ブラック企業大賞

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ブラック企業大賞(ブラックきぎょうたいしょう)とは、日本において、従業員に対して過労やサービス残業を強いたり、パワハラ偽装請負や派遣差別を行ったりなどが問題視されている企業(ブラック企業)の頂点を決めるという企画[1]

運営主体は「ブラック企業大賞企画委員会」であり、作家弁護士大学教授などで構成されている[2]。現状では際立ったブラック企業が取り上げられることはあっても、企業全体現場全体の向上にはなかなか結びついていないことから、ブラック企業が生み出される「背景や社会構造の問題を広く伝え、誰もが安心して働ける環境をつくること」を目的としてあげている[3]。毎年8月に授賞式が行われている。

ブラック企業大賞企画委員会[編集]

受賞歴 2012年[編集]

受賞名 受賞企業名 受賞理由
(受賞文から要約)
Web得票数
(票数/総数)
会場得票数
(票数/総数)
大賞 東京電力株式会社 以下の社会正義の観点から看過できない非人道行為と 人類の歴史においても類を見ない恥ずべき行為に対して
  • 原発建設現場で被曝労働
  • 福島第一原発事故の復旧作業で被爆労働
  • 外注した下請け会社の原発労働者たちの健康を守る責任の放棄
  • 反社会的勢力による中間搾取の認容
  • 被曝線量の偽装工作
4702/20071 1/45
市民賞 株式会社ワタミ 以下の厚顔無恥な言動・姿勢に対して
  • 過労自殺者を労災認定されながら「労務管理できていなかったとの認識は、ありません」「ワタミは天地神妙〔ママ〕に誓ってブラック企業ではありません」の言動
  • 過労自殺者をだしながら、様々な社会貢献活動を行い「夢」を持つことの重要性を説く姿勢
10010/20071 14/45
業界賞 株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ
株式会社フォーカスシステムズ
過労死が正式に認定され裁判で遺族が勝訴した事例から、以下のIT業界の体質が改善されるきっかけとなることを切望して
  • デスマーチ」という言葉で表現される慢性的な長時間労働の温床
  • 機械相手の孤独な作業から鬱病を発症しやすい労働環境
  • 労働行政や司法における理解の乏しさゆえの労災認定の難しさ
597/20071
827/20071
2/45
2/45
ありえないで賞 株式会社ゼンショー 度重なる違法行為へのアルバイト従業員からの提訴に、駄々をこねる子どもにも似た対応社会への責任を負う企業のものとは思えない言い分に対して
  • 「組合員との契約は業務委託であり、雇用する労働者ではない」という摩訶不思議な主張
  • 提訴した従業員を刑事告訴
752/20071 11/45
特別賞 株式会社ウェザーニューズ 以下のブラック企業の特徴を満遍なく備えた「典型的ブラック企業」体質に対して
  • 新入社員がわずか6か月で過労自殺
  • 「予選」と称した試用期間で新入社員に忠誠心を競わせる手法
  • 「天気は眠らない」という理由で従業員に長時間労働を強いる非論理的体質
  • 亡くなる前の被害者に送りつけた人権意識のかけらも感じられないメールの文面
  • さらに遺族に再発防止を約束しておきながら労働時間の偽装疑惑
503/20071 9/45
出典:ブラック企業大賞2012 大賞・各賞の受賞内容のご報告

他に、SHOP99(現ローソンストア100)、丸八真綿すかいらーく、陸援隊(関越自動車道高速バス居眠り運転事故を起こした企業)、ハーヴェスト・ホールディングスがノミネートされた。

受賞歴 2013年[編集]

受賞名 受賞企業名 受賞理由
(受賞文から要約)
Web得票数
(票数/総数)
会場得票数
(票数/総数)
大賞 ワタミフードサービス 2008年6月に正社員だった当時26歳の女性が、月141時間の残業を強いられ、わずか入社2カ月で過労自殺。

昨年2月に労災認定されたあとも、同社は責任を認めることなく、創業者である渡邉美樹元会長は遺族からの求めに応じず、いまだに面談も謝罪も拒否している。

遺族と支援する労働組合は、森さんの労働実態と原因の解明のために責任ある立場の人との面談を同社に求め続けているが、同社は顧問弁護士のみとの面談を除いて応じる姿勢を見せていない。

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業界賞 クロスカンパニー 2011年2月9日、立川労働基準監督署は、入社1年目の女性正社員(09年10月死亡)が極度の過労・ストレスにより死亡したとして労働災害として認定している。

この女性社員は、大学を卒業した年である2009年4月にクロスカンパニーに入社。同年9月に都内の店舗の店舗責任者(店長)に任命された。

店長就任以来、日々の販売のほかに、シフト・販売促進プランの入力、レイアウト変更、メールによる売り上げ日報・報告書の作成、本社のある岡山での会議出席などに追われた。

1220/30480
特別賞 国立大学法人東北大学 2007年12月、東北大学薬学部助手の男性(当時24歳)が「新しい駒を探して下さい」との遺書を遺し、研究室から投身自殺した。

同大大学院薬学研究科博士課程に在籍していた男性は2007年6月、「人手不足」との理由で指導教授から請われ退学し、助手に就任。当初の話では学位取得のための研究を優先できるはずが、実験機材の修理や実習指導に忙殺され、自殺直前2カ月の時間外労働は104時間、97時間だった。

また2007年10月からは指導教授の指示により、生殖機能異常などの副作用がある抗がん剤の実験に従事。

排気も十分にできない環境で、ほぼ一人だけでの実験を強いられ、友人達に「もう子どもはできない」と漏らしていたという。このような環境にもかかわらず指導教授は、「仕事が遅い。他の子を採用すれば良かった」などと男性を叱責。自殺前にはうつ病を発症していたと見られている。2012年3月に宮城県労働局が「業務上の心理的負荷が強い」として過労自殺と認定。

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教育的指導賞 ベネッセコーポレーション 2009年、人事を担当する人財部のなかに「人財部付」という部署が新設された。ここに配属された女性社員は、「あなたたちには問題があります。受け入れ先を獲得する活動をしなさい」と上司から指示された。

電話に出ないように指示され、名刺も持たされなかった。自分を受け入れてくれる部署をさがす「社内就職活動」をしながら単純作業をするように命じられていた。2012年8月、東京地裁立川支部判決は、人財部付が「実質的な退職勧奨の場となっていた疑いが強く、違法な制度」と判断し、この部署への異動も「人事権の裁量の範囲を逸脱したもの」として「無効」を言い渡している。

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出典:決定!ブラック企業大賞2013 大賞・各賞

他に、サン・チャレンジステーキのくいしんぼ)、王将フードサービス餃子の王将)、西濃運輸東急ハンズがノミネートされた。

脚注[編集]

  1. ^ 「ブラック企業大賞は「ワタミ」か「東電」か 実行委がWEB投票実施中!」、『J-CASTニュース』、2012年7月12日http://www.j-cast.com/2012/07/12139246.html 
  2. ^ 「一般投票受付中! ブラック企業の頂点を決める「ブラック企業大賞2012」開催決定 / ノミネート企業も要チェック」、『ロケットニュース24』、2012年7月10日http://rocketnews24.com/2012/07/10/229318/ 
  3. ^ 「ブラック企業大賞とは」、『ブラック企業大賞』http://blackcorpaward.blogspot.jp/p/blog-page.html2012年7月28日閲覧 

関連項目[編集]

  • パブリックアイ賞 - 毎年「最も無責任で社会正義に適わない企業」を選考する賞。この賞の国際版に近い。

外部リンク[編集]