ブラヴォー

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ブラヴォー」とは、観客・聴衆などが賞賛の意を込めて発する感嘆詞である。そもそもイタリア語形容詞 "bravo" からの外来語であるが、日本語においてはイタリア語から直接ではなく、フランス語経由で取り込まれたとされる。日本語では日常生活の中で使用される機会はまれで、幾分改まった文化的な場所・時の中、特にクラシック音楽の演奏会やオペラ上演の際に用いられる。

片仮名表記として「ブラヴォー」以外に「ブラボー」も用いられる。イタリア語風に強調して伸ばされた発音の際には「ブラーヴォ」・「ブラーボ」と発せられるが、フランス語・日本語などでは「ブラヴォー」・「ブラボー」と発せられることも混在している。"r" を歯茎ふるえ音にするかも言語によって異なる。

目次

[編集] 語義とその変化

イタリア語における "bravo" は、古典ギリシア語由来のラテン語 “barbarus" (野蛮な)とラテン語 “pravus” (悪い・ゆがんだ)の混交を語源とし、もとは「野蛮な」「狂暴な」といった意味の形容詞である。フランス語の “brave” ([名詞後置]勇敢な・[名詞前置]善良な)と同源であるが、このフランス語の影響を受けて16世紀以降「勇敢な」「有能な」といった意味に変化し、次第に「良い」、「素晴らしい」、「偉大な」、「優秀な」、「賢い」といった英語の “good” に相当する幅広い語義を持つようになった[1]

転じて、「よくやった」、「素晴らしい」といった意味の感嘆詞ともなり、特に劇場などで聴衆が演者にかける喝采として用いられる。この語法がフランス語に輸入され、更に英語(18世紀半ば頃)[2]、日本語[3]などに広がっていった。フランス語では「喝采」、「歓呼」などの意の名詞としても定着している。

[編集] 語形変化

イタリア語における -o で終わる形容詞の性数変化は以下のようになる。

人称 単数 複数
男性形 bravo Bravo! bravi Bravi!Bravi!
女性形 brava Brava! brave Brave!

男女混合の複数が対象の場合には、男性形複数を使用する原則が適用され、“bravi” となる。“brave” が使用されるのは相手が女性のみの複数の場合に限られるため、使用頻度は一番低いものとなる。

フランス語、ドイツ語、英語、日本語など外来語として用いる言語では一般にはどのような場合でも "Bravo" のままの形で使用されるが、特にクラシック音楽などの場においては声をかける対象によってイタリア語の性数による語形変化を厳密に使い分けることもある。日本においては"bravo" をイタリア語の語形変化に従わず使用することに対して、一部では批判的・軽蔑的な傾向も認められなくもない[誰?]。すなわち、女性に対して男性形で "bravo" と叫ぶには失礼となる、あるいは誤解を招くとし、特に相手がイタリア人の場合には、マナー上の配慮として、イタリア語の語形変化に厳密に従った方がより好ましいとする[誰?]

[編集] クラシック音楽における「ブラヴォー」にまつわるマナー

クラシック音楽の演奏会やオペラの上演において、その内容に対して賞賛ないしは侮蔑の意を表することは聴衆・観客の自由であるが、ポピュラー音楽にくらべて「マナー」を重んじるとされる。例えば、拍手は「指揮者が手を下ろしてから」が基本とされ、「ブラヴォー」もこれに準じるとされる。欧州ではこの原則が守られているが、日本では指揮者が手を下ろす前でも余韻が消えてから拍手を始めるのが慣習になっている。[要出典]「演奏が終わった後の余韻と静寂を含めて全てが音楽」という考え方があり、余韻そのものを楽しむ聴衆も多い。実際、ブルックナー交響曲第5番のように「全休符で終わる曲」、またはベートーヴェン『英雄』のように「フェルマータの休符で終わる曲」は少なくない。

特に余韻が消える前、または拍手に先立って叫ばれる「ブラヴォー」は俗に「フライング・ブラヴォー」と呼ばれ、最も軽蔑される行為である。[要出典]

また、曲によってはいかに素晴らしい演奏でも「ブラヴォー」を避けるのが望ましいとされることがある。例えばレクイエムは本来『死者を悼むためのミサ曲』であるため、曲の性格上「ブラヴォー」の声をかけることは避ける。[4]。また、ワーグナーのオペラなどは作曲家の意図を表現するため一幕すべてを途切れることなく表現することに大きな意味がある。したがって、途中で拍手や「ブラヴォー」を入れてはいけないとされ、演奏後、主催者側にクレームがなされるほどの顰蹙を買う行為とされる。

[編集] 参考文献

  • 『伊和中辞典』(小学館)
  • 『プチ・ロワイヤル仏和辞典』(旺文社)
  • 國士潤一著『これがオペラだ 上手な楽しみ方とその知識』音楽之友社
  • 加藤 浩子・守山 実花共著『オペラを聴くコツ バレエを観るツボ』学習研究社
  • 山田治生『一冊でわかるオペラガイド126選―聴いて、観て、楽しむ魅惑の舞台』成美堂出版

[編集] 脚注

  1. ^ 「bravo」『伊和中辞典』第2版、小学館、1999年
  2. ^ “bravo” New Oxford American Dictionary, 2nd Ed (Oxford University Press, 2005). なお、英語の “bravo” にはイタリア語の元の “bravo” に由来する「刺客」という名詞もある(16世紀末以降)。
  3. ^ 日本国語大辞典』第2版の採録する用例では、坪内逍遥『内地雑居未来之夢』(1886年)の「Bravo (ブラボウ)(感服)」が最も早い。
  4. ^ コンサートマナーのお願い(第25回倉吉アザレアのまち音楽祭)[リンク切れ]

[編集] 関連項目

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