フリソデエビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
フリソデエビ
Hymenocera picta en train de retourner Fromia milleporella.JPG
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 軟甲綱 Malacostraca
: 十脚目 Decapoda
下目 : コエビ下目 Caridea
上科 : テナガエビ上科 Palaemonoidea
: フリソデエビ科 Hymenoceridae
: フリソデエビ属 Hymenocera
Latreille1819
: フリソデエビ H. picta
学名
Hymenocera picta
Dana1852
シノニム
  • Hymenocera elegans Heller, 1861
英名
harlequin shrimp

フリソデエビ Hymenocera pictaコエビ下目に属するエビの一種。太平洋インド洋サンゴ礁に生息する。通常はフリソデエビ属 Hymenocera には1種のみを認めるが[1][2]、2種に分ける場合もある[3]

第二胸脚が発達し、和服の振袖のように見えることからその名がついた[4]

形態[編集]

全長2-5cm[5]。雄は雌より少し小さい。第一触角と、第二胸脚の不動指が葉状に大きく拡大することが特徴である[6]

体は乳白色から白。中央から東太平洋に生息する個体は、黄色い縁のある紫のかった斑点を持ち、インド太平洋に生息する個体は、青い縁のある褐色のかった斑点を持つ。前者をH. picta 、後者をH. elegans として2種に分ける場合もある[3]

生態[編集]

水深1-20mで見られる[7]。体色は警戒色だと考えられているが、毒を持つことは知られていない。一夫一妻制であり、縄張りを持つ。交尾は雌の脱皮後に行われ、雌は100-5,000個の卵を産み、孵化まで保護する[5]

摂餌[編集]

ヒトデを専食する。小型で移動性の低いヒトデを好むが、通常はそれだけでは足りないため、オニヒトデのような大型のヒトデも襲う[8]。オニヒトデの天敵として、本種をサンゴ礁の保護に用いることも考えられている[6]。また、稀にウニも食べることが知られている[5]

本種は獲物としてアオヒトデを好むと考えられており、水槽内でこの種を用いた実験により狩りの様子が調べられている。狩りは雌雄のペアで行われる。まず、小型で素早い雄が獲物を発見し、ヒトデを裏返しやすくするために縁の管足を切り離す。雌がこれに加わってヒトデが裏返されると、第一胸脚にある小さく鋭い鋏脚を用いて外皮を切り裂き、体内の管足や生殖巣を引きずり出して食べる[6]

脚注[編集]

  1. ^ Fransen, C.; De Grave, S (2014), Hymenocera Latreille, 1819, World Register of Marine Species英語版, http://www.marinespecies.org/aphia.php?p=taxdetails&id=204637 2015年2月3日閲覧。 
  2. ^ Sammy De Grave, N. Dean Pentcheff, Shane T. Ahyong et al. (2009). "A classification of living and fossil genera of decapod crustaceans". Raffles Bulletin of Zoology. Suppl. 21: 1–109. 
  3. ^ a b Debelius, H. (2001). Crustacea: Guide to the World. Pp. 198-199. ISBN 978-3-931702-74-8
  4. ^ 峯水亮(著者) 武田正倫・奥野淳兒(監修) 『ネイチャーガイド 海の甲殻類』 文一総合出版2000年11月1日ISBN 4-8299-0164-0
  5. ^ a b c Harlequin Shrimp (Hymenocera picta) in MOIA”. 2015年2月3日閲覧。
  6. ^ a b c Prakash, S., and T. T. A. Kumar. (2013). "Feeding behavior of Harlequin Shrimp Hymenocera picta Dana, 1852 (Hymenoceridae) on Sea Star Linckia laevigata (Ophidiasteridae)". Journal of Threatened Taxa 5 (13): 4819–4821. doi:10.11609/JoTT.o3506.4819-21. 
  7. ^ Hymenocera picta in Sealifebase”. 2015年2月3日閲覧。
  8. ^ Glynn, P.W., Interactions between Acanthaster and Hymenocera in the field and laboratory. In: D.L. Taylor (ed.) Proceedings of Third International Coral Reef Symposium Vol. 1: Biology. Rosenstiel School of Marine and Atmospheric Science, Miami, Florida. pp. 209-216. 1977

外部リンク[編集]