フルーツバスケットの登場人物

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フルーツバスケットの登場人物(-とうじょうじんぶつ)では、高屋奈月原作の漫画『フルーツバスケット』に登場する架空の人物について記述する。

声優名はアニメ版 / 1999年ドラマCD版の順。ドラマCD版と記述があるものはアニメ放送後に発売されたドラマCDでの声優。まんがDVD版と記述のあるものは『花とゆめ』2012年24号、2013年1号全員サービスの音声入りまんがDVDでの声優。

メインキャラクター[編集]

本田 透(ほんだ とおる)
声 - 堀江由衣(アニメ) / 小西寛子(ドラマCD)
ニックネームは、とーる、透君。156.7cm。46kg。牡牛座。O型。
本作の主人公。海原高校に通う女子高生。父親を真似た少し変わった敬語を話す。趣味は家事で、居候している紫呉宅では家事全般を担う。
両親を亡くし、ビル清掃のアルバイトで自活する直向きで逞しい少女。明るく真面目で、自分のことより他人のことを思う優しい性格であり、演技でも誰かを怒ったり罵ったりすることが出来ない。どんなものでもありのまま受け入れることの出来る慈悲深さを持つが、かなりの天然ボケで少々ズレた所もある。
両親の死後に父方の祖父に引き取られたが、祖父が娘家族(透の父方の叔母家族にあたる)と同居することになり、家を改装する間、草摩家の敷地内の山で独りでテント暮らしをしていた。紫呉の家に偶然訪れたことがきっかけで、紫呉に勧められる形で草摩家に身を寄せることになり、その後、改装が済んだために戻った叔母家族の家に由希と夾が迎えに来たことで、本格的に草摩家に居候することになる。
草摩家に同居し、物の怪憑きに生まれてくることで連鎖する十二支達の苦悩や悲しみを深く知ることによって、呪いを解きたいと強く思うようになる。
高校を無事に卒業するという約束を母と交わしており、そのため自宅学習は欠かしていないが、海原高校はレベルがやや高めのため成績は中の下。物理、英語が苦手。
本人は戌年生まれだが、幼い頃、母に十二支の話をよく聞かされ、猫が可哀想だという理由から猫年生まれになりたいと思っていた。
幼い頃に父親を亡くし、高校1年生まで母・今日子の手で大切に育てられたために、彼女亡き後も強く慕っている。幼い頃から小さなアパートで慎ましい生活してきたためか、とてつもなく世間知らず。幼い頃に迷子になった自分を助けてくれた「帽子の少年」に憧れており、その時に少年がくれた帽子を今でも大切にしている。
物語の時間の流れとともに夾に惹かれていくが、母親が死んだ時に一番に想う人は母だと決心したためその変化はいけないものだと思い怯えていた。しかし、母よりも夾を想う事はやめられず、彼を救いたいと決意する。また慊人の苦しみを知り、彼女とも仲良くなりたいと願い、後に慊人にとっても心の支えとなる。
高校卒業後は、夾と共に紫呉の家を旅立つ。後に神前結婚式を挙げ、二人で共に過ごした。
原作・アニメ共にこげ茶の髪だが、原作では同色の瞳なのに対し、アニメでは緑を帯びた青い瞳。
草摩 由希(そうま ゆき)
声 - 久川綾
ニックネーム王子、ゆんちゃん、ゆんゆん。170.5cm。54kg。乙女座。A型。趣味は家庭菜園
十二支の)の物の怪が憑いている。十二支の頂点にして神に一番近い特別な存在とされており、神と同じくらい子年が生まれてくるのは珍しい。
透の同級生。いかにも優しげで眉目秀麗、成績優秀、文武両道なため、学校内では熱烈なファンクラブ「プリンス・ユキ」まで作られるほどの人気だが、本人は全く無自覚で、どこか近寄りがたい雰囲気を持つ。また、自分をつまらない人間だと思い込み、中性的な顔にコンプレックスを抱いている。夾とは犬猿の仲だが、彼の人を惹き付ける人格を羨ましいとも思っている。
高校入学を機に通学の便の問題で紫呉の家に居候している。幼少時は当主に気に入られることを第一に望んでいた母親に生贄に出され、慊人と一緒に暮らしていた。またその頃に慊人によって精神的なダメージを負わされる。同時期に友人に変身体質を知られ、記憶隠蔽によって唯一の友人を失くし、その精神的ダメージは深まっていった。そのためか母親の「愛情」を求めており、自分に母親のように温かく接してくれた透に「母性愛」を感じるが、そんな自分に戸惑い、彼女を女性として見ているのだと思い込もうとしていた。
物語中盤に生徒会長に指名されるも暫くの間は断り続ける。しかし、杞紗を見て自分が逃げていることに気付き、生徒会長後任の件を受諾。副会長の真鍋翔とも、初めは馬が合わなかったものの後に良い友人となっている。兄・綾女とも疎遠だったが、彼が変わって行くと同時に、徐々に関係回復の兆しを見せている。
実は、透が憧れている「帽子の少年」の正体(帽子自体は夾のものだったが、風に飛ばされた時に由希に拾われたことを嫌悪し帽子を手放した)。夾に憧れていたことを彼に告げたことでわだかまりが解け、その後の関係は良い喧嘩友達のような、穏やかなものに変わっている。
最終回では無事大学に合格、1人暮らしを始め、後輩の倉伎真知とも順調に交際している。十二支の中で最後に呪いが解けた。
折り鶴もまともに折れないほど手先が不器用という欠点があり、彼の作る料理は壊滅的にまずい(食べた紫呉曰く「危うく黄泉行くとこだった」とのこと)。
気管支炎が持病で、幼い頃はたびたび発作を起こすなど、身体が弱かった。成長したのちは発作は少なくなっているが、発熱など風邪をひいた場合には油断できない。発作が起きている最中は、鼠に変身するとさらに病状が悪化する。
雪見月(ゆきみづき / 12月)」から名付けられたと紹介されていることがあるが、作者曰く「由希は例外です。月の名前じゃないです。いいカンジの音が無かったのと、「ゆき」という音が頭に降ってきたので」と単行本14巻105ページの柱に記されている。
作者は『フルーツバスケット ファンブック〔宴〕』にて、由希をもう1人の主人公として描いてきたことを明かしている。
原作・アニメ共に濃いグレーの髪だが、原作では同色の瞳なのに対し、アニメでは深い紫の瞳。
草摩 夾(そうま きょう)
声 - 関智一池田恭祐(幼少時)、近野桂介(中1頃)
ニックネームはキョン、きょんきょん、きょんちゃん、キョン吉。171.3cm。56kg。山羊座。A型。趣味は格闘技。
十二支に入れなかったの物の怪が憑いている。他の十二支とは違い、猫の姿の他に「本来の姿」である異形の姿が別に存在する。
透や由希と同学年の、短気でぶっきらぼうな少年。透が紫呉宅に居候することになった初日に、由希に喧嘩を吹っかけにきて、そのまま紫呉宅に居候し、海原高校に編入することになる。最初は透にも無愛想な態度を取っていたが、徐々に親しくなる。
母親は、夾の凶悪で醜く腐敗臭を放つ「本来の姿」を受け入れられずに自殺したが、表向きは事故死ということになっている。夾自身は、母親が嘘をつき続けながら共に生きていることを見抜き、それがさらに彼の心の傷を深めていった。そのため、夾は母が自分を殺さず、自殺した理由を今でも深く考えている。母親の死後は父親からも放棄され、籍真に育てられることで初めて人の愛情を知る。彼から武術を習っており、実力は相当なものだが、由希には勝てないために彼をライバル視している。猫を騙した鼠の物の怪憑きで周りから誕生を祝福され、恵まれた生活を送っていた(ように見えた)由希を幼い頃から激しく憎悪していた。それと同時に、何でもそつなくこなす由希を羨ましくも思っている。物事にあまり興味を示さないが、勝負事に対しては燃える。「本来の姿」は、高位の僧侶の骨と血で作られたと言われる数珠で封印されている。猫の物の怪が水嫌いであるため水が苦手で、雨が降ると体調を崩す。
透に本来の姿を見られた時には、拒絶されると思い彼女を激しく蔑んだが、透の「一緒にいたい」という、願っていた言葉を聞き本当の意味で心を通わせた。彼にとって、透は心の支えとなり、この一件から透を名前で呼ぶようになる。由希と並ぶ透の良き理解者であり、彼女が将来について不安を抱いていることをいち早く見抜き、彼女を紫呉と共に慰めた。
幼少時に孤独だった夾にとっては初めて話しかけてきた楽羅は姉のような存在で、毎日一緒に草摩の近くの公園で遊んでいたが、本来の姿を不注意で彼女に見られ、それ以後夾の母親はさらに彼を外に出さなくなった。楽羅の好意にはとことん振り回されており、今までに何度も暴力を振るわれたり(これは楽羅なりの愛情表現)姿を見て脱走したりしているが、やられっぱなしなのは女には手を出さない夾の性格によるものである。楽羅の強い想いを理解していながらも、彼女に「俺はおまえを好きにならない」と告げ、一緒に遊んでくれたことに「ありがとう」と感謝の言葉を贈った。
