プリンセス・ロイヤル (称号)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
現在のプリンセス・ロイヤルであるアン王女
プリンセス・ロイヤル(Princess Royal[1] )は、イギリス国王または女王の長女に与えられる称号。出生と同時に自動的に与えられるのではなく、慣例として与えられる称号である。この称号は生涯使用され、称号を授けられた王女の存命中は、代替わりした国王に王女がいてもプリンセス・ロイヤルの称号を名乗ることはない。特に現女王エリザベス2世については、叔母にあたるメアリー王女が1965年に死去するまでプリンセス・ロイヤルを名乗っていたため、エリザベスはプリンセス・ロイヤルの称号を受けることがなかった。現時点まで、7人のプリンセス・ロイヤルが存在した[2]。現在のプリンセス・ロイヤルは、エリザベス2世の長女アンである。
この称号は、フランス王女でチャールズ1世妃であったヘンリエッタ・マリア・オブ・フランスが、自分の長女メアリー・ヘンリエッタ(のちにオラニエ公ウィレム2世妃となる)に、母国フランスで国王の長女に与えられる称号マダム・ロワイヤルに倣った称号を与えて欲しいと願ったことで創設された。称号は王家の認証状(Warrant)で授けられ、特許状(Letters Patent)によって授けられるのではない。
プリンセス・ロイヤルの称号は、在位している君主の判断で授けられる。ジェームズ2世の長女メアリー、そしてジョージ1世の一人娘ゾフィア・ドロテアは、プリンセス・ロイヤルの資格があったが、2人とも授けられていない。
歴代プリンセス・ロイヤル一覧 [編集]
最初の年号は、プリンセス・ロイヤルであった期間を表す。氏名の後の年号は、生没年を表す。
- 1642年 - 1660年 − メアリー・ヘンリエッタ・ステュアート(1631年 - 1660年):チャールズ1世の長女。オラニエ公ウィレム2世妃。
- 1727年 - 1759年 − アン・オブ・ハノーヴァー(1709年 - 1759年):ジョージ2世の長女。オラニエ公ウィレム4世妃
- 1789年 - 1828年 − シャーロット・マティルダ・オブ・グレートブリテン(1766年 - 1828年):ジョージ3世の長女。ヴュルテンベルク王フリードリヒ1世妃
- 1841年 - 1901年 − ヴィクトリア(1840年 - 1901年):ヴィクトリア女王の長女。ドイツ皇帝フリードリヒ3世の皇后
- 1905年 - 1931年 − ルイーズ・オブ・ウェールズ(1867年 - 1931年):エドワード7世の長女。初代ファイフ公アレグザンダー・ダフ夫人。
- 1932年 - 1965年 − メアリー・ウィンザー(1897年 - 1965年):ジョージ5世の一人娘。第6代ヘアウッド伯爵ヘンリー・ラッセルズ夫人
- 1987年 − アン・マウントバッテン=ウィンザー(1950年 - ):現女王エリザベス2世の長女。
- ルイーザ・マリア・テレーザ・ステュアート(1692年 - 1712年) - ジェームズ2世の末娘。名誉革命でジェームズが王位を追われた後、サン・ジェルマン=アン=レーで亡命中に誕生。ジャコバイトからプリンセス・ロイヤルと呼ばれていた。