リーグ・アン

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リーグ・アン Uber Eats
Ligue 1 Uber Eats
加盟国 フランスの旗 フランス
越境参加 モナコの旗 モナコ
大陸連盟 UEFA
創立 1932
1932-1933 (National)
1933-2002 (Division 1)
参加クラブ 18
リーグレベル 第1部
下位リーグ リーグ・ドゥ
国内大会 クープ・ドゥ・フランス
トロフェ・デ・シャンピオン
国際大会 UEFAチャンピオンズリーグ
UEFAヨーロッパリーグ
UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ
最新優勝クラブ パリ・サンジェルマン (2022-23)
最多優勝クラブ パリ・サンジェルマン (11回)
最多出場選手 ミカエル・ランドロー (618試合)
最多得点選手 デリオ・オニス (299得点)
テレビ局 フランスの旗 Amazon PrimeCanal+
日本の旗 DAZNTV5MONDE
公式サイト www.ligue1.com
2023-24

リーグ・アン(Ligue 1)は、リーグ・ド・フットボール・プロフェッショネル英語版 (LFP) によって主催されるフランスのプロサッカーリーグ。スポンサーシップにより、リーグ・アン Uber Eats(Ligue 1 Uber Eats)と呼称される。

1932年に創設され、かつてはディヴィジオン・アン(Division 1)と呼ばれていたが、2002-03シーズンに改称した。国外のモナコ公国からはASモナコが参加している[1][2]

最多優勝はパリ・サンジェルマンの11回。その後、サンテティエンヌの10回、マルセイユの9回、ナントモナコの8回、リヨンの7回と続く。最多連覇記録は、リヨンの2001-02シーズンから2007-08シーズンまでの7連覇[3]

概要[編集]

PSGカーン戦 (2004年)

フランスのリーグ・アンは、イングランドプレミアリーグスペインラ・リーガイタリアセリエAドイツブンデスリーガとともに、ヨーロッパの5大プロサッカーリーグを形成している[4]

リーグ・アンでは、20のチームがそれぞれ2回、互いの本拠地で試合を行い(ホーム&アウェイ方式)順位を決定する。シーズン終了後、リーグ・アンの下位とリーグ・ドゥの上位2チームずつが自動的に入れ替わる。リーグ・アン18位クラブとリーグ・ドゥの3位クラブは入れ替え戦を行い(ホーム&アウェイ方式)勝者が昇格する。なお、リーグ・アン18位クラブが勝った場合は残留となる。

2021年6月3日に行われたLFPの総会で、2023-24シーズンから18チーム制に移行することが正式に承認された。これを受けて2022-23シーズンのリーグ・アンは4チームが自動降格となり、リーグ・ドゥの昇格も2チームに限られる[5]

リーグの特徴[編集]

イングランドのプレミアリーグ、スペインのラ・リーガ、イタリアのセリエA、ドイツのブンデスリーガのように、UEFAランキングで1位を獲得したことはないため欧州最上位のリーグとは言えないものの、同ランキングでは常にこの4リーグの次位を占めるハイレベルなリーグである。近年の傾向として、国際大会では2003-04シーズンのUEFAチャンピオンズリーグASモナコが準優勝、同シーズンのUEFAカップではオリンピック・マルセイユが準優勝、オリンピック・リヨンも2003-04シーズンから3シーズン連続でCLベスト8に食い込むなど、特定のチームの活躍はあるものの、総じて定期的に上位に進出することが出来ずにいる。

また、国内リーグでは2000年以降リヨンが一時代を築いた一方で、資金力を持つビッグクラブが前評判通りの力を発揮することが出来ないケースが多く、2010-11シーズンにリーグ・アンの常連であったASモナコが降格したり、2011-12シーズンには数シーズン前まで2部にいたモンペリエHSCが優勝するなど、順位が予測しづらい混戦の時期が続いた。その後、2012-13シーズンからパリ・サンジェルマンFCが4連覇を果たした。

現在リーグ・アンでプレーする選手には、フランス代表ブラジル代表をはじめとする各国の代表選手が多数在籍しているほか、フランスが辿ってきた歴史的経緯からアフリカ系の黒人選手が非常に多いのも特徴のひとつである。将来を期待されている若手が多く、アフリカ系選手にも高い潜在能力を秘めた選手が多いため、かつてはオランダエールディヴィジと並ぶ登竜門リーグのような位置づけであった。

マイケル・エッシェンオリンピック・リヨン)、ディディエ・ドログバオリンピック・マルセイユ)、ロナウジーニョパリ・サンジェルマンFC)、エデン・アザールLOSCリール)らがリーグ・アンで研鑽を積み他リーグの強豪クラブへと移籍している。しかし、パリ・サンジェルマンの経営体制が大きく変わった2010年代以降は、各国の代表選手のリーグ・アン参入が目立つようになり、かつての登竜門リーグのようなイメージは払拭されつつある。

所属クラブ[編集]

