られている[要出典]
これによって主人公キャラクターに割けるポリゴン数は『FFVII』や『FFVIII』の約半分程となった[3]が、テクスチャマッピングによってそれらよりもサイズが大きく高い頭身、かつ遜色ない質感を持っている[独自研究?]。また、『メタルギアソリッド』にも無かった要素として、ストーリーの進行するイベントでは、キャラクターの感情を表現するために表情の変化が行われる。この際に使うテクスチャはポケットステーションの画面ほどの大きさのもので、これを補う形で色の明度の変化によって違和感のないアニメーションを行っている[3]
本作の画面の実現にはドット絵の時代から培った技術が結実したと繰り返して語っており[誰?]通常の操作画面のグラフィックはプレイステーションのスペックでなし得る限界に挑戦した、PS史に残るグラフィックとして名高い[独自研究?]
成長
ゲームはRPGに分類されるが、主人公は各エリアのボスを倒した後以外は成長せず、物語の展開上、バトルアビリティやブレイクアーツ等の戦闘時の技を、物語が進むにつれて想い出す形をとっている。攻撃力等の能力値は、使っている武器や防具の経験値の様な形で変化するため、使い込むほど強い武器となるシステムになっている。また宝箱の中から数多くの武器・防具を見つける事ができるが、他にもプレイヤーが合成して新しい武器・防具を作る事も出来るため、武器の育成・合成に中毒的な楽しみを見出すプレーヤー[誰?]も多い。
戦闘
敵とエンカウントした際戦闘画面への移行は無く(シームレスバトル)、通常のリラックスモードからボタンを押してバトルモードになることで戦闘態勢になり、攻撃を出すことができる。バトルモード時に自分の射程内に近づいてボタンを押すことでターゲットドームが出現、射程内の敵のリム(部位)を選択するとその部分をピンポイントに攻撃する。リムへのダメージが重なっていき一定の値まで達するとその部位によるステータス異常が起こるが、リムの状態に関わらずキャラのHPが0になると戦闘不能になる。これはプレイヤー側も同じことである。
武器攻撃のたびにプレイヤーには「RISK」という数値が溜まっていき、これが高いほどプレイヤーが受けるダメージが多くなり、プレイヤーの攻撃の命中率も低くなっていく。RISKが高いと魔法を一発食らっただけでゲームオーバーということもしばしばあるのでRISKの管理が重要である。またHPを消費して繰り出す必殺技「ブレイクアーツ」や複数のリムを攻撃出来るなどの効果を持つ魔法、戦闘中にタイミングよくボタンを押すと、さまざまな効果が起こる「バトルアビリティ」など様々な要素がある。
マップ
全体は大きく分けて23エリアで構成され、各エリアが10 - 30程度の部屋に分かれている。うち数カ所は箱を動かす事で出口に行けるような、パズル的部屋も用意されている。部屋には全て名前が付けられており、部屋の名前を読み進めるだけでも都市レアモンデの様子がうかがえる。また、一度クリアしないと行けない部屋もいくつか用意されている。
称号
ゲームの進め方を評価する称号がいくつか用意されており、得点によるリスクブレイカーランキング、最速クリア時間などのリスクブレイク、使い込んだ武器に与えられる称号、の大きく3つに分けられる。特にリスクブレイクは簡単に得られるものと難しいものがあるため、全ての称号を得るには何周もプレイする必要がある。

主な登場キャラクター[編集]

