フルメタル・ジャケット
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| フルメタル・ジャケット Full Metal Jacket |
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|---|---|
| 監督 | スタンリー・キューブリック |
| 製作総指揮 | ヤン・ハーラン |
| 製作 | スタンリー・キューブリック |
| 脚本 | スタンリー・キューブリック マイケル・ハー グスタフ・ハスフォード |
| 出演者 | マシュー・モディーン ヴィンセント・ドノフリオ R・リー・アーメイ |
| 音楽 | アビゲール・ミード |
| 撮影 | ダグラス・ミルサム |
| 編集 | マーティン・ハンター |
| 配給 | ワーナー・ブラザーズ |
| 公開 | |
| 上映時間 | 116分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 英語 |
| 制作費 | $17,000,000 (概算) |
| 興行収入 | $46,357,676 |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| allmovie | |
| IMDb | |
『フルメタル・ジャケット』(Full Metal Jacket)は1987年のアメリカ映画で、ベトナム戦争を題材にした戦争映画である。監督はスタンリー・キューブリックであり、『突撃』(1957年)同様、明確な反戦を基調とした映画である。
原作はグスタフ・ハスフォードの小説『ショート・タイマーズ』(用語の意義としては『短期現役兵』)。邦訳『被覆鋼弾』(意味は弾体の鉛を銅などで覆った弾のことである。詳しくは弾丸の記事を参照のこと)。戦争という状況に直面した人間とその精神性を描いた作品。訓練教官をリー・アーメイが好演している。日本での公開は1988年3月。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] 概要
明確に二部に分かれた構成となっている。前半では海兵隊の訓練キャンプで新兵が受ける過酷な訓練、後半では彼らのベトナムでの行動が描かれる。
ベトナム戦争時、アメリカ海兵隊に志願した青年たちは、海兵隊訓練キャンプの教練課程で徹底的にシゴき抜かれることになる。キャンプの鬼教官・ハートマン軍曹の指導のもとで行われる訓練は、徹底的な叱責に加え「貴様らは蛆虫以下の存在」と罵倒され続けるという心身ともに過酷を極めるものだった。更に連帯責任による懲罰、訓練生の間で行われるいじめなど閉鎖的な空間で受ける社会的ストレスが次々と描かれていく。中には出征前に精神に変調を来たす者もいた。
厳しい訓練を耐え抜き一人前の海兵隊員となった彼らは、ベトナムへ送られる。テト攻勢の後、前線での取材を命じられた報道部員のジョーカーは、訓練所での同期であったカウボーイと再会し、彼の部隊に同行することとなる。ある日カウボーイたちは、諜報部から敵の後退を知らされ、その確認のために先遣される。しかし行軍中に指揮官をブービートラップで失った上に敵の狙撃を受け、部隊は混乱する。
ベトナム戦争を題材にした映画としては珍しく、ジャングルではなく都市部での戦闘を中心に描いている。
[編集] スタッフ
- 監督:スタンリー・キューブリック
- 音楽:アビゲール・ミード キューブリックの娘。
[編集] キャスト
- J.T.デイヴィス(ジョーカー):マシュー・モディーン
- 本作の主人公で、海兵隊員。皮肉屋で、その言動から「おふざけ野郎(ジョーカー)」と命名された。ハートマンからローレンスの補助を命じられる。高校時代広報部だったため、訓練後は星条旗新聞(米軍の準機関紙)の報道員となる(その際に軍曹に昇格)。いつも胸にはピース・マークのバッジを付けBornToKillと書かれたヘルメットを被っている(劇中、海兵隊大佐と思われる人物から『頭に殺し、胸に平和。変態好みの冗談か』と言われるシーンがある。また、翻訳者はこのヘルメットの文字を後述のように『生来必殺』と訳した)。
- レナード・ローレンス(微笑みデブ ゴーマー・パイル):ヴィンセント・ドノフリオ
- 渾名の由来は軍隊ドラマ『ゴーマー・パイル』の間抜けな主人公より。靴紐を結べないなど生活力に欠ける面があり、当初はヘマを繰り返して、その度にハートマンから厳しい指導を受ける。しかし、訓練中に射撃の腕を開花させ入隊時とは別人の様に成長して行き遂には訓練所の卒業となるが…。
- ハートマン:R・リー・アーメイ
- 後述。
- エヴァンズ(カウボーイ):アーリス・ハワード
