プシコース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
D-Psicose
{{{画像alt1}}}
識別情報
CAS登録番号 23140-52-5
16354-64-6(L体)
PubChem 90008
日化辞番号 J56.261K
MeSH psicose
特性
化学式 C6H12O6
モル質量 180.16 g mol−1
融点

109ºC

比旋光度 [α]D 16.3°(c=0.94, H2O, 20ºC)[1]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

プシコース(psicose, Psi)は、六炭糖およびケトースに分類される単糖の一種。フルクトースの 3 位のエピマーである。抗生物質プシコフラニンから単離され、命名された。

当量のスクロース(ショ糖)のわずか 0.3 % のカロリーしかエネルギーとして利用されないという特徴がある[2]

生成[編集]

D-タガトース3-エピメラーゼ(DTE)によりフルクトースから大量に合成され、様々な希少糖生産の出発物質となっている[3][4]。また、食品加工の工程中でサトウキビ搾汁及びシュクロース並びにフルクトースから加熱反応で生成される経路が存在している[5]

水溶液中では異性化を起こし、環状構造との混合物となる(変旋光)。平衡状態に達したときに最も存在比が高いのは α-フラノース体である。

D-Psicose
構造式 ハース投影式
D-Psicose Keilstrich.svg Alpha-D-Psicofuranose.svg
α-D-Psicofuranose
Beta-D-Psicofuranose.svg
β-D-Psicofuranose
Alpha-D-Psicopyranose.svg
α-D-Psicopyranose
Beta-D-Psicopyranose.svg
β-D-Psicopyranose

機能等[編集]

植物に対して[編集]

植物に対しては多くの種類で生育を阻害させる働きがあり、ズイナはこれを利用してプシコースを含んだ葉を土壌に落とす事で自らのテリトリーを守っている[6]

動物に対して[編集]

インシュリン分泌作用[7]動脈硬化を防止する作用[8]などが知られている。

砂糖の7割程度の甘味がありながら、カロリーはほぼゼロ。さらに、ラットによる動物実験で「食後の血糖値上昇を緩やかにする」[9]、「内臓脂肪の蓄積を抑える」[10]、「動脈硬化になりにくい」といった研究結果が報告されている。しかし、加熱調理によりプシコースが減少するため食後の血糖値上昇抑制作用は影響を受け、非加熱状態と比較し効果が減少されていることが報告されている[11]。また、かりんとうなどのより高温での調理が行われるものでは上昇抑制の効果は減少の度合いが大きい[11]

脚注[編集]

  1. ^ 東京化成工業. “D-Psicose”. 2010年8月13日閲覧。
  2. ^ Matsuo, T.; Suzuki, H.; Hashiguchi, M.; Izumori, K. D-psicose is a rare sugar that provides no energy to growing rats. J. Nutr. Sci. Vitaminol.(Tokyo) 2002, 48 (1), 77-80. PMID 12026195.
  3. ^ Izumori, K. Bioproduction strategies for rare hexose sugars. Naturwissenschaften 2002, 89 (3), 120-124. DOI: 10.1007/s00114-002-0297-z.
  4. ^ D10-3 生物・化学的手法によるL-ラムノースからの1-デオキシD-プシコースの生産(発酵生理学・発酵工学,一般講演) 日本生物工学会大会講演要旨集 平成19年度, 108, 2007-08-02]
  5. ^ 食品製造過程における希少糖プシコースの生成 香川県産業技術センター研究報告 10号, p.56-58(2010-06)
  6. ^ "46億年目の大逆転! 「奇跡の糖」が人類を救う". サイエンスZERO. NHK教育テレビジョン. 2013年2月24日放送.
  7. ^ Matsuo, T.; Izumori, K. Effects of dietary D-psicose on diurnal variation in plasma glucose and insulin concentrations of rats. Biosci. Biotechnol. Biochem. 2006, 70 (9), 2081-2085. DOI: 10.1271/bbb.60036.
  8. ^ Murao, K.; Yu, X.; Cao, W. M.; Imachi, H.; Chen, K.; Muraoka, T.; Kitanaka, N.; Li, J.; Ahmed, R. A.; Matsumoto, K.; Nishiuchi, T.; Tokuda, M.; Ishida, T. D-Psicose inhibits the expression of MCP-1 induced by high-glucose stimulation in HUVECs. Life Sci. 2007, 81 (7), 592-599. DOI: 10.1016/j.lfs.2007.06.019.
  9. ^ 松尾達博:ラットにおけるD-プシコースの血糖値上昇抑制作用 日本栄養・食糧学会誌 Vol.59 (2006) No.2 P119-121
  10. ^ 異性化糖食で飼育したラットの体脂肪蓄積に対するD-プシコースの作用 日本食品科学工学会誌 Vol.57 (2010) No.6 P263-267
  11. ^ a b 松尾達博: D-プシコースの食後血糖値上昇抑制作用は加熱調理によって阻害される 香川大学農学部学術報告 64巻 2012-02-22 (PDF)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]