プリモディーネ

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プリモディーネ
1999年4月11日 阪神競馬場
欧字表記 Primo Ordine
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 1996年4月5日(28歳)
死没 (存命)
登録日 1998年7月16日
抹消日 2001年9月20日
アフリート
モンパリ
母の父 マルゼンスキー
生国 日本の旗 日本北海道門別町
生産者 サンシャイン牧場
馬主 伊達秀和
調教師 西橋豊治栗東
競走成績
生涯成績 10戦3勝
獲得賞金 1億8770万7000円
勝ち鞍
GI 桜花賞 1999年
GIII ファンタジーS 1998年
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プリモディーネ日本競走馬。第3回ファンタジーステークスと第59回桜花賞を制した。馬名の由来はイタリア語で Primo Ordine (一流の、一番の)。伊達秀和ゆかりのソーダストリーム一族がひさびさに送り出した活躍馬である。

戦績[編集]

現役中に馬齢の表記方法が変更されたため、2000年までは旧表記で記載

3歳時[編集]

1998年10月11日京都競馬場で行われたダート1400m 新馬戦デビュー。1番人気で1着となった。

続く11月7日ファンタジーステークスには福永祐一が騎乗して出走。ダート戦1勝のみの成績からか、12頭中6番人気であった。レースではやや後ろにつけ追走、前を行くタヤスブルームや、ほぼ同じ位置にいたゴッドインチーフなどを、ラスト3ハロン34秒8の末脚でかわして重賞初勝利を挙げた。

2連勝の勢いに乗って阪神3歳牝馬ステークスを目標に調整されたが、軽いフレグモーネを発症したため回避した。

4歳時[編集]

明けて1999年3月6日チューリップ賞に出走。レースでは逃げたエイシンルーデンスが後続を抑えて1着となり、プリモディーネは4着に敗れた。

4月11日の第59回桜花賞では、阪神3歳牝馬ステークスを制したスティンガーシンザン記念4歳牝馬特別を連勝したフサイチエアデール、さらにはトゥザヴィクトリーウメノファイバーなどの好メンバーが揃った中、プリモディーネは4番人気に推された。スタートで1番人気のスティンガーが大きく出遅れる波乱の展開の中でじっと後方に待機、4コーナーまで動かず、他馬が動いて進路が開くのを見極めてスパートをかけ、出走馬で最速のラスト3ハロン35秒7で一気に差し切ってGIタイトルを獲得した。騎乗した福永祐一はGI挑戦25戦目で初の制覇となった。

桜花賞と同じコンビで優駿牝馬(オークス)へ向かう予定だったが、福永は桜花賞の翌週の4月17日中京競馬場で落馬、左肋骨2本骨折、左損傷という重傷を負ってしまったため、藤田伸二に乗り替わることとなった。

5月30日、第60回優駿牝馬に出走。父が短中距離系のアフリートであることから距離適性が不安視されて3番人気だった。1番人気はトゥザヴィクトリー、2番人気は前走出遅れて力を出し切れなかったスティンガーであった。レースはエイシンルーデンスがスローペースで逃げる展開の中、折り合って後方から追走、直線で追い込むが0.1秒差届かず、ウメノファイバーの3着に敗れた。

桜花賞を勝ち、優駿牝馬でも僅差の3着と強さを見せ、秋華賞エリザベス女王杯に向けて期待されていたが、右前脚の状に穴があく蟻洞という病気を発症、完治するには健康な蹄が伸びてくるのを待つしかないため、長期間休養することとなった。

5歳以降[編集]

前走から約1年半たった2000年11月12日、再び福永とコンビを組んでエリザベス女王杯に出走。しかし馬体重は40kg増の516kgと、成長分を考えても体調は万全とはいえない状態であり、結果は直線で伸びず16着だった。その後阪神牝馬特別では8着、明けて2001年京都牝馬ステークスでは16着と振るわなかった。さらに右第一趾骨骨折が判明し、放牧に出された。

約半年後の8月12日札幌競馬場クイーンステークスに出走し10着。そして9月1日に新馬戦以来のダート戦となるエルムステークスに出走したが、結果は11着だった。

その後再び蹄の状態が悪化したため、現役を引退した。

競走成績[編集]

