フッ化白金(VI)

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フッ化白金(VI)
特性
化学式 PtF6
モル質量 309.1
外観 暗赤色固体
密度 5.21
融点

61.3 °C[1]

沸点

69.1 °C[1]

危険性
主な危険性 酸化剤 (O)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

フッ化白金(VI)(フッかはっきん ろく、: platinum(VI) fluoride)は、化学式 PtF6 で表される白金六フッ化物である。暗赤色の揮発性の固体で、暗赤色の気体となる。この化合物白金酸化数が+6である唯一の例である。4つのd電子三重項基底状態常磁性である。

PtF6 は強力な酸化剤かつ強力なフッ素化剤であり、最もよく知られているのはキセノンヘキサフルオロ白金酸キセノンにする反応である。この反応の発見(1962年)によって希ガス化合物の存在が証明された。この実験をキセノンではなく酸素で行うと、ヘキサフルオロ白金酸ジオキシゲニル ((O2)+(PtF6)-) ができる。

合成[編集]

PtF6 が初めて合成されたのはフッ素白金との反応である[2]。この方法は依然として使われている[3]

Pt + 3 F2 → PtF6

また、PtF6フッ化白金(V)不均化でも合成できる。フッ化白金(V)は塩化白金(II)のフッ素化で得られる。

PtCl2 + 3/2 F2 → PtF5 + Cl2
2 PtF5 → PtF6 + PtF4

その他の六フッ化化合物[編集]

他の元素による中性の六フッ化物もまた揮発性である。これには、オスミウムイリジウムロジウムルテニウムタングステンテクネチウム、そしてウランが含まれる。全て強力な酸化剤である。フッ化ウラン(VI)フッ化タングステン(VI)原子力およびマイクロエレクトロニクス産業にそれぞれ利用されている。主な元素団、硫黄キセノンセレン、およびテルルも分離できる六フッ化物を形成する。六フッ化硫黄はその立体障害のため極めて安定しており、不活性流動体として電子機器で絶縁体として使われている。しかし、類似化合物の六フッ化セレン六フッ化テルルは反応性が非常に大きい。

脚注[編集]

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  1. ^ a b Perry, Dale L. and Sidney L. Phillips. Handbook of Inorganic Compounds. CRC Press, 1995. ISBN 0849386713. Google Book Search Result
  2. ^ Weinstock, B.; Claassen, H. H.; Malm, J. G. “Platinum Hexafluoride” Journal of the American Chemical Society 1957, volume 79, pp 5832 - 5832. doi:10.1021/ja01578a073
  3. ^ Drews, T.; Supel, J.; Hagenbach, A.; Seppelt, K. “Solid State Molecular Structures of Transition Metal Hexafluorides” Inorganic Chemistry 2006, volume 45, pp 3782-3788.doi:10.1021/ic052029f

参考文献[編集]

  • Holleman, A. F.; Wiberg, E. "Inorganic Chemistry" Academic Press: San Diego, 2001. ISBN 0-12-352651-5.

外部リンク[編集]