ブラッド・シュガー・セックス・マジック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ブラッド・シュガー・セックス・マジック
レッド・ホット・チリ・ペッパーズスタジオ・アルバム
リリース 1991年9月23日
録音 1991年5月~6月
ジャンル ロック
時間 73分55秒
レーベル ワーナー・ブラザーズ
プロデュース リック・ルービン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 最高3位(アメリカ)
  • 最高25位(イギリス)
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ 年表
母乳
(1989年)
ブラッド・シュガー・セックス・マジック
(1991年)
ワン・ホット・ミニット
(1995年)
テンプレートを表示

ブラッド・シュガー・セックス・マジック - Blood Sugar Sex Magik』は、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの5作目となるスタジオ・アルバム。

新たにワーナー・ブラザーズと契約、プロデューサーにリック・ルービン、ブックレットと「アンダー・ザ・ブリッジ - Under The Bridge」のビデオの制作にはガス・ヴァン・サントを迎える。チーフ・エンジニア、キーボード・プレイヤーブレンダン・オブライエンが参加し、ミキシングはリック・ルービンとブレンダン・オブライエンによって行われている。

シングルカットされた「ギヴ・イット・アウェイ - Give It Away」がグラミー賞を獲得、また「アンダー・ザ・ブリッジ - Under The Bridge」がシングルで初の全米1位を獲得した。Allmusicのスティーヴ・ヒューイは、「チリ・ペッパーズにとって今までで最高の作品になるだろう(probably the best album the Chili Peppers will ever make)」という賛辞で当時のレビューを締めくくっている。

Bassist magazine(U.K)が選んだGREATEST BASS ALBUMSトップ100」で1位を獲得した。

『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』に於いて、310位にランクイン[1]

制作・サウンドプロダクション[編集]

メンバー全員が洋館に泊り込んで製作された。この様子は収録曲「サック・マイ・キッス - Suck My Kiss」のプロモーションや、映像作品「Funky Monks」で観ることができる。今作に収録された曲のほとんどはその洋館での作業で作曲され、すべての曲がそこで録音された。メンバーは、半年以下の作業の中で未収録曲・B面を含めて30曲近くを作曲・録音し、メジャーのロックバンドのレコーディングとしては稀に見るハイペースで制作された。制作前に掲げられたサウンドにおける目標は、「1970年代のローファイな黄金期ハードロックファンクとの折衷作品」であった。

メンバー4人やリック・ルービンによって議論されながら制作は進み、曲のアイデアはアンソニーの詞、フリーとフルシアンテのリフ、スミスのドラムパターンそれぞれを基調に、定期的にメンバー間のジャムを交えながら作曲された。ルービンはフリーのベースプレイに対し、休符を生かすような重みのあるファンキーなプレイを要求し、フルシアンテに対しては前作とは違った、自分の個性を前面に出したギタープレイを要求した(「Funky Monks」にもそれらの場面が見られる)。

キーディスの歌詞は、Rolling Stoneのガース・ベイモンドのレビューでは「以前のまでの危うい性的倒錯やユーモア(性を謳歌するSir Psycho Sexy、同性愛を歌うMy Lovely Man、生命賛歌Naked in the Rain~etc)はそのままに、よりアナーキー性や論旨性の高いシリアスなもの(平等の力をくれと迫るPower of Equality、強欲を張る者に楯突くGive It Away~etc)となった」と評されている。

ちなみに、この時期に制作された未収録曲は、その後『カリフォルニケイション』までのB面で使われた曲も多い。

収録曲[編集]

特記のない限り全てアンソニー・キーディスフリージョン・フルシアンテチャド・スミスによる作詞・作曲。

  1. パワー・オブ・イコーリティ - The Power of Equality - 4:03
    フルシアンテ復帰後のライブアンコールで演奏されることが多い曲。ヒューマニティーを題材にユーモアや皮肉を交えた歌詞は、黒人差別を批判してきたアンソニーの詩作の中では評価が高い。
  2. イフ・ユー・ハフ・トゥ・アスク - If You Have to Ask - 3:37
    シングルカット曲。フルシアンテのサイケデリックギターと冷めたライミングが特徴的。ちなみに、他のミュージシャンによるテクノやダブVerのリミックスがあり、シングルのカップリングになっている。
  3. ブレーキング・ザ・ガール - Breaking the Girl - 4:55
    シングルカット曲。ワルツのバラード。アンソニーはこの曲を歌うのが苦手らしく、ライブではあまりいい思い出がない、と自伝「スカー・ティッシュ」で語っている。
  4. ファンキー・モンクス - Funky Monks - 5:23
    映像作品と同名の曲。冒頭のスラップ音はベースではなくギターのスラッピングで出している。
  5. サック・マイ・キッス - Suck My Kiss - 3:37
    シングルカット曲。ベースギターバスドラムユニゾンリフが特徴。
  6. アイ・クド・ハヴ・ライド - I Could Have Lied - 4:04
    アコースティックギターで歌われるバラード。
  7. メロウシップ・スリンキー・イン・Bメジャー - Mellowship Slinky in B Major - 4:00
  8. ライチャス & ウィッキド - The Righteous & The Wicked - 4:08
  9. ギヴ・イット・アウェイ - Give It Away - 4:43
    グラミー賞獲得のシングルカット曲。現在に至るまで多くのライブアンコールソングとして演奏されてきた。ミュージック・ビデオは、フランス人のクリエイターを呼んで砂丘で作成され、その素晴らしい出来上がりにメンバーは狂喜したという。
    曲の後半で、ブラック・サバスの「Sweet Leaf」のリフが使われている[2]。また、ライブではパブリック・エネミーの「You're Gonna Get Yours」がイントロとして演奏される事が多い。
  10. ブラッド・シュガー・セックス・マジック - Blood Sugar Sex Magik - 4:31
    タイトル曲。冒頭の高い音は、ギターのヘッドの部分の弦を弾いている。
  11. アンダー・ザ・ブリッジ - Under the Bridge - 4:24
    シングル・カットもされ、全米1位を獲得したバラード。
    アルペジオを基調にする美しいギター・プレイは、『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・グレイテスト・ギター・ソングス100』に於いて98位にランクイン[3]
  12. ネイキッド・イン・ザ・レイン - Naked in the Rain - 4:26
    チャドの教則ビデオにおいて、フリーと共に演奏された曲。歌詞中に、ドリトル先生が登場。
  13. アパッチ・ローズ・ピーコック - Apache Rose Peacock - 4:42
  14. グリーティング・ソング - The Greeting Song - 3:14
    この曲も「リック・ルービンに強いられて作った曲なのであまり気に入っていない」と、アンソニーは自伝で語っている。
  15. マイ・ラヴリー・マン - My Lovely Man - 4:39
    ヒレル・スロヴァクのことを歌っている。
  16. サー・サイコ・セクシー - Sir Psycho Sexy - 8:17
    メロトロンが使われた長尺のファンキーナンバー。
  17. ゼイアー・レッド・ホット - They're Red Hot (ロバート・ジョンソン) - 1:11
    ロバート・ジョンソンのカバー。野外で録音し、チャドはこの曲のドラムを素手で叩いた。

脚注[編集]

  1. ^ 500 Greatest Albums of All Time: Red Hot Chili Peppers, 'Blood Sugar Sex Magik' | Rolling Stone
  2. ^ ブラック・サバスのライブアルバム『Reunion』日本盤ライナーノーツより
  3. ^ [1]