籍真の家事の腕が壊滅的なためか、透ほどではないか料理上手。嫌いな食べ物はニラネギ味噌(味噌は味噌汁なら平気)。ジェイソンやDVDの存在を知らないなど、多少抜けたところもあるが、登場する草摩一族の中では常識派のため、作中では貴重なツッコミ役。
物語中盤での由希との言い争いの際、幼少時からお互いがお互いに憧れていたことを告げたのをきっかけにわだかまりが解け、それ以後は二人の空気は穏やかなものになり、喧嘩友達のような存在となった。
実は籍真に引き取られて間もない頃、透の母である今日子に出会い、友情を育んでいた。透のことはそのころから知っており、透が迷子になった際には今日子に「透を見つけて必ず守ってみせる」と約束するが、由希が透を助けたためにその約束は果たされなかった。約束はツケということになったが、それ以後は恥ずかしさや悔しさ、悲しさから、今日子に会うのを避けるようになってしまう。今日子の事故に偶然遭遇し、車に轢かれそうになるところを助けようとしたが、変身体質が知られてしまうという恐怖からそれが出来なかった。結果的に今日子を見殺しにしたことをずっと後悔しており、闇を抱えるようになる。
それからは数か月山に入り、全てを由希のせいにすることで忘れるようにして元気を取り戻す。帰った先で慊人から「高校3年間で由希に勝てたら十二支の仲間に入れ、幽閉のしきたりも無くす」という約束をされ、紫呉の家へ居候していた由希の元へと勝負に来た時に透と対面し、一目で今日子の娘であることに気づく。そのことで忘れられると思った過去が忘れられなくなってしまったため、透には無愛想になる。
透を愛しく思う一方で自身の立場に思い悩み、長く踏み込めずにいたが、遂に想いを告げた時、呪いが解けた。高校卒業後の幽閉はなくなり、透と共に紫呉の家を旅立つ。作者によれば、夾の方から結婚の話を持ち掛け、二人で神前結婚式を挙げた(ラストシーンの写真立てより)。
物の怪憑き特有の髪の色(オレンジ色)をしており、中学時代はそれを指摘されると暴力を振るう癖があった(潑春曰く、「半殺しにしていた」)。基本的には誰に対しても同じ態度で接するが、しつこく告白してくる人にはわざと冷たく当たり、遠ざけようとする。
2年生の文化祭では、投票により王子役になり(由希が断ったため)、文句を言うも透の説得により練習にも参加した。本番では咲が演じるシンデレラに振り回されながらもツッコミはしっかりとやっていた。
咲が籍真を好いていることを気にして、近づいて欲しくないと思っていたが、彼女が籍真の賄いとなったため不安は尽きない。
原作・アニメ共にオレンジの髪だが、原作では同色の瞳なのに対し、アニメでは赤茶の瞳。
草摩 紫呉(そうま しぐれ)
声 - 置鮎龍太郎
十二支の)の物の怪が憑いている。ニックネームはしーちゃん、ぐれさん、ぐれ兄、先生。178cm。68.5kg。蠍座。AB型。
透らが居候する家の主で保護者的な存在。由希の従兄。純文学の小説家。純文学作品では本名で執筆しているが、「きりたにのあ」の他いくつものペンネームを持ち、様々なジャンルの作品を書いている。ニックネームの「先生」は作家であることに由来するが、そう呼ぶのは發春だけで、その彼ですら、由希の高校通学に関わる一件の際「呼んでくれたら力を貸す」と言われたため。同じ十二支で同級生のはとり、綾女とは親友同士(マブダチトリオ)。その徹底した傍観者ぶりに、かつて交際していた白木繭子に「さざ波のようだ」と評される(由希やはとりには、「どちらかといえばさざ波を漂うクラゲ」と評されている)。
普段は着流し姿だが、外出時などはスーツも着る。着流しの理由は「その方が作家っぽいから」。形から入るタイプ。
時には年長者として真面目な意見を言うこともあるが、いつもはふざけた言動ばかりで、はぐらかし本心をなかなか見せない。透や杞紗に接する態度は優しく、人当たりも良いように思えるが、時に冷酷な二面性を見せることもある。
十二支の呪いのことについても知っているようだが、核心は教えようとしない(しかし、彼なりに呪いの現状を変えるきっかけを作り出したかったらしく、透を同居させるなどしたのはこのため)。アニメでは、夾の真の姿を見た透に対し、透が壊れることを恐れながらも、透によって呪いが解ける望みを捨てきれず葛藤していた。昔、慊人に「永遠に君を想う」と誓っており、今もその誓いは互いの胸に残っている。しかし、紅野の呪いが解けた時に慊人が紅野と肉体関係を持ったので仕返しのために慊人の実母・楝と肉体関係を持った。そのことが慊人の怒りを買い本家を追い出され、現在の家に住むこととなった。同情で慊人と肉体関係を持った紅野を嫌っている。慊人のたった一度の裏切りが彼を歪ませてしまい、わざと冷たい態度をとっている。それでも彼女を愛していることは変わらず、また自分を一番に想ってくれることをずっと待っていた。物語終盤で慊人に告白され、これからずっと彼女の傍にいるために小説家をやめて本家に戻り、以後は順調に交際している。
名前の由来は「時雨月(しぐれづき / 10月)」から。
原作ではグレーに近い黒髪に同色の瞳だが、アニメでは青みを帯びた黒髪にグレーの瞳。
魚谷 ありさ(うおたに ありさ)
声 - 今井由香
透の親友。元ヤンキー(ただし、制服のスカートは現在も足首丈)。ニックネームは、うおちゃん。168.5cm。47kg。水瓶座。O型。
幼い頃、母親が家を出て行き父親は酒浸りになったため、悪い道に入っていき、小学5年生で暴走族デビューした。
情に厚く涙もろい姉御肌。更生するきっかけを与えてくれた今日子を今でも慕っている。背が高く(180cm台を目指しているらしい)美人なので、透にモデルに向いているのではと言われた。夾とは良い喧嘩友達だが、時には一緒になってツッコむことも。
ヤンキー時代、女だてらに特攻隊長をしていたという伝説の「赤い蝶」今日子の話を聞いて強い憧れを抱き、自分の通う中学校にその娘がいると知って学校へ向かい、そこで出会ったのが透だった。最初はイメージとのギャップに拒否反応を示したが、やがて彼女の分け隔てない態度と今日子の温かさに心を開き、今では父親とも和解。
中学時代、今日子の助けにより暴走族から抜けることが出来た。また、今日子からヤンキー時代の特攻服を受け取っている。
バイト先で出会った草摩紅野に恋愛感情を抱く。紅野と再会後は互いの想いを伝えて、高校卒業後は仕事をしながら頻繁に連絡を取り合うなど順調に交際中。
原作では金髪に茶色の瞳だが、アニメでは蒸し栗色の髪に濃い青の瞳。
花島 咲(はなじま さき)
声 - 安原麗子(アニメ) / 冬馬由美(ドラマCD)
透の親友。ニックネームは、はなちゃん。162cm。52kg。牡羊座。AB型。
人の思念を電波の如く感じ取ったり、悪意の篭った思念(毒電波)を相手の脳内に送り込むことが出来る。その得体の知れない能力に加え常に黒い物を身に纏っているため、クラスメイトや十二支、果ては慊人にまで一目置かれている。
基本的に無気力でやる気がない。成績が悪く、追試・補習の常習者(2年生の時には全て赤点)だが、次の年には赤点は一つも取らなかった。ローテンションな口調が特徴。意外と食い意地が張っているのか、何かしら食べているシーンが多数登場する。
依鈴と並ぶほどの抜群のスタイルを持つ美人であり、その変わった能力から(?)、男子には多少人気があるらしい。弟の恵とあわせて、作者曰く「フルバ最強コンビ」らしい。本人曰く「電波で人の心は読めない」らしいが、疑念を抱かせる様なシーンが多々存在する。
昔はその力をコントロール出来ず、周囲から「魔女」と囃し立てられ、酷いいじめを受けていたが、転校先の中学校で透、ありさと出会い、本心を赤裸々に吐露したことをきっかけに変わることが出来た。毒電波の力で同級生に害を与えてしまった罪人の証として常に黒い服を着ていたが、今ではこの色でないと落ち着かない。海原高校の制服の色は紺色のため、祖母のアイデアで代わりに黒いマニキュアをしている。籍真がタイプの男性で、最近では「籍真さん」と名前で呼ぶほど、徐々に親しくなりつつある。どこまで本気かは不明だが夾に「ママと呼んでいいのよ」と発言したこともあり、嫌がるというより怯えさせた。卒業後は籍真の道場の賄いさんとして働くことに。初めて出会った慊人をすぐに女性と見抜いた。
度々着用しているお気に入りのマントは祖母の手作りで弟とおそろい。
意外な事に熱中する(トイレ掃除など)。
原作では黒髪に黒い瞳だが、アニメでは深緑の髪に由希よりやや薄い紫の瞳。

