プラット・アンド・ホイットニー・カナダ PW100

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
カナダ航空博物館のPW120

プラット・アンド・ホイットニー・カナダ PW100シリーズは、プラット・アンド・ホイットニー社のカナダを拠点とする子会社であるプラット・アンド・ホイットニー・カナダが製造している、2,000~5,000馬力(1,500~3,700 kW)クラスのターボプロップエンジンである。

PW100は比較的珍しい3シャフトの基本構成を使用している。この基本構成を使用しているほかのエンジンとしては、ロールス・ロイス Gem (en:Rolls-Royce Gem)とユーロプロップ・インターナショナル TP400-D6がある。PW100では、1段の低圧タービンで駆動される遠心式の低圧圧縮機(3ステージ低圧圧縮機を使用するPW150を除く)が、1段の高圧タービンで駆動される遠心式の高圧圧縮機を過給する。出力は、2段のフリー(パワー)タービンに接続された第3のシャフトを経由して、オフセットされた減速ギアボックスに伝えられる。

このエンジンは1984年から使用開始された。80年代から90年代にかけて毎年のように小規模な改良が施されている。外形寸法はほぼ同じで互いに互換性を持つ形式が多い。

派生機種[編集]

PW123
PW127E
PW127G
PW115
現在は使用されていない。[1] エンブラエル EMB 120に使用されていた。
PW118
1986年に認証取得 最大連続定格 1892eshp (1411kW)、PW118Aへ換装可能。[1]
PW118A
1987年に認証取得 最大連続定格 1893eshp (1412kW)、PW118Bへ換装可能。[1]
PW118B
1996年に認証取得 最大連続定格 1892eshp (1412kW)[1]
PW119
現在は使用されていない。[1]
PW119A
1992年に認証取得 最大連続定格 1948eshp (1453kW)、PW119Bへ換装可能。[1]
PW119B
1993年に認証取得 最大連続定格 1941eshp (1448kW)、PW119Cへ換装可能。[1]
PW119C
1995年に認証取得 最大連続定格 1941eshp (1448kW)、PW119Bへ換装可能。[1]
PW120
1983年に認証取得 最大連続定格 1787eshp (1333kW)、PW121へ換装可能。[1]
PW120A
1984年に認証取得 最大連続定格 1892eshp (1411kW)、PW121へ換装可能。[1]
PW121
1987年に認証取得 最大連続定格 2044eshp (1524kW)、PW120へ換装可能。[1]
PW121A
1995年に認証取得 最大連続定格 1992eshp (1465kW)[1]
PW123
1987年に認証取得 最大連続定格 2261eshp (1687kW)、PW123B, C, D または Eへ換装可能。[1]
PW123AF
1989年に認証取得 最大連続定格 2261eshp (1686kW)、PW123へ換装可能。[1]
PW123B
1991年に認証取得 最大連続定格 2262eshp (1687kW)、PW123へ換装可能。[1]
PW123C
1994年に認証取得 最大連続定格 2054eshp (1532kW)、PW123 または Dへ換装可能。[1]
PW123D
1994年に認証取得 最大連続定格 2054eshp (1532kW)、 PW123 または Cへ換装可能。[1]
PW123E
1995年に認証取得 最大連続定格 2261eshp (1687kW)、PW123へ換装可能。[1]
PW124
現在は使用されていない。[1]
PW124A
現在は使用されていない。[1]
PW124B
1988年に認証取得 最大連続定格 2522eshp (1881kW)、PW123 または PW127へ換装可能。[1]
PW125
現在は使用されていない。[1]
PW125A
現在は使用されていない。[1]
PW125B
1987年に認証取得 最大連続定格 2261eshp (1687kW)[1]
PW126
1987年に認証取得 最大連続定格 2323eshp (1732kW)、PW123 または PW126Aへ換装可能。[1]
PW126A
1989年に認証取得 最大連続定格 2493eshp (1859kW)、PW123 または PW127Dへ換装可能。[1]
PW127
1992年に認証取得 最大連続定格 2619eshp (1953kW)、PW127C,E またはFへ換装可能。[1]
PW127A
1992年に認証取得 最大連続定格 2620eshp (1954kW)、PW127Bへ換装可能。[1]
PW127B
1992年に認証取得 最大連続定格 2619eshp (1953kW)[1]
PW127C
1992年に認証取得 最大連続定格 2880eshp (2148kW)[1]
PW127D
1993年に認証取得 最大連続定格 2880eshp (2148kW)、PW127Bへ換装可能。[1]
PW127E
1994年に認証取得 最大連続定格 2516eshp (1876kW)、PW127Mへ換装可能。[1]
PW127F
1996年に認証取得 最大連続定格 2619eshp (1953kW)、PW127Mへ換装可能。[1]
PW127G
1997年に認証取得 最大連続定格 3058eshp (2281kW)[1]
PW127H
1998年に認証取得 最大連続定格 2880eshp (2148kW)[1]
PW127J
1999年に認証取得 最大連続定格 2880eshp (2148kW)[1]
PW127M
2007年に認証取得 最大連続定格 2619eshp (1953kW)[1]
PW150A
1998年6月24日に認証取得 最大連続定格 5071shp (3782kW)、7000shpまで向上可能。遠心NLユニットに代わり3段軸流圧縮機を装備する。ボンバルディア Q400に搭載。
ST18M
PW100の海上運用型。
ST40M
PW150Aの海上運用型。

仕様[編集]

一般的特性

  • 形式: ターボプロップ
  • 全長: 2134mm
  • 直径: 838mm
  • 乾燥重量: 単体で929ポンド、補機類と潤滑油を含めると1064 ポンド[2]

構成要素

  • 圧縮機: 低圧と高圧の独立した遠心式圧縮機[2]
  • 燃焼器: アニュラー反転流式燃焼器[2]
  • タービン: 2段式(高圧・低圧)の軸流式フリータービン[2]
  • 使用燃料: JET A
  • 潤滑システム: 内蔵[2]

性能

  • 出力: pw120 離陸時 1800shp Rto 2000shp pw121 離陸時 1900shp Rto 2100shp pw124 離陸時 2160shp Rto 2400shp pw127 離陸時 2475shp Rto 2750shp (Rto=離陸時予備出力)(shp=軸馬力)[2]
  • タービン入口温度: 離陸時予備出力 最大816度 始動時 最大950度 5 秒間[2]
  • 出力重量比:


比較[編集]

エンジン 軸出力 (kW) 連続出力 (kW) 乾燥重量 kg 圧縮比 直径 mm 全長 mm
PW121 1603 425 838 2134
PW123 1775 450 838 2134
PW127E 1790 481 838 2134
PW127F 2051 450 838 2134
PW127H/J/M 2051 481 838 2134
PW150A 3781 690 1105 2423


搭載機種[編集]

航空機[編集]

カナダ空軍のCT-142に据え付けられたPW120A

その他[編集]

参照[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak Transport Canada Type Certificate Data Sheet
  2. ^ a b c d e f g ATR 42 72 Aircraft Maintenance Training Manual,chapter 71

外部リンク[編集]