2023-24シーズン

前年度最終順位順、カッコ内はホームタウン所在地。△はリーグ・ドゥからの昇格クラブ。
☆はUEFAチャンピオンズリーグ 2022-23出場、◎はUEFAヨーロッパリーグ 2022-23出場、□はUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ 2022-23出場

  1. パリ・サンジェルマンパリ)☆(グループリーグ)
  2. RCランスランス)☆(グループリーグ)
  3. オリンピック・マルセイユマルセイユ)☆(予選3回戦)
  4. スタッド・レンヌレンヌ)◎(グループリーグ)
  5. LOSCリールリール)□(プレーオフ)
  6. ASモナコモナコ
  7. オリンピック・リヨンリヨン
  8. クレルモン・フットクレルモン=フェラン
  9. OGCニースニース
  10. FCロリアンロリアン
  11. スタッド・ランスランス
  12. モンペリエHSCモンペリエ
  13. トゥールーズFCトゥールーズ
  14. スタッド・ブレスト29ブレスト
  15. RCストラスブールストラスブール
  16. FCナントナント
  17. ル・アーヴルACル・アーヴル)△
  18. FCメスメス)△

歴代優勝クラブ[編集]

シーズン 優勝[6][7][8] 2位 3位
1932-33 リロワ カンヌ
1933-34 セト フィヴ マルセイユ
1934-35 ソショー ストラスブール RCパリ
1935-36 RCパリ リロワ ストラスブール
1936-37 マルセイユ ソショー RCパリ
1937-38 ソショー マルセイユ セト
1938-39 セト RCパリ
1945-46 リール サンテティエンヌ ルーベ
1946-47 ルーベ=トゥールコワン スタッド・ドゥ・ランス ストラスブール
1947-48 マルセイユ リール スタッド・ドゥ・ランス
1948-49 スタッド・ドゥ・ランス マルセイユ
1949-50 ボルドー スタッド・ドゥ・ランス
1950-51 ニース ル・アーヴル
1951-52 ボルドー リール
1952-53 スタッド・ドゥ・ランス ソショー ボルドー
1953-54 リール スタッド・ドゥ・ランス
1954-55 スタッド・ドゥ・ランス トゥールーズ RCランス
1955-56 ニース RCランス モナコ
1956-57 サンテティエンヌ RCランス スタッド・ドゥ・ランス
1957-58 スタッド・ドゥ・ランス ニーム モナコ
1958-59 ニース RCパリ
1959-60 スタッド・ドゥ・ランス
1960-61 モナコ RCパリ スタッド・ドゥ・ランス
1961-62 スタッド・ドゥ・ランス ニーム
1962-63 モナコ スタッド・ドゥ・ランス スダン
1963-64 サンテティエンヌ モナコ RCランス
1964-65 ナント ボルドー ヴァランシエンヌ
1965-66
1966-67 サンテティエンヌ ナント アンジェ
1967-68 ニース ソショー
1968-69 ボルドー メス
1969-70 マルセイユ スダン
1970-71 マルセイユ サンテティエンヌ ナント
1971-72 マルセイユ ニーム ソショー
1972-73 ナント ニース マルセイユ
1973-74 サンテティエンヌ ナント リヨン
1974-75 マルセイユ
1975-76 ニース ソショー
1976-77 ナント RCランス バスティア
1977-78 モナコ ナント ストラスブール
1978-79 ストラスブール サンテティエンヌ
1979-80 ナント ソショー
1980-81 サンテティエンヌ ナント ボルドー
1981-82 モナコ サンテティエンヌ ソショー
1982-83 ナント ボルドー パリ・サンジェルマン
1983-84 ボルドー モナコ オセール
1984-85 ナント モナコ
1985-86 パリ・サンジェルマン ボルドー
1986-87 ボルドー マルセイユ トゥールーズ
1987-88 モナコ ボルドー モンペリエ
1988-89 マルセイユ パリ・サンジェルマン モナコ
1989-90 ボルドー
1990-91 モナコ オセール
1991-92 パリ・サンジェルマン
1992-93 [注釈 1] パリ・サンジェルマン モナコ
1993-94 パリ・サンジェルマン マルセイユ オセール
1994-95 ナント リヨン パリ・サンジェルマン
1995-96 オセール パリ・サンジェルマン モナコ
1996-97 モナコ ナント
1997-98 RCランス メス モナコ
1998-99 ボルドー マルセイユ リヨン
1999-00 モナコ パリ・サンジェルマン
2000-01 ナント リヨン リール
2001-02 リヨン RCランス オセール
2002-03 モナコ マルセイユ
2003-04 パリ・サンジェルマン モナコ
2004-05 リール
2005-06 ボルドー リール
2006-07 マルセイユ トゥールーズ
2007-08 ボルドー マルセイユ
2008-09 ボルドー マルセイユ リヨン
2009-10 マルセイユ リヨン オセール
2010-11 リール マルセイユ リヨン
2011-12 モンペリエ パリ・サンジェルマン リール
2012-13 パリ・サンジェルマン マルセイユ リヨン
2013-14 モナコ リール
2014-15 リヨン モナコ
2015-16
2016-17 モナコ パリ・サンジェルマン ニース
2017-18 パリ・サンジェルマン モナコ リヨン
2018-19 リール リヨン
2019-20 マルセイユ レンヌ
2020-21 リール パリ・サンジェルマン モナコ
2021-22 パリ・サンジェルマン マルセイユ
2022-23 RCランス マルセイユ