十二支[編集]

草摩 楽羅(そうま かぐら)
声 - 三石琴乃(アニメ) / 白鳥由里(ドラマCD)
)の物の怪憑き。160.5cm。51kg。蟹座。B型。
乙女チックで夢見がち、少女っぽい外見だが、透たちより2学年上。作中、私立女子高から私立女子短大に進学する。普段は恥ずかしがり屋で大人しいが、興奮すると性格が一変、猪突猛進型の手の付けられない乱暴者になる。特に大好きな夾を前にすると、テンションが上がってしまう。しかも籍真の道場で鍛えているため、破壊力は抜群である。
夾とは幼い頃偶然出逢ったことがきっかけで、一緒に遊ぶようになる。夾にとっては姉のような存在。しかし、彼女が夾に近づいた本当の目的は、十二支憑きという呪いを背負っている自分より「可哀想」で惨めな存在がいると実感し、安心するためであった。夾の本来の姿を見て逃げ出してしまった事の罪悪感から「夾を愛せれば逃げた汚い自分は消える」と思いこみ、夾を慕う行動をとるようになり、その想いはいつしか本物になっていた。
呪いからの解放後は仕事に就き、夾への想いは断ち切れていないものの、生活には満足しているらしい。自分とは違い夾の本当の姿を受け入れ純粋に夾を想っている透に嫉妬しながらも憧れ、透が依鈴に「夾を一番大切に想っている」と発言した際には「きちんと本人に言いなさい!」と透を思い切り殴ったことも。趣味は手芸で、手持ちの猫グッズ(ナップザックなど)はすべて自作である。名前の由来は「神楽月(かぐらづき / 11月)」から。
原作・アニメ共に黒に近いこげ茶の髪だが、原作では同色の瞳なのに対し、アニメではグレーの瞳。
草摩 紅葉(そうま もみじ)
声 - 齋藤彩夏 (アニメ)/ 長沢美樹(ドラマCD) / 宮田幸季(まんがDVD版[1]
)の物の怪憑き。ニックネームはもみっち。155.8cm。47.5kg。魚座。O型。
日本人の父とドイツ人の母を持つハーフドイツ語が話せる。子供っぽい外見と言動に惑わされて、透は小学生だと勘違いしていたが、一つ年下なだけで、潑春と同い年である。外見の幼さに反して、内面は非常に大人びている。高校入学当初は「似合うから」という理由で女子の制服(下は黒(原作)の短パンであり、小学生頃の制服の短パンである模様)を着用していたが、物語後半では身体的にも成長し、普通に男子の制服を着ている。バイオリン演奏が趣味で、将来はバイオリニストを目指している。
彼の母親は紅葉が物の怪憑きであることを受け入れられず、精神を病んでしまった。そのため父親に説得され、母親の中にある「紅葉に関する記憶」を隠蔽することに同意する。全快した母親は彼のことを草摩家の誰かの子供だと思っている。表立って会えなくなった今でも、母親と妹の姿を見るために、透の働くビル(=紅葉の父親の会社)にしばしば訪れる。誰もが怯える慊人に対しても、間違っていると思えば立ち向かう勇気を持っている。透に母親の面影を見ている。
高校2年の初夏、不意に呪いが解けた(紅野に続き2人目)。十二支の中では一番物の怪を受け入れていて、部屋には兎の縫いぐるみが大量に置いてある。名前の由来は「紅葉月(もみじづき / 9月)」から(他の十二支の名前の順番に従うと3月が由来になるはずであるが、紅野と名前の由来にする月が入れ替わっている)。
原作・アニメ共に明るめの金髪と茶色の瞳。
草摩 はとり(そうま はとり)
声 - 井上和彦
)の物の怪憑き。ニックネームははーさん、とりさん、ハリィ。182cm。69kg。蟹座。A型。透たちより10学年上。
草摩家専属の主治医で、家に代々伝わる「記憶の隠蔽術」を持っており、草摩家の秘密を知った人間の記憶隠蔽も担当する(由希の友人や、紅葉を受け入れられなかった紅葉の母など)。他の十二支と違い、実際に変身するのは龍ではなくタツノオトシゴで、変身後の姿は彼のコンプレックスである。
かつては草摩佳菜と付き合っていた。だが彼女との交際を報告した際に慊人に暴力をふるわれ、左目の視力を失う。それを自分のせいだと思い込んだ佳菜がノイローゼになり病んでいく様子を見ていられなくなり、自らの手で彼女から自身に関する記憶を消した。それによって、初めて忘れられた者の辛さを思い知ることとなる。佳菜の親友で透たちの担任であり、また紫呉の元彼女である白木繭子と2年ぶりに再会し、現在は彼女に好意を抱いている。物静かで落ち着いている印象だが、それは今の自分の環境に対する諦めから生まれている部分も多いらしい。
慊人が紫呉宅への同居を許した透に興味を持ち、場合によっては記憶の隠蔽を必要とするかもしれないと考え透の学校を訪れた。過去に佳菜が出した「雪が溶ければ何になるか」という他愛もないなぞなぞの答えが佳菜と同じだったこと、変身した自分をすんなりと受け入れた時の反応が同じだったことから、透に佳菜の面影を見ている。
マブダチトリオの一人(自身はそう呼ばない)で、綾女を唯一制御できる人物。名前の由来は「羽鳥月(はとりづき / 4月)」から。
原作・アニメ共に黒髪だが、原作では青い瞳なのに対し、アニメでは抹茶色の瞳。
草摩 潑春(そうま はつはる)
声 - 陶山章央岡村明美(幼少時)
)の物の怪憑き。ニックネームは春、はーくん。170.2cm。57.5kg。蟹座。O型。透たちより1学年下。
頭髪は老人のような見事な白色で、根元は黒色の牛カラーである。
周囲の大人達から、鼠に一番乗りを奪われた間抜けな牛と言われ続けてきたため、卑屈でキレやすい性格になった。扱いに手を焼いた両親が、ストレス発散のために武術などを習わせたがあまり効果はなかったらしく、今でもキレると性格が豹変し、凶暴になってしまう(この状態を「ブラック」と呼ぶ)。
普段は物静かでマイペースで、突然突飛な発言をして周りを困惑させることも。ひどい方向音痴で、紫呉の家まで行くのに3日かかったりする。人の話を聞いていないようで聞いており、意外に観察力は鋭く由希や紫呉に対しても時折鋭い言葉を口にする。また、何かと不思議に思えば「ミステリー」と言う。
幼い頃は鼠憑きである由希を一方的に嫌っていたが、自分をコンプレックスから解き放ってくれたことで特別な存在と感じるようになり、由希にとっても良き理解者となる。同じ十二支の依鈴に幼い頃より淡い恋心を抱いていたが、彼女が精神的に追い詰められた時期を境にやがて彼女の傍について支える存在となり恋仲になる。しかし、やがて慊人の耳にも噂が届き、慊人から牽制を受けた依鈴が彼を守るためにわざと冷たく突き放し、一時期に別れを告げられていた。名前の由来は「初春(はつはる / 1月)」から。
原作・アニメ共に根元が黒い白髪だが、原作では茶色の瞳なのに対し、アニメではグレーの瞳。
草摩 綾女(そうま あやめ)
声 - 宮本充(アニメ) / 子安武人(ドラマCD)
)の物の怪憑き。ニックネームはあーや、アヤ、綾兄。175cm。63kg。射手座。O型。
草摩由希の。服飾店「あやめ」の店長。白い髪を伸ばしている。常にテンションが高く騒がしい、自分本位な王様気質の持ち主。カリスマ性に富み、高校時代は生徒会長として活躍した。
現在では、由希に迷惑がられるほどの兄バカぶりを見せているが、時には由希を勇気づけるなど、兄らしい真面目な一面も。少年時代は、10も歳が離れている上に、由希は隔離されて育ったため、会話を交わしたこともないほど弟に対して無関心だった。自分が気ままに生活するために由希を犠牲にしていたのだと気付いて以来、互いの溝を埋めるべく、積極的に接触を図っている。また、学生時代は他人の気持ちを考えられないところがあり、当時自分に告白してきた他校の女子生徒を自覚無しに傷つけたことを、現在は後悔している。
