フロッガー (ゲーム)

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フロッガー

テーブル筐体版フロッガー
(撮影:ナツゲーミカド
ジャンル 上視点アクションゲーム
対応機種 アーケードゲーム他多数
開発元 コナミ(後のコナミデジタルエンタテインメントコナミアミューズメント
発売元 セガ/
セガ・グレムリン
人数 1-2人(交互)
発売日 1981年
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フロッガー』 (FROGGER) は、1981年にコナミ(後のコナミデジタルエンタテインメントコナミアミューズメント)が開発し、セガ・エンタープライゼス(後のセガ・インタラクティブセガ)およびセガ・グレムリンからアーケードゲームとして発売されたアクションゲームである。現在も人気があり、インターネット上でも同系統の作品が各種配布されている。後の作品にもコナミ自身のものを含め、ゲームやアニメ、テレビ番組、音楽作品などに本作を題材あるいはモチーフとしたものがある。

概要[編集]

カエルをそれぞれの巣(スイレンの葉)に1匹ずつ送り届けることがゲームの目的である。そのため、プレイヤーは自動車が絶えず行き交う道路や危険の多い川を渡らせなければならない。2人でプレイする場合は同時プレイはできず、交互プレイとなる。

ゲーム評価サイト "Killer List of Videogames" (KLOV) の "Top 10 Videogames" にも毎回選出されている。

内容[編集]

プレイヤーのカエルは3匹(アーケード版デフォルト設定の場合、設定や機種によっては5匹、7匹の場合もある)から始まる。制限時間内にカエルを5つある巣に帰すことが求められる。本作ではジョイスティックの4方向レバーのみの操作で行う。各方向にレバーを入れるとカエルはその方向に跳ぶ。

プレイヤーは画面最下部にいるカエルを画面最上部の巣まで案内していく。画面下半分には乗用車やトラック、バス、タクシー、バイク、ブルドーザーなど自動車が画面横方向にスピードを出しつつ走行する道路があり、プレイヤーは車に轢かれることのないように上手に道路を渡らせる必要がある。

一方、道路を渡り終えると画面中央には土手があり、画面上半分の丸太が流れワニや亀のいる川を渡る準備をする安全地帯になっている。プレイヤーはカエルを丸太や亀の背中に乗せ、ワニや蛇、カワウソを避けつつ、カエルのいない空きの巣に送り届ける。その時に虫を捕えたり、丸太に居る雌カエルを救助することでボーナス点となる。5匹のカエルを全て巣に戻したらステージクリア。より難易度の高い面に進むこととなる。

以下のような場合プレイヤーのミスとなり、カエルを1匹失う。

  • 車に轢かれたとき
  • 画面中央や丸太の上で蛇に攻撃を受けたとき
  • 丸太や亀の背中に乗り損ね、水中に落下したとき
  • 丸太やカメに乗ったまま画面外まで流されたとき
  • 乗っている「潜り亀」が川に潜ったとき
  • ジャンプした先が浮上したワニの口だったとき
  • ジャンプした先が川岸にいるワニの口だったとき
  • 亀や丸太の端に乗っていてカワウソに食べられたとき
  • 川岸への着地に失敗したとき
  • すでにカエルのいる川岸に着地したとき
  • 制限時間内にカエルを巣に帰せなかったとき

発売の背景[編集]

本作はもともと"Highway Crossing Frog"(「踏切カエル」)とのタイトルで発売予定だったが、セガの幹部はそれがゲーム性を表していないと感じたため単に「フロッガー」のタイトルで発売された[要出典]。また本作は年代を問わず子供たちには特に人気があり、多数の模倣作が製作されたのみならず、グラフィックを向上させ2人同時プレイも可能にした非公式の続編Ribbitも製作された(ロケテストまでは行われたが、コナミとセガとでの権利問題で販売されず)。

発売前の発表では、フロッグ・ジャンプというタイトルであった[1]

実際には"Highway Crossing Frog"もそれ以前にオフィスコンピュータワシントン大学の心理学科で製作されたImlac PDS-1上で動作する"Freeway"が基となっている。"Freeway"は同大学で行われた人間の短期記憶に関する研究の見返りとして提供されていたもので、コナミの関係者がそれを目にして商品化したのは明らかである。アタリ版は1981年にコレコの『Mr. Do!』をも開発したプログラマー、エド・イングリッシュ率いる会社により開発された。

