ヘサキリクガメ

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ヘサキリクガメ
ヘサキリクガメ
ヘサキリクガメ Angonoka yniphora
保全状況評価[a 1][a 2]
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 CR.svgワシントン条約附属書I
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 潜頸亜目 Testudinidea
上科 : リクガメ上科 Testudinidea
: リクガメ科 Testudinidae
亜科 : リクガメ亜科 Testudininae
: ヘサキリクガメ属 Angonoka
Le, Raxworthy, McCord & Mertz, 2006
: ヘサキリクガメ A. yniphora
学名
Angonoka yniphora (Vaillant, 1885)
シノニム

Testudo yniphora Vaillant, 1885 Testudo radiote yuniphora
Siebenrock, 1909
Astrochelys yniphora
Loveridge & Williams, 1957
Geochelone yniphora
Loveridge & Williams, 1957

和名
ヘサキリクガメ
英名
Angonoka tortoise
Madagascar ploughshare tortoise

ヘサキリクガメ(舳先陸亀、Angonoka yniphora)は、爬虫綱カメ目リクガメ科ヘサキリクガメ属(ホウシャガメ属とする説もあり)に分類されるカメ。

分布[編集]

マダガスカル北西部[1][2][3][4][5]固有種

形態[編集]

最大甲長44.6センチメートル[2][3][4]背甲はドーム状に盛りあがり[3]、上から見るとやや細長い[2]。甲板は成長輪が明瞭だが、老齢個体は磨耗し不鮮明になることもある[2]項甲板はやや小型[2]。後部縁甲板の外縁はやや鋸状に尖って反りあがり、左右の第12縁甲板は癒合する[2]。左右の喉甲板は癒合し、前方に突出する[2][3][4]。この突出した喉甲板を、船の舳先に例えたことが和名の由来になっている[4]腹甲は黄色で、不明瞭な褐色の斑紋が入る個体もいる[2]

頭部は中型[2]。吻端は突出せず、上顎の先端はわずかだが鉤状に尖る[2]。頭部は黒や暗褐色、褐色一色で、鼓膜の周辺に黄色斑が入る[2]。頸部や四肢、尾は黄色や黄褐色[2]

分類[編集]

以前はリクガメ属に含まれ、属内ではホウシャガメに最も近縁な種とされていた[2]。核DNAおよびミトコンドリアDNA塩基配列分子系統学的解析から本種とホウシャガメの2種はリクガメ属の他種とは近縁ではなく、セーシェルや同じマダガスカルに分布するクモノスガメ属セーシェルゾウガメ属に近縁と推定されたためリクガメ属から分割する説が有力[4]。頭骨や甲板の構造、分子系統学的解析において本種がホウシャガメよりもクモノスガメ属やセーシェルゾウガメ属により近縁な可能性があることから、本種のみでヘサキリクガメ属を形成する説もある[1][4]。一方で最尤法による分子系統学的解析では本種とホウシャガメで単系統群を形成するという結果が出ていること、別属として分割するほどの差異はないとして本種をホウシャガメ属に含める説もある[1][4]

生態[編集]

乾燥した落葉広葉樹林内に点在する竹林の周辺および草原、藪地に生息する[1][4][5]。11-翌4月(雨季)や降雨の直後に活発に活動し、5-10月(乾季)になると落ち葉の下などで休眠する[2][4]

食性は植物食で、低木の葉(マメ科)、などを食べる[2][4][5]

繁殖形態は卵生。飼育下では1-5月に1回に3-5個の卵を年に最大7回に分けて産んだ例がある[2][5]。生後20年で性成熟する[1][5]

人間との関係[編集]

属名Angonokaは他種も含めた生息地での呼称に由来する[1][5]

野焼き、食用やペット用の乱獲、人為的に移入されたカワイノシシによる卵や幼体の捕食などにより生息数は激減している[1][2][4][5]。マダガスカルでは法的に保護の対象とされ、生息地の一部は保護区に指定されている[2][4]。一方で密猟されることもあり、摘発例もある[2][4]。生息地では飼育下繁殖個体を再導入する試みが進められている[2][4][5]1985年における生息数は100-400頭と推定されている[2][4]

参考文献[編集]

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  1. ^ a b c d e f g R. Bour 「ヘサキリクガメ Astrochelys yuniphora (Vaillant, 1885):その過去、現在、そして不確定な未来」『Emys 日本語版』No.1、ZOO MED Japan Co., Ltd.、2008年、28-39頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ8 太平洋、インド洋』、講談社2001年、133、250頁。
  3. ^ a b c d 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、196頁。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 安川雄一郎 「ペットとしてのリクガメの飼育と分類」『エクストラ・クリーパー』No.3、誠文堂新光社、2008年、51、60、70頁。
  5. ^ a b c d e f g h 『絶滅危惧動物百科4 カザリキヌバネドリ―クジラ(シロナガスクジラ)』 財団法人自然環境研究センター監訳、朝倉書店、2008年、26-27頁。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  1. ^ CITES homepage
  2. ^ The IUCN Red List of Threatened Species
    • Leuteritz, T. & Pedrono, M. 2008. Astrochelys yniphora. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.2.