はとりのことを尊敬しており、はとりの言うことだけは聞くため、学生時代ははとりが世話役に任命されていた。マブダチトリオの一人。
「あやめ」の従業員・倉前美音(くらまえ みね)は同じ趣味を持つ相棒であり恋人であり、彼の心の拠り所である。十二支の物の怪については美音にもばれている様子。2人でお店の2階に同棲中。名前の由来は「菖蒲月(あやめづき / 5月)」から。
原作・アニメ共に白髪と黄色い瞳。
草摩 杞紗(そうま きさ)
声 - 名塚佳織
)の物の怪憑き。ニックネームはさっちゃん。145cm。32kg。魚座。A型。透たちより4学年下。
物の怪憑き特有の髪(金髪にわずかな黒髪が混じる虎カラー)と目の色が原因で学校で苛めにあい、ショックで誰とも話せなくなり、入学したばかりの中学に行かなくなってしまった。元々も引っ込み思案で大人しい性格であった。作者曰く「作中では一、二位を争う程の美人さん」。ニラ玉が好きでボソボソしたものが苦手。
家を抜け出して衰弱し変身していたところを發春に発見され、紫呉宅へ連れてこられた。以来、透に助けられて少しずつ話すようになっていく(以降、透と顔をあわせるたびにハートを飛ばして抱き合うのがお約束)。苛めに立ち向かう勇気を得て以来、透をとても慕っている。幼馴染の燈路とは「友達以上恋人未満」。以前、慊人に理由も分からず(後に燈路の口から、燈路が慊人に杞紗への好意を打ち明けたためと知る)暴力を受け入院したことがあり、慊人に対して怯え続けている。
紫呉・綾女・はとりのことを「おじちゃん」と呼んでいる。名前の由来は「如月(きさらぎ / 2月)」から。
原作・アニメ共に茶色を帯びた黄色の髪だが、原作では同色の瞳なのに対し、アニメでは茶色の瞳。
草摩 燈路(そうま ひろ)
声 - 渕崎ゆり子
)の物の怪憑き。ニックネームはひー君。150cm。38kg。獅子座。AB型。透たちより5学年下。
十二支の中では一番年下だが、口達者で毒舌家で大人顔負けの屁理屈をこねる。ボキャブラリーも豊富で、透がついていけないこともある。詰問調で話すため、しばしば相手に無用の反感を与える。本人も、自分の言葉がきついことをちゃんと自覚していて、これではいけないと反省もしている。ひねくれた屁理屈をこねてしまう自分が嫌いだが、素直になることはなかなか難しいようで、注意されることも。物の怪憑きで産まれてくると複雑な親子関係が生まれやすい中、両親の理解の下温かい家庭で育っている。
何かと他人に突っかかっていたが、段々と沈静化してきた。作中で妹の日向(ひなた)が生まれて兄になった。子供の頃はマブダチトリオや楽羅たちと遊んでいた。また、本当の思いやりや優しさを持っている潑春のことを尊敬している。
杞紗が好きなために、杞紗が慕う透をライバル視している。昔、慊人に杞紗への好意を打ち明けたことが原因で杞紗が入院することになってしまったことを深く後悔しており、それからは杞紗を一生守ると誓っている。作品中では夾と並んでツッコミ役を担っている。
紅葉の呪いが解けてから日を置かずして、呪いが解けた。名前の由来は「文披月(ふみひろげづき / 7月)」から。
原作・アニメ共に薄茶の髪と茶色の瞳だが、瞳の色はアニメの方がやや赤みが強い。
草摩 利津(そうま りつ)
声 - 冨永み〜な
)の物の怪憑き。ニックネームはりっちゃん、りっちゃんさん。174.3cm。59kg。山羊座。AB型。透たちより4学年上。
私立大学に通う、由希に負けない程の女性的美貌を持った青年。劣等感の塊のような性格で、何かあるとすぐに自分が悪いと思い込んでしまう。誰に対しても低姿勢で(その対象は猫にも及ぶ)、些細な不満や皮肉に敏感に反応し、泣き叫びながら謝りまくる。彼の母親も彼とそっくりの性格である[2]。自分のことより相手を気遣うタイプだが、行動は空回りすることが多い。普段から振袖で女装をしているが、理由はその方が落ち着くから。あまりに気が弱いため、男の格好をすると萎縮してしまうらしい。大学にも振袖を着て行く。楽羅とは小さい頃から仲が良く、昔は楽羅に服を借りていた。
初対面で著しいシンクロ現象を起こした、紫呉の担当編集者である満(みつる)と恋仲になったようである。実家は草摩の保養施設である温泉宿を営んでおり、母親が女将をしている。
十二支の中では年長の方に入るが慊人の秘密は知らない。そのため慊人が女物の着物を着て現れた時に自分と同じ女装趣味に走ったと勘違いした。いつも堂々たる振る舞いをしている綾女に憧れている。名前の由来は「小田刈月(おだかりづき/ 9月)」から。
原作・アニメ共に燈路より赤みの強い茶髪だが、原作では黒い瞳なのに対し、アニメでは赤茶の瞳。
草摩 依鈴(そうま いすず)
声 - 桑島法子(まんがDVD版[1]
)の物の怪憑き。ニックネームはリン。透たちより1学年上。
容姿端麗で、スタイルの良い妖艶な少女。足にかかるくらいのロングヘアだったが、物語後半では慊人に切られ、ショートヘアとなる。
幼少時の彼女の家庭は理想的な家庭で、両親は優しくいつも温かな笑顔に満ちたものであった。しかしそれは砂上の楼閣であり、彼女の「ホントに楽しい?」というたった一言が一瞬にして家庭の全てを崩壊させてしまう。以降、無理をして幸せな家庭を演じていた両親から酷い虐待を受け、倒れているところを潑春に発見される。以後潑春と付き合いはじめ、かなり親密な関係になったが、慊人に露見し、窓から突き落とされて大怪我を負う。慊人から潑春を守るため、潑春をあえて振り、呪いを解くために一人奔走していた。
虐待が判明した後は楽羅の家に引き取られるが、楽羅の家の幸せな家庭を見ているとトラウマが身体を蝕み、入退院を繰り返している。透に対しても、最初に会った時から、潑春に通じる優しさを感じ、自分が縋り付くことで透を巻き込んでしまうことを恐れ遠ざけていた。
晶に関する謎の箱を慊人から奪おうとした楝に「呪いを解く方法を教える」ことを引き換えに箱を持ってくるよう唆され、慊人の部屋へ忍び込む。箱を盗ろうとしたところを慊人に見つかり、暴力を振るわれた上に髪を切られ、猫憑きが幽閉される蔵に数日間食事を与えられずに監禁される。紅野に発見されて一命を取り留めるものの、結局は慊人と楝の親子争いに利用されただけの無駄足に終わった。
慊人による幽閉事件が収まった後は潑春と交際関係を戻し、新たな道を歩き始めようとしている。アニメには登場せず。黒髪に黒い瞳。名前の由来は「彌涼暮月(いすずくれづき/ 6月)」から。
草摩 紅野(そうま くれの)
声 - 千葉進歩(まんがDVD版[1]
)の物の怪憑き。透たちより9学年上。
透の前に最後に登場した十二支。慊人の一番のお気に入りで、常に側に控えている。病的なまでに離れるのを嫌がる慊人のためにほとんど草摩の外に出ないので、26歳になるまでコンビニで買い物をしたことすらなかった。最も早く呪いが解けており(そのため作中で変身した姿は出てこないが、『ファンブック 〔猫〕』ではスズメが描かれている)、それを知っているのは慊人のみだったが、紫呉は薄々気付いていた。呪いが解けているため「神様」への本能的な思慕の念は消えており、深夜のコンビニで出逢ったありさを愛しく思うが、孤独な慊人への同情から離れられずにいる。呪いが解けた際に永遠に慊人の傍にいることを誓い彼女と肉体関係を持ってしまい、紫呉から嫌われることになる。幼い頃は紫呉を慕っていて、現在でも紫呉・はとり・綾女のことを「兄さん」と呼んでいる。
悲しみに囚われ暴走した慊人に刺され負傷するが、無事一命を取り留め、病院にてありさと再会を果たす。退院後は本家を出て、田舎の町で就職。アニメには登場せず。赤茶の髪と瞳。名前の由来は「暮れの春(くれのはる / 3月 - 「晩春」の意)」から。

