ブラッサボラ・ノドサ

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ブラッサボラ・ノドサ
ブラッサボラ・ノドサ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
亜科 : セッコク亜科 Epidendroideae
: エピデンドラム連 Epidendreae
: ブラッサボラ属 Brassavola
: ブラッサボラ・ノドサ Brassavola nodosa
学名
Brassavola nodosa
(L.) Lindl. (1831)
図版

ブラッサボラ・ノドサ Brassavola nodosa は、ラン科植物の1種。細い花弁と先の広がった唇弁を持つ美しい花を着ける。洋ランとして栽培され、またカトレヤ類の交配親としても重視される。

特徴[編集]

多年生の着生植物[1]。匍匐茎と偽鱗茎を持つ。偽鱗茎は細長い円筒形で長さ3-15cm、立ち気味に出る。葉は偽鱗茎の先端に一つだけつき、線状披針形。長さ15-30cmだが葉幅は2-3cmしかなく、厚みがあって硬い。表面は溝状にくぼむ。

花は秋に咲き、偽鱗茎の先端から出る20cmほどの花茎の上に1-6個つく。花は径8cm程度。萼片と側花弁は線状で先細り、緩やかに曲がり、黄緑色。唇弁は白で、基部は髄柱を包んで筒状に巻き込み、その先で急に大きく広がってハート形、先端はやや尖る。花には芳香があり、特に夜間に芳香を放つ。

分布[編集]

中央アメリカ、メキシコからパナマ、ベネズエラの標高500m以下の地域に分布[2]

利用[編集]

洋ランとして栽培される。

独特の花形に評価が高く、また夜間に芳香を放つことから欧米では『夜の貴婦人(Lady of the Night)』と呼ばれている由[3]

また、カトレア系交配種の交配親としても重視される。カトレア属との交配品はブラッソカトレアとなる。特にこの種との交配品は独特の花形を受け継いだものが多く、細い花弁と先で急に大きく広がった唇弁が特徴となる。それらは往々にノドサ系といわれる。

出典[編集]

  1. ^ 土橋(1993)p.199
  2. ^ 唐澤(1996)p.55
  3. ^ 塚本他(1956),p.85

参考文献[編集]

  • 土橋豊、『洋ラン図鑑』、(1993)、光村推古書院
  • 唐澤耕司監修、『蘭 山渓カラー図鑑』(1996)、山と渓谷社
  • 塚本洋太郎・椙山誠治郎・坂西義洋・脇坂誠・堀四郎、『原色薔薇・洋蘭図鑑』、(1956)、保育社