移植・クローン作品[編集]

1980年代前期の他のゲーム同様、本作もさまざまな家庭用ゲーム機に移植されている。アメリカにおいてはセガにより、例えばROMカートリッジについてはパーカー・ブラザーズと、磁気メディアについてはシエラ・オンラインといった具合に、複数社とライセンス契約が結ばれた。さらに、シエラは自社が作品を開発していない機種向けに他の開発会社に磁気メディアに関してのサブライセンス契約も行ったため、ROMカートリッジと磁気メディア双方が使える機種に関しては複数のヴァージョンが存在することとなり、例えばAtari 2600版ではパーカー・ブラザーズのROMカートリッジ版、スターパスのカセット版がある。ゲームギア用ソフトもプロトタイプの開発はされていたが、発売はされなかった。

日本国内の移植タイトル[編集]

日本国内での発売機種および発売元は次の通り。

日本未発売の移植タイトル[編集]

日本未発売の発売機種および発売元は次の通り。

本作はさまざまな続編作が製作されており、その1つにSCEケンブリッジスタジオが開発し、ハズブロ・インタラクティが1997年にWindows用とPlayStation用に発売したリメイク版"Frogger 3D"(『フロッガー3D』)がある。この『フロッガー3D』ではカエルは緑地にオレンジ色の縞模様となっている。さらに1998年に発売されたこの作品のメガドライブへの移植作は北米での同機向けに発売された最後の作品となり、また同年に発売されたスーパーファミコンへの移植作は北米で公式に発売された最後の作品ともなった。

2003年に発売されたゲームキューブ/PlayStation 2版は3D化が更に進み、ステージ構成がオリジナルとは別物となっているが、Xbox Live Arcade版やWiiウェア版(Frogger Returns)はオリジナルに近いリメイクに回帰している。

正規版以外にも、1984年にZX Spectrum用にDJLソフトウェアが製作した"Froggy"をはじめ、"Hopper"、"Leap Frog"などクローン作品や、ライセンス契約を結ばずにA&FソフトウェアがZX Spectrum用およびBBC Micro用に、イギリスのソロソフトウェアがMZ-700用にそれぞれ製作した"Frogger"など海賊版も多数存在した。

アーケード版のBGM[編集]

本作のアーケード版のメインBGMには、当時放映されていたテレビアニメ、『あらいぐまラスカル』のオープニング曲「ロックリバーへ」が使用されていた。この他にもスタート時には童謡の「犬のおまわりさん」など、ゲーム中のBGMには様々な既存のサウンドが使用されていた。これらのサウンドは家庭用への移植の際には権利関係から一部別の曲に差し替えられている。本作以外でもこの時期のコナミ作品にはテレビアニメなどから既存のサウンドを流用するといったものが多かった。

また、本作ではBGM面において展開に応じてBGMが変更となるなどそれまでの同社の作品と比べ進歩が見られた[3]

脚注[編集]

  1. ^ ゲームマシン1981年2月15日号
  2. ^ 電撃王』通巻77号、メディアワークス、1998年6月1日、72頁。 
  3. ^ 1989年発売のCD『千両箱』、DISC3「コナミ・ゲームサウンド・ヒストリー 1980-1985」解説ブックレット

関連項目[編集]

  • 本作をモチーフとしたゲームが存在するコナミ作品
  • ぴょん吉 - 学研より発売されたLCDのカードゲームシリーズ。コナミ正式ライセンスによるフロッガーのアレンジ移植作品。
  • フロッピージャンプ 3in1 - バンダイの電子ゲーム。3種類のうち1つがフロッガーのルール。
  • クロスハイウェイ - バンダイの電子ゲーム。道路を横切るルールが酷似。
  • キーチェーン型の携帯ゲーム機 - 1996年に発売されヒットした『テトリン55』に代表されるキーチェーンタイプの携帯ゲーム機に収録。当時テトリンシリーズのヒットにより、出所不明のデッドコピー品や様々な同タイプの亜種が大量に生産されたが、収録ゲームの水増しとして過去のレトロゲームを模したものが使用された。その中にはフロッガータイプのゲームを収録したものが少なからず存在していた。
  • エボリューション スケートボーディング
  • New International ハイパースポーツDS

外部リンク[編集]