草摩家[編集]

草摩 慊人(そうま あきと)
声 - 若葉紫今井由香(幼少時) / 皆川純子(まんがDVD版[1]
草摩家の当主。163.8cm。43kg。蟹座。AB型。十二支に対する「」の存在であり草摩一族に暗い影を落としている。本当は女性であるが、母親の命令で男として育てられたため、一人称は僕。このことは草摩家のトップシークレットであり十二支の中でも一部の者しか知らない。アニメ化の際には、この設定がまだ原作でも明かされていなかったため、アニメ版の慊人は性別が不明とされているが声優は男性となっている。十二支を権力で、時に暴力で縛ろうとする。十二支の仲間外れである猫憑きの夾に対しては興味がなく、年末の十二支全員を本家に集めて行う宴会にも呼んでいない。
幼い頃は感情の起伏こそ激しかったが、現在ほど病的ではなかった。だが、紅野の呪いが解けた時を境に彼女は変わり、由希に「お前は親から憎まれている」と吹き込んだり、夾を「化け物」と罵ったり、潑春を「バカだ」と蔑むなど、十二支の心をわざと傷付けるようになった。また、夾に対しても、高校卒業後に死ぬまで幽閉されることが決定しているにもかかわらず「由希に勝てたら十二支の仲間にし、幽閉もしない」という嘘の約束をして、それを本気にしている彼を嘲笑っていた。
神(自分)と十二支は呪いの力だけで結び付いていることを知っているため、呪いが解ければ神である自分の存在を根底から覆されることを非常に恐れており、その絆や呪いを否定する実母・楝とは犬猿の仲である。また、絆に執着するあまり十二支達の恋愛問題に対しては非常に敏感であり、佳菜との交際を報告したはとりや燈路が好意を持っていた杞紗、潑春と交際していたことが判明し(潑春を庇うために)自分から唆したと打ち明けた依鈴などに対して暴力を振るい、大怪我を負わせたことがある。
「他所者に踏み入られても自分と十二支達の絆は永遠である」ことの証明と、半ば紫呉へのあてつけのために透の紫呉宅への同居を許可する。海原高校の文化祭で透と対面した時は笑顔で透に接しつつも内心では蔑んでいたが、とある事件をきっかけに透に対し心を開き始め、彼女自身も新しい道を歩み始めようとしている。終盤では紫呉からプレゼントされた椿の模様の着物を着て、呪いが解かれた由希達の前に現れた。そしてこれからは草摩の当主として皆の幸せを守るために生きていくと誓う。紅野と肉体関係を持ったことに対しての腹いせで楝と肉体関係を持った紫呉を許せずに憎み続けていたが、心の底では互いを誰よりも想い続けていた。現在は、紫呉と想いが通じ合い恋人関係に。
草摩 楝(そうま れん)
草摩家当主・慊人の実の母親。だが子に対する愛情は放棄している。妖艶な美しさの持ち主。
心身を患っており、普段は奥の間にいることが多い。慊人ほどではないが、草摩の中ではそれなりに権力を持っている。慊人との仲は最悪で、互いに憎み合っている。既に亡くなっている夫の晶に対してかなりの依存と執着を抱いている。ことある事に慊人と十二支の絆を否定し、自分と晶との絆こそが本物で、それ以外は偽物だと告げる。元々晶の世話係の1人であったが晶に見初められ結婚し、幸せであったが、その後慊人が生まれたことで晶の自分への愛情が取られたと錯覚し、娘である彼女を嫉むようなっていく。余命幾許もない晶が愛する楝に残せたものが慊人であり、「楝の子だから」愛していたのだが、それを伝えることが出来ずに晶は彼女と仲違いしたまま亡くなる。
戯れに紫呉と肉体関係を持ったり、紅野を誘惑したりと、慊人と十二支の仲を裂こうとしている節もある。依鈴のことを生理的に気にくわなかったという理由で、彼女をだまし陥れたこともあるなど特定の十二支に対しても態度は冷たい。慊人が持っている謎の箱が晶に関係するものと聞き、入手せんと慊人の元へ刃物を片手に現れる(結局それは嘘で、実際には何も入っていない空箱だった)。終盤、変わっていこうとしている慊人が話しあいをしようと何度も通っているようだが、会話はろくに成立していない模様。アニメには登場せず。
草摩 晶(そうま あきら)
草摩家前当主にして慊人の実。故人。病弱で昔から医師に短命宣言をされていたらしく、その影響もあってか生前は儚げで浮世離れした美しさを醸し出していた。
自分の抱える寂しさに気付き泣いてくれた楝に惹かれ、古参の人間達の猛反対を押し切って結婚する。慊人が生まれた後は娘に夢中になり、それが楝の嫉妬心をさらに煽る結果となる。本心では楝を深く愛し、慊人が生まれたことを楝に一番喜んでもらいたがったが、最期まで仲直りが出来なかったことを悔やんでいた。慊人のことは「自分と楝の子供だから」という理由で愛していたに過ぎなかった。1巻にて「神様と十二支の物語」のお話をするシーンで登場している。アニメには登場せず。
慊人の世話役(仮称)
草摩家の「奥」に仕える、古参の女中。古参派の中心の一人と思われる人物。晶や慊人に忠誠を誓っており、また楝を蛇蝎のごとく嫌っている。慊人の言うこと・為すことには、たとえそれが間違っていることであっても従う。楝を嫌うあまりに、(慊人に優越感を与えるため)謎の箱(実際には空箱で、慊人を楝に対抗させるため「晶の魂が入っている」と吹き込んだ)を与えたり、「慊人がいなければ十二支とて猫憑きと変わらない化け物に過ぎない」と紅野に言ったりと、ある意味慊人を暴走させ、親子間の争いの火に油を注いでいた人物と言える。終盤ではそれらの行為を悔い、変わっていこうとしている様子。
草摩佳菜(そうま かな)
声 - 寺田はるひ
「外」の人間で、かつてのはとりの助手。その当時ははとりと恋人同士であったが、慊人の逆鱗に触れ、はとりが片目を失明したことを皮切りにやがてノイローゼになり精神が崩壊していってしまう。それに耐えられなくなったはとり自身によって記憶を隠蔽された後は、別の男性と結婚し、幸せに暮らしている。はとりの特異体質を知るが、透と同じように受け入れていた。はとりには出会う前から、淡い憧れを抱いていた様子。

十二支の家族[編集]

本作品ではキャラクターの性格形成の上で幼児期の体験などに焦点を当てることが多い。

物の怪憑きの実親の多くは、子に対して「過保護型」と「拒絶型」に分かれる傾向にある。また、物の怪憑きを養育している者は(親でなくても)本家から多額の金を貰っている。

