ヘプタクロル

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ヘプタクロル
ヘプタクロルの構造式
IUPAC名 1,4,5,6,7,8,8-ヘプタクロロ-3a,4,7,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン
分子式 C10H5Cl7
分子量 373.32
CAS登録番号 [76-44-8]
形状 白色粉末
密度 1.58 g/cm3, 液体
相対蒸気密度  (空気 = 1)
融点 95–96 °C
沸点 135–145 °C/1–1.5 mmHg
SMILES ClC1(C(Cl)2Cl)C(C=CC3Cl)
C3C2(Cl)C(Cl)=C1Cl
出典 ICSC

ヘプタクロル (heptachlor) は殺虫剤の一種であり、接触毒および食毒として作用する。外見は白色の粉末で、純度の低いものは黄褐色を呈する。類縁化合物としてクロルデン (chlordane) が挙げられる。日本では1957年農薬として登録されたが、1972年に取り消されている。

特に土壌病害虫やシロアリに対して、またマラリアを媒介するハマダラカ属のカへの対策、そして植物防疫剤(農薬)として使用された。

ヒトに対しては肝臓への障害と中枢神経の過剰刺激を引き起こす。発癌性も疑われている。ヘプタクロルは非常に安定した構造を持つため、自然の環境下では何十年間も分解されずに残る。土壌中の半減期は2年以下である。

1962年レイチェル・カーソンの著書『沈黙の春』がその安全性に疑義を唱えた。アメリカ合衆国環境保護庁はヘプタクロル製品の販売を禁止し、実質的にあらゆる用途から閉め出した。

2001年に採択されたストックホルム条約において、12種類の残留性有機汚染物質の製造・販売・使用の禁止が決定されたが、そのなかにはヘプタクロルも含まれている。

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