ヘビイチゴ

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ヘビイチゴ
ヘビイチゴの果実
ヘビイチゴの果実
(東京都町田市・2006年5月)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : バラ亜科 Rosoideae
: キジムシロ属 Potentilla
: ヘビイチゴ P. hebiichigo
学名
Potentilla hebiichigo
Yonek. et H.Ohashi
シノニム

Duchesnea chrysantha (Zoll. et Moritzi) Miq.
Fragaria chrysantha Zoll. & Moritzi
Duchesnea wallichiana auct.

和名
ヘビイチゴ(蛇苺)
品種

ヘビイチゴ(蛇苺、学名Potentilla hebiichigo)は、バラ科キジムシロ属多年草語源については実が食用にならずヘビが食べるイチゴ[1]、ヘビがいそうな所に生育する[2]、イチゴを食べに来る小動物をヘビが狙うことからなど諸説がある。があるという俗説があり、ドクイチゴとも呼ばれるが、無毒。以前はヘビイチゴ属に分類されDuchesnea chrysanthaと呼ばれていた。

特徴[編集]

畦道や野原などの湿った草地に自生し、アジア南東部と日本全土に広く分布する[1][2]

は短く、を根出状につけるが、よく匍匐茎を出して地面を這って伸びる。葉は三出複葉、楕円形の小葉には細かい鋸歯があって深緑。

初夏より葉のわきから顔を出すように黄色いを付ける。花は直径1.5cmほどで、花弁の数は5つと決まっている。花期は4月から6月[1][2]

花のあとに花床が膨らんで光沢のない薄紅色の花床となる[1]果実の表面には多数の痩果が付き[1]、赤色で球形、イチゴに多少似たものがなる。毒は含まれないが、あまり味が無いため食用には好まれない[1][2][3]

分類[編集]

最近の遺伝的証拠は、ヘビイチゴ属 (Duchesnea) はキジムシロ属 (Potentilla) に含めたほうがよいことを示しているが[4]、現在のところほとんどの情報源がまだこの種をヘビイチゴ属として載せている。

品種[編集]

  • ヘビイチゴ Potentilla hebiichigo f. hebiichigo
  • シロミノヘビイチゴ Potentilla hebiichigo f. leucocephala (Makino) Yonek. et H.Ohashi

雑種[編集]

ヘビイチゴとヤブヘビイチゴとの交雑種はアイノコヘビイチゴPotentilla × harakurosawae(Naruh. & M. Sugim.)H. Ohashi )と呼ばれる。ヘビイチゴは染色体数が14本の2倍体(2n = 2x = 14)であり、染色体数が84本の12倍体(2n = 12x = 84)であるヤブヘビイチゴとの雑種には、7倍体(2n = 7x = 49)あるいは8倍体(2n = 8x = 56)のものがある[5]。7倍体雑種は両種の中間的な形質を示し、偽果痩果もできない[6]

近縁種[編集]

ヤブヘビイチゴ Potentilla indica (Andrews) Th.Wolf
ヘビイチゴに比べ、葉の色が濃い。果実に光沢がある。
オヘビイチゴ Potentilla anemonifolia Lehm.
葉は5小葉からなる。花はヘビイチゴに似ているが、イチゴ状の果実をつくらない。
ヒメヘビイチゴ Potentilla centigrana Maxim.
ノウゴウイチゴ Fragaria iinumae Makino
オランダイチゴ属高山植物。葉は3小葉からなり、花は白く、径 8mm程の果実をつくる。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f 日本の野草 (2009)、398-399頁
  2. ^ a b c d 季節の野草・山草図鑑(2005)、128頁
  3. ^ 岩槻秀明 『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本』 秀和システム2006年11月5日ISBN 4-7980-1485-0 p.166
  4. ^ Torsten Eriksson, Malin S. Hibbs, Anne D. Yoder, Charles F. Delwiche, and Michael J. Donoghue (2003). “The Phylogeny of Rosoideae (Rosaceae) Based on Sequences of the Internal Transcribed Spacers (ITS) of Nuclear Ribosomal DNA and the trnL/F Region of Chloroplast DNA”. Int. J Plant Sci. 164 (2): 197–211. doi:10.1086/346163. 
  5. ^ Naruhashi, N.; Iwatsubo, Y. (1991). “Cytotaxonomic study on two putative hybrids in the genus Duchesnea (Rosaceae)”. J. Plant Res. 104 (2): 137-143. doi:10.1007/BF02493254. 
  6. ^ uotak. “ヘビイチゴ Duchesnea chrysantha バラ科 Rosaceae ヘビイチゴ属”. 三河の野草. 2012年8月9日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]