草摩 籍真(そうま かずま)
声 - 井上倫宏町井美紀(7歳頃)
草摩一族の一人で、夾が尊敬する武術師匠かつ養父。
母親が亡くなり、父親からも放棄された夾を養子として引き取る。猫憑きであったことから亡き祖父を拒絶していた。そのことを現在も悔やんでいて、懺悔もあり夾を引き取ることにした。しかし、懺悔の念以上に夾を本当の子供の様に愛している。
透の夾に対する気持ちに気付いた時、祖父の伴侶(籍真の祖母)の様に猫憑きに対する同情や哀れみからの感情ではないのかと不安になっていた時期もあったが、それが違うと分かってからは透と夾の関係を温かく見守っている。
料理が壊滅的に不得手で、その上読書をしながら行ったりもし、「今日はなんとなくできそうな気がする」という考えを起こしては失敗している。妙なところでアバウトな一面を持つ。
夾の父
声 - 井上和彦
「拒絶型」。妻の死を全て息子の責任とし、彼女を支えきれなかった自分を省みず、ただ自分は悪くないと彼の全てを拒絶し続けた。なお、妻の自殺の直接の原因は、「化け物の父」と周囲から扱われることに耐えかねた彼が、妻と息子に拒絶する言葉を投げつけたこと。
根本的に「弱い」人で、不安をすべて他人に押し付けなければ自分を保てず、押し付けても不安が残るという人物。
夾の母
声 - 長沢美樹
元々は「過保護型」。夾が「化け物」呼ばわりされるのを防ぐべく、彼を人目のつかない場所にしばしば隠そうとしていた。息子への愛情は有していたが、彼が物の怪憑きであることからは眼を背け続けた。周囲からの重圧や夫の冷たい発言に精神を病み、耐え切れず自ら命を絶つ。
由希、綾女の母
鼠憑きを産んだことで一族の中でも優遇され、豪遊三昧の毎日を送っている。由希への愛情は希薄であり、本家への貢物程度にしか考えていなかった。しかし進路相談の三者面談以降は態度を改め、親らしい言葉をかけるようになっていった。
なお綾女に対しては、実の息子でありながら悲鳴を上げて取り乱すほどに苦手としている。夫も同様らしい。
潑春の母
後姿のみ登場。性格を覗わせる描写は、潑春が学校で暴れた件で呼び出しを受けた際の、彼の「親は笑うか」という発言のみ。作者曰く、「良い親とはいえない」とのこと。紫呉の母親と仲が良いらしく、由希の回想シーンで一緒にお茶をしていた。
杞紗の母
声 - 寺田はるひ
十二支の親として「過保護」になる例とされていた。娘への愛情が深すぎる故に、彼女が言語症に陥った際には心労から鬱状態となっていたが、娘共々透の言葉に癒された。以降は元気にしている姿がところどころで見られる。燈路の母と仲が良い。キャラクターランキングでは、燈路の母を抜いて意外と上位に入っている。
紅葉の両親
母親はドイツ人。息子が物の怪憑きであることに耐えられず、紅葉を「拒絶」してしまい、心を病む。「産まなければ良かった」の言葉を残し、はとりにより記憶を隠蔽されるときには「一番の後悔はあの生き物を体から出したこと」と言っていた。記憶をなくして以降はしばしば幸せに暮らしている姿がみられる。
父親は妻を助けるために言わば紅葉を家族の輪から見捨てることを選んだものの、紅葉も妻をも受け入れ続け、二重生活のような形で両者と共に存り続けている。
草摩モモ(そうま モモ)
紅葉の8つ年下の実妹で、普通の人間として誕生。たどたどしい喋り方をする。透のアルバイト先のビルで、母にそっくりである紅葉に出会ってから彼のことが気になっている。ありさの探している人物が紅野であることを確かめるために、透が草摩家本家に訪れた際、ある条件と引き換えに彼女を本家の「中」に案内する。その条件は「紅葉にお兄ちゃんになってほしい」と伝えること。
紅葉同様、会わないようにと父から言い含められているが、時折「中」に忍び込んでは紅葉がヴァイオリンを弾いているのをこっそりと見ている。
はとりの両親
共に故人。父は彼同様一族の主治医。両親とも厳格だったとのこと。
依鈴の両親
両親とも回想シーンに登場。幼い頃は幸せな家庭を演じていたが、それを疑問に思った依鈴のふとした一言でその仮面を脱ぎ捨て、以後は彼女に虐待を加えるようになった。ほどなくして娘から隔離されたが、現在も「中」で暮らしている。
草摩五月(そうま さつき)
燈路の母。十二支の親の中で唯一名前が判明している人物。出産直後、抱き上げて羊に変身した燈路に対し、「羊大好き!」と言い放った驚異の人物(恐らく十二支最強の母ではないか、との声も挙がっている)。それ以後も深い愛情を持って息子を育てていった。しかし、極めて天然な危なっかしい人物であるため、かえって息子は「自分がしっかりしなくては」と今のような幾分口が過ぎる性格になったとのこと。
その後、第二子「日向(ひなた)」も出産。夫はほとんど出番がないが、幸せそうに二人で並んで話している姿が見られる。
草摩日向(そうま ひなた)
作中で生まれた燈路の妹。十二支が全員生まれているため、普通の人間として誕生。作者曰く「ブラコンになると思う」。
利津の母
声 - 山本順子
息子よりも先に登場。息子同様に加害者妄想が強く、些細なことで取り乱し叫びながら謝罪する癖がある。優秀な人物であることが多い物の怪憑きでありながら、その才を発揮出来ずにいた利津のために、若い頃から頭を下げ続けてきたことがその原因と思われる。夫も同様に、息子のために頭を下げ続けてきた。
目の下の隈と乱れた髪から病弱さが目立つが、息子同様、どこか根っこのところでは逞しさを感じずにはいられない人物。一族の保養施設でもある旅館の女将をやっているが、前述の通り病弱なので経営は従業員に任せている。しかし、柱にすがるほど無理をして出てきた時には透たちが驚くほどの逞しさ(と恐ろしさ)が感じられた。
モデルは前作『翼を持つ者』に登場した女の幽霊。それきりの登場ではもったいないとリニューアルしての登場。ちなみに作者はあの半狂乱を見たら「全力で逃げるか、腰を抜かす」と証言している。
紅野の両親
両親が回想シーンで一度だけ登場。楝と晶の結婚に関しては、「二人が幸せなら」と肯定的だった。紅野が成人してからは疎遠だったらしい。
紫呉の両親
料亭での宴の出席者として登場。母親は由希の回想シーンで顔が明かされている。息子とは疎遠の様子。ちなみに紫呉は母親似。
楽羅の母
「過保護型」らしく、彼女を心配する姿が見られる。基本的には幸せな家庭らしいが、楽羅が幼かった頃はそれなりに苦しかった模様。

海原高校[編集]

白木繭子(しらき まゆこ)
声 - 進藤尚美(まんがDVD版[1]
透たちの担任。長身でさばけた女性教師。透が草摩家に居候している事を知る数少ない人物でもある。実は、はとりの元恋人である佳菜の大学時代からの親友で、紫呉やはとり、綾女とは旧知の仲。佳菜にはとりを紹介された時から彼に好意を寄せている。紫呉と一時期的に付き合ったこともあり、繭子は彼のことを「さざ波」と評した。アニメには登場せずクラス担任は男教師となっている。
ダチトモーズ
レギュラー化している透たちのクラスメイト。お祭り好きでいつも明るい気のいいコンビ。ありさのことを「姐さん」と呼んでおり、彼女や夾とは仲がいい。ありさと共に夾をイジることも多い。翔とも親しい様子。夾と透が付き合いだした時は、クラスで一番初めにからかっていた。唸るほどモテたいらしい。
クラス委員長
眼鏡をかけた真面目そうな風貌の女子生徒。由希と共にクラスをまとめている。
竹井誠(たけい まこと)
声 - うえだゆうじ
前生徒会長。透たちの1学年上。素子とは由希を巡るライバルで、毎度口喧嘩をしている。校則に厳しく、特徴的な毛色をした潑春を注意するが、彼にトイレに連れこまれて思わぬ形で地毛であることを証明させられた。言動や行動はかなりうざったく、潑春、由希、夾曰く「バカ」。作者曰く「竹井さんちの誠くん」で、家柄は良いようである。

生徒会メンバー[編集]

