ヘレボルス

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クリスマスローズ属
Helleborus niger
野生の Helleborus niger
(2005年4月3日、イタリア
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: キンポウゲ目 Ranunculales
: キンポウゲ科 Ranunculaceae
亜科 : キンポウゲ亜科 Ranunculoideae
: ヘレボレアエ連 Helleboreae
: クリスマスローズ属 Helleborus
学名
Helleborus
L.
タイプ種
Helleborus niger L.
シノニム
  • Helleboraster
英名
hellebore
  • H. sect. Chenopus
  • H. sect. Dicarpon
  • H. sect. Griphopus
  • H. sect. Helleborastrum
  • H. sect. Helleborus
  • H. sect. Syncarpus

ヘレボルス学名: Helleborus)は、キンポウゲ科クリスマスローズ属[1]に分類される植物の総称。ヘレボラスともいう。「クリスマスローズ」という呼称は、クリスマスのころに開花するヘレボルス・ニゲル (Helleborus niger) だけを指した呼称であるが、日本園芸市場では、「レンテンローズ」と呼ばれるヘレボルス・オリエンタリス (Helleborus orientalis、ハルザキクリスマスローズ) なども「クリスマスローズ」の名前で出回る。

形態・生態[編集]

に見える部分は、植物学上では「花」ではなく「萼片」という部分である。そのため、鑑賞期間が比較的長い。ただし、本来の花弁蜜腺として残り、これが大きく発達したものを選別した品種もある。多くの品種は、クリスマスのころではなく、に開花する。

休眠状態となり、は活動を休止し、呼吸しているだけの状態となる。

分布[編集]

チベタヌス (Helleborus thibetanus) が中国四川省から雲南省にかけて自生しているのを除けば、15の原種[要出典]の全てが、東ヨーロッパからバルカン半島からトルコシリアに自生している。

人間との関わり[編集]

20世紀後半の品種改良は、主にイギリスでヘレン・バラードやエリザベス・ストラングマンによって進められた。「クリスマスローズ」という呼称も、「イギリスのクリスマス」に開花するという意味である。

により成分は異なるが、ジギタリスに似て強心配糖体ヘレブリンなどの根茎に含む。むかしは民間強心剤下剤堕胎薬などとして使われた。摂取すると、嘔吐腹痛下痢けいれん、呼吸麻痺めまい精神錯乱、心拍数の低下、心停止などをひき起こす。また、のどなどの粘膜がただれたり腫れあがったりする。

下位分類[編集]

原種[編集]

A Lenten hellebore
  • 有茎種
  • 中間種
  • 無茎種
    • Helleborus abruzzicus - イタリアのアブルッツォ州に由来。自生地はイタリア。花色は緑。
    • Helleborus atrorubens - 濃赤色の意。自生地はスロベニア、クロアチア。花色は赤紫〜紫〜緑、小豆色、臙脂。
    • Helleborus bocconei - イタリア人修道士パオロ・ボッコネに由来。自生地はイタリア、シチリア島。花色は緑〜黄緑。
    • Helleborus croaticus - クロアチアに由来。自生地はクロアチア。花色は紫〜緑。
    • Helleborus cyclophyllus - 丸い葉の意。自生地はギリシャマケドニアなど。花色は緑〜黄緑。
    • Helleborus dumetorum - が多い場所の意。自生地はスロヴェニア、ハンガリー、オーストリア、ルーマニア、クロアチアなど。花色は緑、ホワイトエッジ。
    • Helleborus ligurucus - イタリアのリグーリア地方に由来。自生地はイタリア。花色は緑〜緑白。
    • Helleborus malyi (Helleborus torquatus Montenegro) - 自生地はモンテネグロ。花色は緑〜紫。
    • Helleborus multifidus
      • H. m. subsp. mulutifidus - 多数に分かれたの意。自生地はイタリア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアなど。花色は緑〜黄緑。
      • H. m. subsp. hercegovinus - ヘルツェゴビナに由来。自生地はボスニア・ヘルツェゴビナなど。花色は緑〜黄緑。
      • H. m. subsp. istriacus - イストリア地方に由来。自生地はイストリアなど。花色は緑〜黄緑。
    • Helleborus occidentails - 西方の意。自生地はフランス、ドイツ、スペインなど。花色は緑〜黄緑。
    • Helleborus odorus - 香りのよいの意。自生地はハンガリー、スロヴェニア、ルーマニアなど。花色は緑〜黄。
    • ハルザキクリスマスローズ[1](ヒメフユボタン、レンテンローズ[1][4] Helleborus orientalis(ヘレボルス・オリエンタリス)
      • H. o. subsp. orientalis - 東洋東方の意。自生地はトルコ、グルジアウクライナ。花色は白〜アイボリー、ピンク。
      • H. o. subsp. guttatus - 斑点のあるの意。自生地はウクライナ。花色は白〜アイボリー、スポット。
      • H. o. subsp. abchasicus - アブハジアに由来。自生地はグルジア(アブハジア)。花色はピンク〜紫。
    • Helleborus purpurascens - 紫色の意。自生地はハンガリー、ルーマニア、ポーランドなど。花色は灰紫。
    • Helleborus serbicus or Helleborus serbicam (Helleborus torquatus Serbia) - セルビアに由来。自生地はセルビア。花色は紫〜緑。
    • Helleborus thibetanus - チベットに由来。自生地は中国。花色は白〜ピンク。
    • Helleborus torquatus - 襟飾りの意。自生地はボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロ、セルビアなど。花色は緑〜紫、ベイン。
    • アサギフユボタン[5] Helleborus viridis - 緑色の意。自生地はスイス、フランス、イタリアなど。花色は緑。

交雑種[編集]

ニゲルXアーグティフォリウスの交配種 バレンタイングリーン
  • 無茎種の交雑
    • ヘレボラス・ヒブリダス Helleborus × hybridus
  • 自然交雑種
    • Helleborus odorus laxusHelleborus odorus × Helleborus multifidus subsp. istriacus
  • 有茎種の交雑
    • Helleborus × balladiaeHelleborus niger × Helleborus lividus
    • Helleborus × ericsmithiiHelleborus niger × Helleborus × sternii
    • Helleborus × nigercorsHelleborus niger × Helleborus argutifolius
    • Helleborus × sterniiHelleborus argutifolius × Helleborus lividus
    • Helleborus × belcheri('Pink Ice' Helleborus niger × Helleborus thibetanus) - Ashwood Nursery 作出。
    • Helleborus × ashwoodensis('Briar Rose' Helleborus niger × Helleborus vesicarius) - Ashwood Nursery 作出。
    • Helleborus × sahiniiHelleborus niger × Helleborus foetidus
    • Helleborus × hybridus × Helleborus niger('Snow White')
    • Helleborus × hybridus × Helleborus thibetanusHelleborus 'Yoshino')
    • Helleborus foetidus × argutifolius

八重咲きの基となった品種[編集]

  • Helleborus torquatus 'Dido(ディド、ダイドー)' 'Aeneas'(イーニアス)
  • Helleborus × hybridus 'Mrs. Betty Ranicar'(ミセス ベティー ラニカー)
  • Helleborus × hybridus 'Insomnia'(インソムニア)

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d 大場秀章編著 『植物分類表』 アボック社2009年ISBN 978-4-900358-61-4
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Helleborus foetidus L.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2014年3月27日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Helleborus niger L.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2014年3月27日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Helleborus orientalis Lam.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2014年3月27日閲覧。
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Helleborus viridis L.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2014年3月27日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]