プロキシーファイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

プロキシーファイト(Proxy Fight)とは、株主株主総会において自らの株主提案を可決させるため、議決権行使にかかる他の株主の委任状を、会社の経営陣あるいは別の立場の株主と争奪する多数派工作のこと。日本語では委任状闘争、委任状争奪合戦などと訳される。

プロキシーファイトが成功すれば、投入した資金以上の議決権を確保することが可能となるが、経営戦略上の理由によっては採算を度外視する場合もある。プロキシーファイトの活用法としては、例えば、20%を超える買付に対しポイズンピルが発動する企業を買収する場合、20%弱までの買付にとどめた上でプロキシーファイトを仕掛け、株主総会決議により取締役を送り込む手法が考えられる。

事例[編集]

  • ヒューレット・パッカードの2002年3月開催の株主総会において、コンパックとの合併を模索するカーリー・フィオリーナ会長兼最高経営責任者(CEO)率いる同社経営陣と、これに反対のウォルター・ヒューレットを筆頭とする創業者一族との間でプロキシーファイトが繰り広げられた。採決では取締役会提案が僅差で可決され、決議無効を争う裁判の後に確定した。
  • 東京スタイルの2002年5月開催の株主総会において、配当金の大幅増額(当初会社予想1株当たり配当額12.5円を500円へ)、自己株式の取得(上限500億円)、社外取締役の選任を求め、村上世彰率いる村上ファンドがプロキシーファイトを仕掛けた。採決では、取引先との持ち合いや1株当たり20円への増配提案により、取締役会提案が可決された。
  • TBSの2007年6月開催の株主総会において、筆頭株主である楽天グループが、『三木谷浩史楽天社長らの社外取締役選任』『買収防衛策発動に株主総会の特別決議を必要とするよう定款を変更すること』を求める株主提案を提出し、TBSとの間でプロキシーファイトを繰り広げた。採決では、TBS株主の賛同をほとんど得られなかった楽天の株主提案は、圧倒的な反対多数で否決された。
  • CFSコーポレーションの2008年1月開催の臨時株主総会において、調剤薬局最大手のアインファーマシーズとの株式移転による経営統合を目指すCFS経営陣と、統合比率が不利なことなどを理由に統合に反対する筆頭株主のイオン株式会社との間でプロキシーファイトが繰り広げられた。採決では、激しい攻防の末にイオンが3分の1超の反対票獲得に成功。経営統合議案は否決され、アインとの統合は破談となった。