由希が会長を務める生徒会の面々。由希が成長していく過程で重要な役割を果たす。

真鍋 翔(まなべ かける)
声 - 鈴村健一(ドラマCD版)
由希の生徒会会長就任時の副会長。ニックネームはナベ、トブナベ君。透たちと同学年。
常にテンションが高く、意味不明なノリで押しまくる性格だが、家の跡継ぎ問題が解決する中学時代までは、恋人である小牧曰く「すごく無口で、いつも怒っているみたいで近寄りにくい」雰囲気だったとのこと。
由希に「ゆんゆん」というあだ名をつけた張本人。由希は当初兄に似たハイテンションな性格を持つ翔を苦手としていたが、やがて打ち解けていく。透とは今日子の葬儀の時に一度会い、同じ事故で親を亡くした小牧を思うあまり暴走し、「勘違いするな」と暴言を吐く。透の方はそのことをすっかり忘れていたが、それに対しても「忘れていたのがむかつく」など透を徹底的に敵視していた節がある。なお、暴言の件は、そのような行動を取ったことを小牧に悲しまれ、それを当初は理解できなかったが、由希などと関っていくうちに自分のしたことがどうして小牧を傷つけたのかを理解した。
真知の父の愛人の子であるため、真知の異母兄にあたる。どちらが跡取りになるかで、母親からかなりスパルタな教育を受けていた(現在は翔と同レベルのテンションで喧嘩するなど、仲は良い様子)。だが、次第に親の言うとおりに従うことに嫌気が差し、跡継ぎを放棄。結果、真知の弟が家を継ぐことになった。
自分と似たノリの綾女と美音とはすっかり打ち解け、綾女のことは「司令」、美音のことは「副司令」あるいは「美音姉さん」と呼び慕っている。将来は小牧の実家の家業を継ぎたいと思っている。アニメには登場せずCDドラマに登場。
倉伎 真知(くらぎ まち)
声 - 甲斐田ゆき(ドラマCD版)
生徒会会計。翔の異母妹。透たちの1学年下。紅葉たちと同じクラス。歳の離れた弟がいる。
普段は無口、無表情で大人しいが、母親から「完璧」さを常に求められたことに対してトラウマを持ち、整然としているものを見ると破壊衝動に駆られてしまう。真新しい物も苦手。由希と関わることで彼女も少しずつ変わっていく。
ウサギ好きで、モゲ太もウサギに似ているという理由で好きらしく、由希からのお詫びを兼ねたプレゼントであるモゲ太のペーパーウェイトを大事にしている。作中では、綾女が持っていた文字入りの大きなモゲ太の人形を限定品と見抜いたシーンもあり、相当のファンであるような描写がされている。ちなみに、その限定品のモゲ太人形は後に偶然発見した由希が購入し、プレゼントされている。
由希と次第に仲の良い雰囲気となり最終巻ではかなり親密な仲となっていた。アニメには登場せずCDドラマに登場。
藤堂 公(とうどう きみ)
声 - 田村ゆかり(ドラマCD版)
生徒会書記。透たちと同学年。
自己中心的な性格で、自分のことを「公」と名前で呼んでいるぶりっ子。男性には人気があり、女性には嫌われているが、そのようなことも気にせず由希ファンクラブの面々に向かって、わざと怒らせるような発言を繰り返す。翔は彼女の性悪な本性を知っており、由希に告げようとして殴られたこともある。
小学校時代の同級生の一言で自分を「かわいい」と自覚したのが、今日の彼女たりえるきっかけであったらしい。高校卒業後、自分と対等に渡り合える男性と結婚した模様。アニメには登場せずCDドラマに登場。
桜木 直人(さくらぎ なおひと)
声 - 福山潤(ドラマCD版)
生徒会書記。透たちの1学年下。
あだ名は直、直ちゃん。生真面目で堅物なため、おちゃらけた翔ややる気のない生徒会メンバーに怒鳴ることも。仕事が早く丁寧。実直さが災いしていつも翔や公にいじられている。
プリ・ユキ会長だった皆川素子に好意を抱いており、由希に一方的なライバル心を燃やしている。彼女の卒業式の日には彼女に「倖せになれるよう祈ってますから」と告げた。アニメには登場せずCDドラマに登場。

プリンス・ユキ[編集]

全女子生徒の半数が加入しているといわれている由希のファンクラブ。ただ、活動はかなり本格的なもので、由希を護衛するために全力を尽くすというパワフルで破天荒な組織である。

皆川 素子(みながわ もとこ)
声 - 清水香里 / 豊口めぐみ(ドラマCD版)
透たちの一年先輩で、プリ・ユキ会長。透と似た、少し変わった敬語で喋る。
誰よりも真剣な気持ちで由希に恋しているが、そのためファンクラブの仲間にさえ苛立ちを感じることもあった。由希のこととなると暴走しがちな直情型だが、実は自分のことを客観的に見られる一面も。由希と親しい透や透を庇護する咲を敵視しているが、透が由希を変えていったことは認めている。卒業式の日に由希にありのままの想いを伝え、卒業していった。乙女チックな趣味を持ち部屋もそのように飾っている。なお、実家は乙女チックとは縁遠い八百屋。竹井会長とは由希を巡って犬猿の仲。
木之下南(きのした みなみ)
声 - 浅井晴美
透たちのクラスメイトで、かつてはプリ・ユキ二年代表。独占欲が強く、由希と仲が良い透に何かと突っかかっては、ありさや咲に一蹴されている。二年の時の文化祭では、「シンデレラっぽいもの」で継母役を演じた。
山岸美緒(やまぎし みお)
声 - 梶田夕貴
透たちの1学年下(アニメでは透たちと同学年)で、かつてはプリ・ユキ一年代表。紅葉や真知と同じクラス。誰にでも従う素直な性格に見えて、実は意外と自己中心的。プリ・ユキ会長になることを望んでいるが、彼女が三年になる頃には由希は卒業している。
相田リカ(あいだ リカ)
声 - 松本美和
素子の友人で同級生。ピッキングを特技とし、「この私に開けられない学校の鍵はない」と公言するアブナイ人物。
後藤舞(ごとう まい)
声 - 鈴木薫
アニメでは素子や南たちと一緒に花島宅に潜入。カエルの被り物を被っていた。

その他[編集]