クラブ別優勝回数[編集]

クラブ名 回数 優勝年
パリ・サンジェルマン 11回 1985-86, 1993-94, 2012-13, 2013-14, 2014-15, 2015-16, 2017-18, 2018-19, 2019-20, 2021-22, 2022-23
サンテティエンヌ 10回 1959-57, 1963-64, 1966-67, 1967-68, 1968-69, 1969-70, 1973-74, 1974-75, 1975-76, 1980-81
マルセイユ 09回 1936-37, 1947-48, 1970-71, 1971-72, 1988-89, 1989-90, 1990-91, 1991-92, 2009-10
ナント 08回 1964-65, 1965-66, 1972-73, 1976-77, 1979-80, 1982-83, 1994-95, 2000-01
モナコ 08回 1960-61, 1962-63, 1977-78, 1981-82, 1987-88, 1996-97, 1999-00, 2016-17
リヨン 07回 2001-02, 2002-03, 2003-04, 2004-05, 2005-06, 2006-07, 2007-08
スタッド・ドゥ・ランス 06回 1948-49, 1952-53, 1954-55, 1957-58, 1959-60, 1961-62
ボルドー 06回 1949-50, 1983-84, 1984-85, 1986-87, 1998-99, 2008-09
ニース 04回 1950-51, 1951-52, 1955-56, 1958-59
リール 04回 1945-46, 1953-54, 2010-11, 2020-21
セト 02回 1933-34, 1938-39
ソショー 02回 1934-35, 1937-38
モンペリエ 01回 2011-12
RCランス 01回 1997-98
オセール 01回 1995-96
ストラスブール 01回 1978-79
ルーベ=トゥールコワン 01回 1946-47
RCフランス 01回 1935-36
リロワ 01回 1932-33

歴代得点王[編集]

国際大会での戦績[編集]

備考[編集]

表彰[編集]

全国プロサッカー選手連合英語版(UNFP)によって毎年開かれるアワードの中で、最優秀選手、最優秀若手選手、最優秀ゴールキーパー、最優秀監督、最優秀チーム(ベストイレブン)、最優秀ゴール(一般からの投票によって選ばれる)に賞が贈られる。

大会名[編集]

観客動員[編集]

2016-17シーズンの平均観客動員数は2万499人で、欧州のリーグで5位であった[9]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 1992-93シーズンはマルセイユが優勝したが、八百長が発覚したためタイトルを剥奪された。
  2. ^ フランス国内リーグでマルセイユの八百長が発覚したため、チャンピオンとして活動する権利を失った。

出典[編集]

  1. ^ http://www.uefa.com/teamsandplayers/teams/club=50023/profile/index.html
  2. ^ http://www.fifa.com/tournaments/archive/tournament=107/edition=4735/news/newsid=99547.html
  3. ^ 中道主義の傑作、ゼロ年代のオリンピック・リヨン◎サッカー世界遺産第17回”. サッカーマガジンWEB (2020年5月31日). 2023年5月23日閲覧。
  4. ^ 清水正典「スポーツ社会システムのトータルシステムマネジメント I -ヨーロッパチャンピオンズリーグの隆盛と社会的背景-」『吉備国際大学社会学部研究紀要』第18巻、吉備国際大学社会学部、2008年3月、83-93頁、NAID 1100066335682019年4月17日閲覧 
  5. ^ リーグ・アンが2023-24シーズンから18チーム制に!LFPが総会で正式承認”. ヤフースポーツ (2021年6月4日). 2021年6月4日閲覧。
  6. ^ “Palmarès”. Ligue 1 (Ligue de Football Professionnel). http://www.lfp.fr/ligue1/historique/palmares.asp 2010年6月5日閲覧。 
  7. ^ “Ligue 1 (ex-D1 jusqu'en 2001-2002)” (フランス語). French Football Federation. オリジナルの2010年5月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100501094130/http://www.fff.fr/palmares/2126.shtml 2010年6月7日閲覧。 
  8. ^ “Historique Classments” (French). Ligue 1 (Ligue de Football Professionnel). オリジナルの2009年4月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090417041410/http://lfp.fr/ligue1/historique/classement.asp?type_classement=&saison=1932%2F1933 2010年6月16日閲覧。 
  9. ^ 欧州最多の観客動員数はブンデスで平均4万2388人!一方で集客率トップは?”. footballchannel. 2019年4月17日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]