フラットコーテッド・レトリーバー
フラットコーテッド・レトリーバー(英:Flat-coated Retriever)とは、イギリスのイングランド原産のレトリーバー犬種である。
目次 |
[編集] 歴史
本種の直系の先祖であるウェイビーコーテッド・レトリーバーに更なる改良を加えて1900年頃に誕生した犬種である。強化された点はすばやさと賢さ、嗅覚などで、ウェイビーコーテッドの人気を保ちながら知名度を向上させ、広く知られるようになった。使役は主に撃ち落された鳥を回収(リトリーヴ)することで、水中でも陸上でも迅速且つ正確に回収作業を行った。もちろん、回収作業の際に鳥に歯型がつかないようにそっと咥える、ソフトマウスという技術も習得する事が出来る。この技術は遊びながら身につけていくもので、主人と川や野原でキャッチボールをしながら習得する。ソフトマウス習得用に使われるボールは特殊なもので、トゲの沢山ついたイガグリのようなのようなボールが使われる。これを強く咥えると口内に傷が出来て痛むため、次第に物をそっと咥えるように覚えていくのである。
1860年のバーミンガム・ショーに参加。当時はウェービー・コーティッドと呼ばれ、波状毛で体型的にもラブラドールとの差異も少なかった。時代が進むにつれ、波状毛が徐々に平滑毛に変わり、フラット・コーティッドと呼ばれるようになった。 祖先犬は小型のニューファンドまたはチェサピーク・ベイ・レトリバーの小型のものと思われているが、ラブラドールとカーリー・コーティッドによったという説もある。 当初は番犬として考えられていたが、その嗅覚がすぐれていたことから猟犬とすべく、重すぎる体重やバランスの改良がはかられ、犬種的な完成度が高められた。1864年の展覧会から他のレトリバーと区別されるようになった。 水中における鴨の運搬だけでなく、陸上においても獲物の回収犬として重宝がられている。 猟犬、家庭犬。
かつて作業犬として人気の高かったフラット・コーテッドであったが、ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーの誕生により人気を奪われ、第二次世界大戦によって頭数が激減してしまった。戦後はほぼ絶滅の状態にまで陥ってしまったが、1人のブリーダーによって犬種が保存され、頭数を回復して今日まで生き残ることが出来た。
現在は世界的な人気のある犬種で、多くがペットとして飼育されている。日本でもラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーの存在に隠れているものの人気の高い犬種で、毎年多くの国内登録が行われている。2009年度の国内登録頭数順位は136位中37位とかなり高順位であった。国内にも多くのブリーダーが存在し、およそ18~25万円ほどの値段で販売も行われている。
[編集] 特徴
- 頭部
- スカルは長めで、ほどよい形である。頭頂は平らで適当に広い。ストップはわずかにくぼんでいる。耳付きは高くなく、耳は大きすぎない三角形で頭のよこに接して垂れている。目は中位の大きさでアーモンド型である。目色は暗褐色かはしばみ色である。鼻はかなり大きく鼻孔開いている。鼻色は黒だが、レバー色のブラウン・コートの犬はブラウンである。顎は長く強く、獲物のウサギやキジを運搬するのに適していなければならない。咬み合わせはシザーズ・バイトが好ましく、レベル・バイトも許される。
- 頸
- 長く、しっかりしており、わずかにアーチし、スローティネス(のどのたるみ)はない。
- ボディ
- 胸は深く、中位の幅があり、充実している。背は短めだが強固である。肋骨は前方ではかなり平らで、次第に張り出し、胴の中央部では十分にアーチし、腰に近づくにつれて軽い感じとなる。腰は筋肉がよく発達している。
- 尾
- 太く、長くなく、トップラインの延長線上についている。垂れて保持し、背上にかかげることはない。
- 四肢
- 肩はよく後方に傾斜している。前肢はまっすぐで長い。後肢は大腿部は長く、筋肉に富み、バランスのとれたアンギュレーションで下肢につづく。指趾は丸く、堅くにぎり、パッドは厚く強い。
- 狼爪は除去する。
- 被毛と毛色
- 被毛は中位の長さで光沢があり、豊富である。フラットで寝ており、まっすぐでわずかにウェーブがかかっているのは許される。
- 毛色はブラックかレバー色に限られる。
- 犬がフル・コートにあたっている時期は、フロント、胸、前肢のうしろ、大腿、尾の下側は厚く、ふさふさしている。耳にも厚い毛がある。
- 歩様
- スムーズで、流れるような歩様。
- サイズ
- 体高は牡が 58㎝ - 61㎝、牝は 56㎝ - 59㎝。体重は牡が 25㎏ - 35㎏、牝は 25㎏ - 35㎏が望ましい。
- 性格
- しつけの飲み込みもとても早く賢いが、仔犬は3歳になるまでやんちゃなため初心者は手を焼く事もある。遺伝的にかかりやすい病気は股関節形成不全症である。運動量は多いが、仔犬の時期を乗り切れば飼育のしやすい犬種である。
[編集] 参考
- 『犬のカタログ2004』(学研)中島眞理 監督・写真
- 『日本と世界の愛犬図鑑2007』(辰巳出版)佐草一優監修
- 『デズモンド・モリスの犬種事典』デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年
- 『日本と世界の愛犬図鑑2009』(辰巳出版)藤原尚太郎編・著