本田 今日子(ほんだ きょうこ)
声 - 安原麗子
透の母親。故人。旧姓・勝沼。透や由希、夾ら人物の少年時代に多大な影響を与えた偉大な母親。彼女の存在が本作に時間的な深みを与えており、作中のキーパーソン的な存在。かつては「赤い蝶」と呼ばれた伝説のヤンキーだった。
冷たい家庭で育ち、他人を拒絶し打ち解けようとしない少女へと成長した今日子だが、心の底では激しく愛情を求めていた。そのことに初めて気付いたのが、教育実習生として彼女の通う中学へ来ていた本田勝也だった。親に勘当された後彼と結婚、透を出産するが、勝也は出張中に風邪をこじらせ還らぬ人となる。哀しみに囚われ自分の命を断とうとするが、娘である透への思いが彼女を引き留めた。透が高校1年の時、仕事に行く途中に交通事故に遭い、亡くなる。その場には夾が居合わせており、事故を防げなかったことを夾は今も悔やんでいる。死ぬ直前、混濁する意識の中で視界に写る夾を見つけて、昔頻繁に会っていた少年だと気付き、当時の約束を守ってもらうために夾に向かって「(約束を守ってくれないと)許さないから」と言った。しかし夾はその言葉を、見殺しにしたことに対する追い詰めだと思い込み引きずっていた。
本田 勝也(ほんだ かつや)
透の父親。故人。今日子の通っていた中学に教育実習生として赴任したことがきっかけで今日子と出会う。だが、教師にはならず、薬品関係の仕事につく。幼いころ病気で亡くなった母親のことが心の隅にあったかららしい。
クセのあるシニカルな性格だが、昔はもっとひねくれていたらしい。透の口調は勝也譲りだが、透自身はあまり父親の記憶がなく、この口調も母の言葉を元に覚えたもの。当時は父親と不仲で、いつしか厳格な父親やその周囲が満足する「自分」を形成することを覚えてしまい、そんな自分を今日子と同じように「さびしい」と思っていた。透がまだ幼い頃に出張先で風邪をこじらせ、若くして逝ってしまう。今日子と娘である透を心の底から愛していた。アニメには登場せず。
透の祖父
声 - 増岡弘
勝也の父。昔は周りから尊敬された教師だった。勝也、今日子を支え、透の唯一の理解者的存在となっており、本田家にとって重要な人物である。一時期、身寄りを亡くした透と同居していたが、娘家族に同居を誘われてから彼女らと暮らしている[3]。アニメでは透はありさに「じいさん似」と言われており、透そっくりの天然ボケを連発したりする。呆けはじめているように見せかけ、透のことを「今日子さん」と呼ぶが、これは彼なりに「今日子がいた」ということを繋ぎとめておきたかったためである。勝也とは蟠りがあったが、彼が今日子と出会ってからは少なからず解れたようである。
透の叔母家族
勝也の妹である透の叔母[4]と、透と年の変わらない長女、警察官志望の長男。祖父曰く「根が嫌な奴ら」で、元ヤンキーの今日子の娘である透を、厄介者としか見ていない。
花島 恵(はなじま めぐみ)
声 - 南央美
透の親友・花島咲の。透たちより3学年下である。咲のように電波は使えないが、相手の名前さえ分かればどんな呪いも簡単にかけられるらしく、特技は「呪詛返しを更に返す事」(もともと、咲をいじめた相手を倒すために覚えた特技らしい)。咲の良き理解者。
咲と自分は全然似ていないと思っているが、他人からは全くそう思われていない。姉同様、黒い服を好む。以前は姉に付き合って着ていただけだったが、今ではすっかり本人も気に入り、姉と同じくもう黒でないと落ち着かないらしい。まだ中学生だが精神的にはかなり達観しており、世渡り上手。オヤジ的な発言もするので、ありさ曰く「中学生らしくない」。透・ありさ・咲の3人が学校外で集まる時はボディーガードと称して彼も一緒のことが多い。好物は団子で、アニメでプリ・ユキが訪問してきた時も一人でおそらく相当な量を食べたと思われるシーンがある。
なお、アニメ版でプリ・ユキが花島家を調査して恐怖体験を味わうエピソード(第18話)は、当時話題になっていたホラー映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のパロディになっている。
咲の両親
咲・恵姉弟の父・母。異能の力を持つがゆえに苦しむ咲を深い愛情で護り続けた。親が子を拒絶する姿が度々描かれる本作品ではあるが、彼らは逆に親の無償の愛を示す姿として描かれた。父母共に温厚で、咲や恵のような特殊な力はない。夫婦間・嫁姑間の関係も非常に良好。咲に親友が出来、力のコントロールが可能になり周囲から迫害されることもなくなって、さあ一安心と思いきや、今度は彼女の学業への余りの関心のなさから呼び出しを受けまくるという多難な両親。
咲の祖母
咲・恵姉弟の父方の祖母。さばけた性格で、咲の黒マニキュアのアイディアを提案したのは彼女である。孫娘である咲が自分の力で苦しんでいることにもどかしさを感じていた。
ありさの父
妻(ありさの母)が浮気をして家を出てからは、酒びたりの毎日を送っていた。しかし、ありさが更生してからは自身も変わっていき、今では娘の三者面談にも顔を出すようになった。少しお茶目なところもある。
友田邦光(ともだ くにみつ)
声 - 長谷川俊介(まんがDVD版[1]
籍真の弟子で、秘書の役割もしている青年。籍真や夾の仲立ちをしたり、二人の理解者として近しい関係にある。籍真とは子供時代に出会い、その当時から慕い尊敬していたらしい。十二支たちの一部とも知り合っており、相手が依鈴であっても周りと同等の態度で接する。周囲の兄貴分的な立場にいることも多い。夾とともに、天然な籍真のツッコミ役でもあり、夾と彼の父親との間の内情も知っているが、草摩の人間ではないため十二支の呪いなどの秘密は知らない。
満(みつる)
声 - 岡村明美
愛称は「みっちゃん」。透からはみっちゃんさんと呼ばれている。紫呉の担当編集者。小柄で若い女性だが、紫呉が仕事を放り出してどこかへ逃亡するとすぐにパニックになり、自殺を図ろうとする。利律と性格がかなり似ており、初対面で彼と意気投合した。それからは彼と恋人として良好な関係を築いている。
倉前 美音(くらまえ みね)
声 - 高橋美紀
綾女の店で働いている従業員。眼鏡(伊達の可能性もある)を掛けた可愛らしい女性。いつでも明るく、笑みを絶やさない。いつもメイドの格好をしているが、アニメではその他の格好(ナース服や制服など)も気分によって着こなしていると語っている。可愛い女性を見ると、着せ替えをさせたくなる習性の持ち主で、透や透のクラスメイトが狙われ、結果透は彼女の被害に遭った。翔とも仲が良く、「副司令」と慕われている。綾女のノリについていける唯一の人間で、彼の良き理解者であると同時に恋人同士でもあり、同棲もしている。店長である綾女のことを「テンチョ」と呼んでいたが、綾女の呪いが解けてからは「アヤ君」と呼ぶようになる。
中尾 小牧(なかお こまき)
翔の彼女。おっとりとした雰囲気の優しい性格の少女。翔とは別の高校に通っている。
父親を事故で亡くしているが、その事故とは今日子が亡くなった交通事故であり、今日子の葬儀には翔と共に訪れている。好物はで、翔に勝手に「肉☆天使」なるあだ名をつけられてしまっている。かなり素直な性格で、翔から聞いた「家庭の事情で由希は男装をしている」という嘘を鵜呑みにしていた。親が留守がちのため翔の家(翔の家も親が留守のことが多い)によく出入りし、半同棲のような状態になっている。ちなみに実家はクリーニング屋。
翔の母
真知の母に負けまいと、翔をスパルタで教育してきたが、彼の本心を知ってからは更生。面食いの様子で、由希に会えなかった時はミーハーな発言と共に翔を責めまくっていた。
真知の母
翔の母以上に、真知をスパルタで教育してきた。プライドの高い人物で、いつでも真知に「完璧」であることを要請してきた。真知が息子(真知の弟)を殺そうとしたと誤解してからは、彼女を家から追い出す。作者によると、由希が真知と結婚するために彼女の実家に訪れた際に何か騒動があったらしい。
板長
声 - 矢部雅史
アニメオリジナルのキャラクター、かなりの猿顔。草摩が経営する旅館の調理を担当している。腕は確かだが、些細なことで取り乱し絶叫しながら謝罪するクセがある。利津の母とは従兄妹(または従姉弟)の間柄にあり、叫びながら謝罪するクセを由希は遺伝と考えていた。
モゲ太
作中で度々登場するアニメ作品「モゲ太」の主人公(?)。その他、単行本や劇場版の存在も確認される。いつもアリと一緒にいる謎の生命体。小中学生を中心に人気の様子で、杞紗と燈路もファン。劇場版では、敵によって洗脳されてしまっていた。性別は女の子。
アリタミス・ドンパニーナ・タイオス
「モゲ太」の登場人物。名前が長い為、「アリ」と略して呼ばれる。彼こそが主人公である可能性のほうが高い。家庭のストレスをぶつけてくる大人気ない敵といつも戦っている少年。モゲ太と一緒に冒険をしており、彼(彼女)の良きパートナー。守銭奴らしい。他にも、ヒロインらしき少女も存在が確認されるが、名前は不明。

十二支の呪いについて[編集]

単行本22巻で十二支の呪いについての謎が明らかにされたが、何故草摩家の一部の人間が物の怪憑きとなったのかなどの根本的な理由は明らかにされていない。

呪いの解けた理由らしい理由は明記されていないが、『元々弱まっていた』とのこと。紅野の呪いがある日突然解けたこと、本来は極端に年が離れていたり、欠けた状態で幾年も経つのが当たり前であった十二支が、珍しいことに大した年の差もなく作品内の代で全員揃っていたのもそのため(紫呉は「これが最後の宴会だから全員そろったのでは」と推測している)。

また、本来は龍(辰)の物の怪憑きは実際に龍の姿に変身するのに対し、はとりの変身がタツノオトシゴなのもそれが原因である。

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f 花とゆめ2012年24号』、白泉社、2012年11月。
  2. ^ 母の親戚も似た性格のうえ、由希も「遺伝子ってすごい」と言っているところから、利津につながる家系の特性と思われる。
  3. ^ 後述通り、娘夫婦一家を批判はしているが、自分の教育が甘かったと後悔しているような描写はない。
  4. ^ 亡き兄(透の父)にさえ肉親の情があった描写はない。