ブルーディライト

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ブルーディライト
欧字表記 Blue Delight
品種 サラブレッド
性別
毛色 青鹿毛
生誕 1938年
死没 1966年
Blue Larkspur
Chicleight
母の父 Chicle
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生産者 John Marsch
馬主 Mrs. John Marsch
→Calumet Farm
競走成績
生涯成績 24戦10勝
獲得賞金 51,615ドル
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ブルーディライトBlue Delight1938年 - 1966年)は、アメリカ合衆国サラブレッド競走馬。とくに繁殖牝馬として優れ、アメリカ殿堂馬リアルディライトを含む3頭のG1級競走優勝馬を出した。

経歴[編集]

競走馬時代[編集]

ケンタッキー州レキシントンの生産者である、ジョン・マーシュの牧場で生まれた牝馬である。リアルディライトは幼いころから体格に優れた馬で、1940年刊行のアメリカン・レースホース誌において「体高は16ハンド(約162.56センチメートル)を超える巨躯の馬で、ストライドも長い馬である。」と言及されている[1]。同誌ではこのほか、ブルーディライトの4つの白徴を備えた青鹿毛の馬体、傾斜した尻、長く端正な首と顔についても紹介している[1]

2歳となった1940年よりデビューし、ジュリエットステークス、アーリントンワシントンラッシーステークスなどで早くもステークス競走勝ちを収めた。しかし足首の故障により休養を余儀なくされ、[1]、また休養明けの3歳シーズンも碌な成績を挙げられなかった。

翌年4歳となると再び競走能力が取り戻し、アーリントンメイトロンハンデキャップ、シンデレラハンデキャップ、クレオパトラハンデキャップ、プリンセスパットハンデキャップと4つのステークス競走勝ちを手にした。しかし5歳シーズンの春季に屈腱炎を発症し、遂に引退へと追い込まれた[1]

繁殖牝馬[編集]

引退後は馬主ジョン・マーシュの牧場で繁殖入りした。1946年にマーシュが生産活動を解散すると、ブルーディライトはヘンリー・ナイトに購入され、その後カルメットファーム運営者のウォーレン・ライトに転売された[2]

生涯で出した産駒は10頭で、マーシュの牧場での繋養中に1頭、後のカルメットファーム時代に9頭を産んでいる。そのうち5頭がステークス競走勝ち馬となる高い繁殖成績を誇り、そのうちのいくつかは現在のG1競走に相当するものであった。主に牧場の主力種牡馬であったワーラウェイブルリーとの交配が多かった。

代表産駒として名の挙がる馬に、第4子リアルディライトReal Delight 1949年生、牝馬、父ブルリー)がいる。同馬は母とは逆に3歳時に大活躍した馬で、ケンタッキーオークスコーチングクラブアメリカンオークスなどを勝ち、同年の最優秀3歳牝馬に選出された。また、後の1987年には殿堂入りを果たしている。

産駒にはリアルディライトのような牝馬に活躍馬が多かった。第5子のバブリー(Bubbley 1950年生、牝馬、父ブルリー)もまたケンタッキーオークス勝ち馬で、前年のリアルディライトに続いての同母別馬による連続優勝という珍しい記録を作った。牝馬の活躍馬ではこのほか、エイコーンステークスなど優勝した第7子のプリンセスタリア(Princess Turia 1953年生、牝馬、父ヘリオポリス)がいる。

一方の牡馬の活躍馬には、第2子のオールブルー(All Blue 1947年生、牡馬、父ブルリー)がサンアントニオハンデキャップなど、第8子のケンタッキープライド(Kentucky Pride 1955年生、牡馬、父ブルリー)がロイヤルポインセチアハンデキャップに勝っている。

1966年にカルメットファームで死亡し、遺骸は牧場の墓地に埋葬された。

子孫[編集]

ブルーディライトの産駒には、母同様に非凡な繁殖牝馬となった馬もいた。

直子の世代で最も成功した馬はプリンセスタリアで、同馬はケンタッキーダービー・プリークネスステークスの二冠を達成したフォワードパスForward Pass 1965年生、牡馬、父オンアンドオン)の母となった。このほかの産駒には、サンフォードステークス優勝馬のターントゥタリア(Turn to Turia 1973年生、牡馬、父ベストターン)がいる。

リアルディライトも同様に繁殖牝馬としてそれなりに成功し、プラムケーキ(Plum Cake 1958年生、牝馬、父ポンダー)などを含むステークス競走勝ち馬を出した馬である。しかしリアルディライトはその産駒らがまた繁殖牝馬として活躍しており、ブルーディライトの牝系はこれを通じて広がっていった。

主な牝系子孫として、4世代先にアリダー(アメリカ殿堂馬)、5世代先にコーデックス(プリークネスステークス)、6世代先にクリスマスキッド(アッシュランドステークス)などがいる。

評価[編集]

主な勝鞍[編集]

※当時はグレード制未導入

1940年(2歳)
ジュリエットステークス、アーリントンワシントンラッシーステークス
1941年(3歳)
1942年(4歳)
アーリントンメイトロンハンデキャップ、シンデレラハンデキャップ、クレオパトラハンデキャップ、プリンセスパットハンデキャップ
1943年(5歳)

主な牝系図[編集]

---↓ブルーディライト牝系

牝系図の主要な部分(太字はGI級競走優勝馬)は以下の通り。*印は日本輸入馬。

牝系図の出典:Galopp-Sieger

血統表[編集]

ブルーディライト血統(ピーターパン系(ヒムヤー系) / Padua 4x5=9.38%、 Ben Brush 5x5=6.25%、 Warble 母内5x5=6.25%) (血統表の出典)

Blue Larkspur
1926 鹿毛 アメリカ
父の父
Black Servant
1918 鹿毛 アメリカ
Black Toney Peter Pan
Belgravia
Padula Laveno
Padua
父の母
Blossom Time
1920 青鹿毛
North Star Sunstar
Angelic
Vaila Fariman
Padilla

Chicleight
1926 青鹿毛 アメリカ
Chicle
1913 鹿毛 フランス
Spearmint Carbine
Maid of The Mint
Lady Hamburg Hamburg
Lady Frivoles
母の母
Ruddy Light
1921 青鹿毛 アメリカ
Honeywood Polymelus
Honey Bird
Washoe Belle Sweep
Grace Commoner F-No.9-c


備考[編集]

  1. ^ a b c d Etched in Stone p.97
  2. ^ Etched in Stone p.98

参考文献[編集]

  • Etched in Stone : Thoroughbred memorials [p97-98] (2000 著者: Lucy Zeh 出版: ブラッドホース出版局 ISBN 1-58150-023-8

外部リンク[編集]