ブレッドプディング

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クレオール風ブレッドプディングのバニラウィスキーソースがけ

ブレッドプディング英語:Bread pudding)とは、パンを使って作る菓子の一種である。日本ではパンプディングとも呼ばれる。

概要[編集]

ブレッドプディングには厳密に決まったレシピがあるわけではなく、作り方は様々である。ただし、通常はやや古くなって硬くなった残り物のパンを菓子に再生するという形で作られる [注釈 1] 。 硬くなったパン以外の必須の材料としては、鶏卵が挙げられる。この他、適量の牛乳または、水が使われる。さらに甘味料として、砂糖、または、液糖(シロップ)が使用される。メープルシロップの産地として有名なカナダでは甘味料としてメープルシロップが使用される場合もあるなど、使用する甘味料に地域性が出る場合がある。また、組み合わせは決まっていないものの、通常香辛料が使用されることもあり、シナモンナツメグ、メイス(ナツメグの仮種皮で作られる香辛料)、バニラビーンズ(またはバニラエッセンス)などが使われる。この他、必須ではないものの、ドライフルーツや動物性油脂(普通はバターだが、ウシヒツジなどの腎臓の硬い脂肪などが用いられることもある)を加える場合もある。

レシピの例[編集]

既述のように、ブレッドプディングには厳密に決まったレシピがあるわけではなく、作り方は様々である。したがって、あくまで作り方の例に過ぎないものの、ブレッドプディングがどのようなものかイメージをつかんでいただくために、参考までに載せておく。

材料[編集]

作り方[編集]

  1. 硬くなってしまったフランスパンを、だいたい1cm幅くらいで輪切りにする。
  2. 底の広い鍋に、水、黒砂糖、シナモンを入れて、10分程度煮る。
  3. 卵白をボウルに入れて、十分に泡立ててメレンゲを作る。そして、切ったパンをメレンゲに絡ませる。
  4. メレンゲに絡めたパンを、底の広い鍋に作ったシナモン風味のシロップの中に投入して煮る。この時、パン全体にシロップが絡むように留意しなが、パンが柔らかくなるまで煮る。なお、焦げ付かないように注意すること。
  5. パンが柔らかくなったら、深めの皿に乗せ、さらに、鍋の中に残っている甘い煮汁を適量かける。なお、このタイプのブレッドプディングは非常に柔らかいので、スプーンを使って食べる。

備考[編集]

もしブレッドプディングを作るために適切な程度に焼いてから日が経って硬くなったパンが手元に無い場合は、パンをメレンゲに絡める前にカリカリになるまで焼くという方法もある。

食べ方[編集]

ブレッドプディングの食べ方は、そのまま食べられることもあるものの、さらにソースをかける場合もある。ブレッドプディングにかけるソースとしては、単純なカラメルソース(砂糖と水を原料とするソース)以外に、香り付け用にウィスキー [注釈 3]ラム [注釈 4] も使用した甘いソースなどが使われたりもする。さらに、マレーシアではカスタードをソースとしてかけて食べたり、香港ではバニラを香り付けに使ったクリームをかけてから食べたりと、食べ方も地域によって違ってくる。またハンガリーのマーイヤラカーシュ(Máglyarakás)というブレッドプディングは泡立てた卵白をかけて焼いてから食べる。

地域[編集]

ブレッドプディングは、ヨーロッパでは主に西ヨーロッパアイルランドイギリスマルタフランスベルギーなど)、アメリカ大陸ではラテンアメリカ、カナダ、アメリカ合衆国の中ではクレオール人の州という異名を持つルイジアナ州を始めとするアメリカ合衆国南部の州などで比較的有名な菓子である。

なお、メキシコとアメリカ合衆国のニューメキシコ州では、ブレッドプディングに類似のカピロターダがよく知られており、主に四旬節の期間中に食べられる。 [1] [2]

様々なブレッドプディング[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ここで「通常は、やや古くなって硬くなった残り物のパン」を使用と断りを入れているのは、例えば、ドイツメクレンブルク=フォアポンメルン州では、黒パンライ麦パン)を使ってシュヴァルツブロートプディング(Schwarzbrotpudding)というブレッドプディングを作ることがあるなど、例外もあるためである。また、しけって硬くなった残り物のパンが存在しない場合は、軽くパンを焼いて硬くしてから作るなど別な方法も存在するためでもある。
  2. ^ フランスパンの大きさにもよるものの、だいたい2分の1本程度。ただし、あくまで他の材料との兼ね合いで適宜に調節すること。また、フランスパンに限らず、食パンクロワッサンなどが使用される場合もある。共通しているのは、焼いてから数日経って硬くなり、味が落ちたパンであるという点である。
  3. ^ ここで言うウィスキーは、whiskyではなく、主にwhiskeyの方である。つまりアメリカ産などの比較的スモーキーフレイバー(煙臭)が弱く、麦芽だけではなくトウモロコシを原料として使用するタイプ、または、アイルランド産の全くスモーキーフレイバーが無く麦芽以外の原料も使用するタイプ、いずれもいわゆる軽いと言われるタイプのウィスキーである。無論、銘柄などは食べる人の好みによる。
  4. ^ ここで言うラムは、通常無色透明なホワイト・ラムではなく、主に金色のゴールド・ラムや暗褐色のダーク・ラムが使用される。無論、銘柄などは食べる人の好みによる。

出典[編集]

  1. ^ Randelman, Mary Urrutia; Joan Schwartz (1992). "Memories of a Cuban Kitchen: More than 200 Classic Recipes." p.290〜p.301 (キューバ料理覚書、200以上の古典レシピ) New York: Macmillan. ISBN 0-02-860998-0
  2. ^ Villapol, Nitza; Martha Martinez (1956). "Cocina al minuto." p.254 La Habana, Cuba: Roger A. Queralt - Artes Graficas.

関連項目[編集]