ブラック・ダリア事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ブラック・ダリア事件(―じけん)とは、1947年1月15日アメリカで発覚した殺人事件

ジェイムズ・エルロイ1987年に発表した 小説「ブラック・ダリア」、同小説を映画化し2006年に公開された「ブラック・ダリア」のモチーフとなった。

[編集] 概要

1947年1月15日、黒い服を好んだことから『ブラック・ダリア』の通称で知られていた女優志願の女性「エリザベス・ショート」の死体がロサンゼルスで発見された。

死体には激しい損壊が加えられており、胴の部分で2つに切断されていた。死体は洗い清められており、犯人に繋がる証拠は発見されなかった。また、事件発覚後に新聞社にブラック・ダリアの所持品が送りつけられてきたが、指紋は検出されなかった。

事件は非常に注目を集め、一ヶ月に渡ってロサンゼルス・エグザミナーのトップ記事を飾り、500人に及ぶ自称犯人やその関係者が出頭するほどだったが決め手に欠け、迷宮入りした。

[編集] 経緯

1947年1月15日

早朝 新聞配達の男性が空き地に止まるフォードを目撃する
10時半 散歩中の女性が死体を発見し、警察に通報する。「女性が倒れている」とのみ告げたため、警察は酩酊者と判断してパトロール中の警察官に連絡する。
警察無線を傍受していた新聞記者が空き地に到着。現場の写真を撮影する。
散歩中の少年が死体を発見する。
警官が到着し、本部に死体発見の報告を入れる。
死体発見の報を受けた新聞記者や野次馬が現場に集まりだす。(後に現場の保存が適切に行われておらず、犯人のものと見られる足跡やタイヤ跡が失われたことが発覚し問題となる。)
死体が検死局に送られる。
ヘラルド・エクスプレスおよびロサンゼルス・エグザミナーに第一報が掲載される。被害者は15-16歳の女性とされる。

16日

ロサンゼルス・エグザミナー社の協力によって、被害者の指紋がFBIに電送される。同日、身元判明。

18日

ロサンゼルス・エグザミナー社の記者がブラック・ダリアのトランクを発見し、独占記事と引き換えに警察に引き渡す。(警察に先んじてトランクを開けていたのではないかとの疑惑がもたれる)
トランク内からボーイフレンドの写真や手紙が多数見つかる。
ボーイフレンドの一人が拘束される。(のちに無関係とわかる)

23日

ロサンゼルス・エグザミナー社の記者が犯人からの電話を受ける。「ブラック・ダリアの所持品を送る」と言われる。

24日

ゴミ集積所からブラック・ダリアの靴が発見される。

25日

郵便局で、ブラック・ダリアの所持品の入ったロサンゼルス・エグザミナー社宛の小包が発見される。

26日

ロサンゼルス・エグザミナー社に犯人から「29日に自首する」という葉書が届く。

29日

警察およびロサンゼルス・エグザミナー社に犯人から、「刑期が10年なら自首する」という葉書が届く。

30日

警察に犯人から、「自首を取りやめる」という葉書が届く。
33歳の男性がブラック・ダリア殺害を自白。その後の調べで無関係とわかる。

31日

ヘラルド・エクスプレス社に犯人から、『犯人の写真』が送られる。ヘラルド・エクスプレス紙に写真が掲載される。

2月1日

写真の人物(近所に住む少年)が名乗りでる。数ヶ月前に強盗に盗まれた写真の一部を使用されたものとわかる。
ヘラルド・エクスプレス社に再度写真が送られる。

6日

新聞各紙は陸軍の伍長がブラック・ダリア殺害を自供したと報じる。(10日に、犯人をおびき出すための嘘だったことが報じられる。)

16日

別のバラバラ殺人事件の犯人がブラック・ダリア殺害を自供。(のちに嘘と判明)

[編集] 関連項目

  • 切断—ブラック・ダリア殺人事件の真実(ISBN 488135275X) - 事件をもとにしたノンフィクション。
  • ブラック・ダリアの真実(ISBN 4150503141) - (自称)犯人の息子による、父親を告発する内容のノンフィクション。
  • Daddy Was the Black Dahlia Killer(ISBN 0671880845) - (自称)犯人の娘による、父親を告発する内容のノンフィクション。