以下の内容は、netkeiba.com[1]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
1998.10.11 京都 3歳新馬 ダ1400m(良) 9 8 9 001.70(1人) 01着 R1:26.8(37.6) -0.3 幸英明 53 (ムゲン) 488
0000.11.07 京都 ファンタジーS GIII 芝1400m(良) 12 5 5 015.20(6人) 01着 R1:21.7(34.8) -0.2 福永祐一 53 (ゴッドインチーフ) 488
1999.03.06 阪神 チューリップ賞 GIII 芝1600m(良) 14 4 6 007.60(3人) 04着 R1:35.5(35.5) -0.4 福永祐一 54 エイシンルーデンス 480
0000.04.11 阪神 桜花賞 GI 芝1600m(良) 18 7 14 008.90(4人) 01着 R1:35.5(35.7) -0.2 福永祐一 55 フサイチエアデール 484
0000.05.30 東京 優駿牝馬 GI 芝2400m(良) 18 2 4 006.60(3人) 03着 R2:27.0(34.7) -0.1 藤田伸二 55 ウメノファイバー 476
2000.11.12 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 17 6 11 026.10(7人) 16着 R2:14.7(35.0) -1.9 福永祐一 56 ファレノプシス 516
0000.12.17 阪神 阪神牝馬特別 GII 芝1600m(良) 14 3 4 036.6(11人) 08着 R1:35.0(35.3) -1.2 福永祐一 55 トゥザヴィクトリー 506
2001.01.28 京都 京都牝馬S GIII 芝1600m(稍) 16 3 6 023.3(10人) 16着 R1:36.9(36.6) -1.7 松永幹夫 56 グレイスナムラ 504
0000.08.12 札幌 クイーンS GIII 芝1800m(良) 11 6 6 055.9(10人) 10着 R1:48.9(36.5) -1.5 小野次郎 55 ヤマカツスズラン 512
0000.09.01 札幌 エルムS GIII ダ1700m(良) 13 8 12 049.40(9人) 11着 R1:45.7(39.2) -2.3 小野次郎 57 エンゲルグレーセ 508

引退後[編集]

繁殖牝馬となり、アメリカのラニメードファームを経て同国のウィンチェスターファームに繋養された後、2015年1月に故郷のサンシャイン牧場に戻り、引退名馬繋養展示事業の対象となっている[2]

繁殖成績[編集]

生年 馬名 毛色 戦績
第1子 2003年 Fairy Whisper 鹿毛 Broad Brush 不出走(引退・繁殖)
第2子 2004年 アルビアン 鹿毛 Cozzene 13戦1勝(引退・繁殖)
第3子 2006年 キングロマネスク 芦毛 Maria's Mon 20戦3勝(引退)
第4子 2007年 ローカパーラ 鹿毛 Vindication 17戦1勝(引退)
第5子 2008年 デラセーラ 栗毛 Maria'sMon 8戦0勝(引退・繁殖)
第6子 2009年 ミスリンディ 栗毛 Stormy Atlantic 13戦1勝(引退・繁殖)
第7子 2010年 クロンブリオント 鹿毛 Mizzen Mast 6戦1勝(引退)
第8子 2011年 ラプレシューズ 鹿毛 A.P. Indy 不出走(引退・繁殖)
第9子 2013年 ナツメ 栗毛 Monsun 16戦2勝(引退・繁殖)

血統表[編集]

プリモディーネ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミスタープロスペクター系
[§ 2]

*アフリート
Afleet
1984 栗毛
父の父
Mr. Prospector
1970 鹿毛
Raise a Native Native Dancer
Raise You
Gold Digger Nashua
Sequence
父の母
Polite Lady
1977 鹿毛
Venetian Jester Tom Fool
Venice
Friendly Ways Green Ticket
Ways to Learn

モンパリ
1988 鹿毛
マルゼンスキー
1974 鹿毛
Nijinsky Northern Dancer
Flaming Page
*シル
Shill
Buckpasser
Quill
母の母
イザベラ
1980 栗毛
*イエローゴッド
Yellow God
Red God
Sally Deans
モンナバンナ *モンタヴァル
*ソーダストリーム
母系(F-No.) 3号族(FN:3-e) [§ 3]
5代内の近親交配 Tom Fool4×5=9.38%、Nasrullah5×5=6.25%、Princequillo5×5=6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ プリモディーネ 5代血統表 2017年9月4日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com プリモディーネ 5代血統表 2017年9月4日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ プリモディーネ 5代血統表 2017年9月4日閲覧。
  4. ^ netkeiba.com プリモディーネ 5代血統表 2017年9月4日閲覧。

脚注[編集]

  1. ^ プリモディーネの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年9月2日閲覧。
  2. ^ 近況”. 引退名馬. 2022年3月6日閲覧。

外部リンク[編集]