詳しくはベイグラントストーリーの用語一覧も参照。

アシュレイ・ライオット (Ashley Riot)
主人公。VKP所属。公爵邸占拠事件の鎮圧に参加する腕利きリスクブレイカー(危険請負人)。元近衛騎士団所属でVKPのアカデミーを首席で卒業したエリート。妻と子供を事故で亡くしている。常に冷静沈着なリアリストで、パートナーであるキャロとも必要以上のコミュニケーションを取ろうとしないなど、寡黙で無愛想な性格。このアシュレイの体験を元にゲームは進められていく。レアモンデを調査していくうちに彼自身も知らない過去と素性が明らかになっていく。「魔」に触れる中で他者の五感に「リンク」することでその者に起きた出来事をダイレクトに体験・知覚する能力に目覚める。ちなみに彼の特徴的な上着はスタッフやユーザーなどから「エプロン」と呼ばれることがある[4]
シドニー・ロスタロット (Sydney Losstarot)
カルト教団「メレンカンプ」の教祖。教団を率いて公爵邸を襲撃・占拠した後、レアモンデに行方を眩ませる。中性的な顔立ちに痩せ細った裸の上半身、鋼鉄の両手両足という異質な出で立ち。数多くいる預言者達の中でも圧倒的な存在感を放つカリスマで、他者の心の内を読む、初対面の人間の過去を言い当てる、さらには相手の意識を自分の意のままに操るなど「魔」の扱いに最も長けた人物。全てを達観したような言動でアシュレイをレアモンデの深淵へと誘っていく。
ロメオ・ギルデンスターン (Romeo Guildenstern)
法王庁直属の聖印騎士団「クリムゾンブレイド」の団長。アシュレイと同じくアカデミーを首席で卒業するほどの優秀な騎士。佇まいは洗練されているが、目的のためには如何なる手段も選ばないなど、その内面は冷酷そのもの。あるものを手に入れるためにシドニーを追ってレアモンデに突入する。
キャロ・メルローズ (Callo Merlose)
VKPの情報分析官。アシュレイのサポート役として共にレアモンデに潜入する。長い黒髪にアジアンティックな魅力を持つ美女。新米ながらも分析官らしく冷静な性格で、緊急事態に陥っても取り乱すことは少ない。分析官という職業からなのか、後に他者の心を読み取る能力が開花する。
ジョン・ハーディン (John Hardin)
メレンカンプの主要人物の一人。シドニーの友人でもあり、公爵邸襲撃事件にも加わっている。一見粗暴に見える外見だが、非常に人間くさく温かな人柄で、人質のジョシュアに弟の面影を見出し、優しく接する。遠くで起きている出来事を直接視る「千里眼」のような能力を持つ。
ジャン・ローゼンクランツ (Jan Rosencrantz)
VKPから派遣された「リスクブレイカー」を自称する男。飄々とした性格と言動で、事件の全容を知っているようにも伺えるが、敢えてそれをはぐらかし続け、自らの目的のためにあらゆる勢力に取り入る。「魔」を無効化する謎の能力を持つ。「〜なンだよ」など、"ん"が"ン"に変換される独特の喋り方をする。ちなみに「ファイナルファンタジータクティクス」に登場するガフ・ガフガリオンというキャラクターや「ファイナルファンタジータクティクスアドバンス」・「ファイナルファンタジーⅩⅡ」に登場するバンガ族も、このような喋り方をする。
サマンサ (Samantha)
クリムゾンブレイドのコマンダー。ギルデンスターンとは恋仲で、ひた向きな愛情を注ぐ。
ジョシュア・バルドルバ (Joshua Bardorba)
バルドルバ公爵の一人息子。シドニー達に人質として囚われる。事件のショックで口が聞けなくなってしまっている。ハーディンにはとてもよく懐いている。
アルドゥス・バイロン・バルドルバ (Aldous Byron Bardorba)
若き頃はバレンディア王国の内戦で活躍した英雄。グレイランド事件で殺害される。
ティア (Tia)
アシュレイの過去に登場する金髪の美しい女性。アシュレイが唯一愛した妻で聖母のような人物。ある事故により命を落としてしまう。アシュレイが常に首から下げているホーリーウィンのネックレスは彼女が身に着けていたものである。
マーゴ (Marco)
アシュレイの過去に登場する少年であり、アシュレイの息子。明るく素直な性格だったが、過去に起きた事故により無残にもその幼い命を落としてしまう。

メインスタッフ[編集]

関連商品[編集]

書籍[編集]

『ベイグラントストーリー 最速攻略本 for beginners』出版
株式会社デジキューブ ( ISBN 4-925075-74-8 )
基礎的な情報の記載に留まっている、攻略本と言うよりはガイドブックの趣が強い本。
ファミ通責任編集 『ベイグラントストーリー完全ガイドブック 〜アシュレイ追跡調査報告書〜』発売
株式会社アスペクト (ISBN 4-7572-0754-9)
終盤に登場するマップが記載されておらず、ゲームに登場しない第三者の目線でストーリーが概説されているため少々解り辛い。
スタジオベントスタッフ著 『ベイグラントストーリー アルティマニア』出版
株式会社デジキューブ ( ISBN 4-925075-75-6 )
やり込みを含めた様々なゲーム攻略情報のほか、ゲームの世界背景などを詳解した設定資料や開発者へのインタビュー、ベニー松山によるノベライズなどが収録されている。
デジキューブ版アルティマニアは現在絶版だが、スクウェア・エニックスよりほぼ同内容の「アルティマニア」が発売されている。

CD・その他のグッズ[編集]

ベイグラントストーリーオリジナル・サウンドトラック』(発売:デジキューブ)
2枚組、劇中に使用されたBGM全55曲を収録。リミックスバージョンもボーナス・トラックとして2曲収録。

ゲーム発売後、関連商品としてジッポーライター、シルバーネックレス、Tシャツ、キーホルダー、マネークリップ、カードケース等が販売された。また甲州ワインの製造会社と提携し、レアモンデ産ワインを販売していた。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『ファイナルファンタジーXII アルティマニアΩ』p146
  2. ^ 『ファイナルファンタジーXII バトルアルティマニア』p577
  3. ^ a b 『ベイグラントストーリー アルティマニア』p487
  4. ^ 『ベイグラントストーリー アルティマニア』p25
  5. ^ ベイグラントストーリー アルティマニア』p41

外部リンク[編集]