- 海兵隊員。訓練所ではジョーカーと同じ班。テキサス出身で、ヘルメットには南部旗のステッカーを貼っている。H中隊第1小隊所属の下士官だったが、小隊長のウォーター・シノルスキー「タッチダウン」中尉が砲撃で戦死、次いで先遣隊隊長のクレイジー・アールがブービートラップによって戦死したことからH中隊先遣隊の上級下士官が自身であった為指揮を執る。
- アニマルマザー:アダム・ボールドウィン
- カウボーイの部隊の機関銃手(M60機関銃)。カウボーイの後退命令を拒否して、撃たれた仲間の救出を試みる。
- ヘリのドア・ガンナー:ティム・コルセリ
- ジョーカーたちがフバイへ向かうために乗ったヘリの搭乗員。ヘリからベトナム人を片っ端から撃ち殺すという、やや過剰な演出がされた。後述のとおり本来は彼がハートマン役を演じる筈であった。
[編集] 劇中で使われている音楽
- サーフィン・バード - The Trashmen
- 黒くぬれ(paint it black) - ザ・ローリングストーンズ
- ミッキーマウスマーチ
- ウーリー・ブーリー - サム・ザ・シャム・アンド・ザ・ファラオス
- Hello Vietnam - Johnny Wright (OPの散髪のシーンに使用)
- These Boots Are Made For Walking - Nancy Sinatra
[編集] ハートマン軍曹
作中のハートマン軍曹(Gny. Sgt. Hartman)は、サウスカロライナ州のパリス・アイランド海兵隊訓練所の訓練教官という設定。階級は1等軍曹。当初、訓練教官役の人物に演技指導をする予定だったリー・アーメイだが、その迫力が余りにも生々しく圧倒的だったため(本人ばかりか出身地や家族まで徹底的にこき下ろしてしまう罵言雑言に怒りだしてしまった役者もいたという)、自ら訓練教官を演じることになった。 なお原作小説では登場人物の名前の異なるものが多く、ハートマンも「ガーハイム砲兵軍曹」である。原作によれば、硫黄島の戦いにも参加していたという設定。
劇中で訓練生へのシゴキの際に数多くの印象的な台詞を披露した。世界中に熱狂的なファンが存在する。ただ台詞の半分は猥褻で下品なものが含まれる。行軍訓練における歌・台詞は日本でもファミコンウォーズのCMや野球の応援歌で使われ有名である。
[編集] 補足
- 訓練中に歌っている歌はmilitary cadence (en), cadence call または running cadence と言う。
- 他のキューブリック作品にも顕著なことだが、キューブリック自身が再翻訳をチェックするプロセスを採っているため、直訳のままでは外国人にわかりづらい言い回しの冗談がたびたび見られる(「あっちはジョン・ウェイン?こっちは僕?(ジョン・ウェイン気取りか?ふざけんなよというニュアンス)」など)。当初本作の翻訳は戸田奈津子が担当したが、台詞を柔らかめの表現で翻訳したため、再英訳を読んだキューブリックは汚さが出ていないとして拒否。急遽、当時ハリウッド在住だった原田眞人がキューブリックと直接連絡を取りつつ翻訳した。例えば「BORN TO KILL」を直訳の「殺す為に生まれてきた」ではなく「見敵必殺」または「生来必殺」等と翻訳している。原田は『時計じかけのオレンジ』ビデオ用字幕の新訳も手がけることになった。また同じような戦時下のベトナムが舞台でスラングが飛び交う映画『グッドモーニング・ベトナム』でも字幕翻訳を担当している。
- 本作では前半の訓練キャンプ描写が評判となっているが、原作小説では全体の1/5程度を占める部分にすぎない。
- 徹底的にリアルにこだわったキューブリック監督だったが、なぜか後半で使用するM16はMGC(日本のモデルガンメーカー。現在は倒産廃業)製のモデルガンである。
- 現在、実際の訓練最中に用いられる罵詈雑言の類は本作を凌ぐ過激なものになっている[要出典]。これらの罵声と下品な歌は、新兵たちの入隊前の人格や社会的地位に関係なく、全員を一旦役立たずの最低レベルの存在に貶め、そこから一人前の海兵に作り変えることを目的としている。
- アメリカとベトナムが舞台だが、イギリスで撮影された。よってベトナム戦争を扱った映画には珍しく、ジャングルでの戦闘がなく、主に市街戦が描かれている。
- なお本来ハートマンの役をする予定だった役者はベトナム人を片っ端から射ち殺すヘリの機関銃手を演じている。彼はどうしてもハートマンを演じたかったが聞き入れられず非常に不満だったという。そのためか短いシーンながらも「逃げる奴はベトコンだ! 逃げない奴はよく訓練されたベトコンだ!」、(よく女子供が殺せますね、という質問に答えて)「簡単さ、動きがのろいからな!」等の迷言を残し、アーメイに負けず劣らずの怪演を見せている。
[編集] 外部リンク
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