フサアンコウ科

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フサアンコウ科
Chaunax stigmaeus.jpg
フサアンコウ属の1種 Chaunax stigmaeus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 側棘鰭上目 Paracanthopterygii
: アンコウ目 Lophiiformes
亜目 : アカグツ亜目 Ogcocephalioidei
上科 : フサアンコウ上科 Chaunacioidea
: フサアンコウ科 Chaunacidae
英名
Coffinfishes, Sea toads
下位分類
本文参照

フサアンコウ科学名Chaunacidae)は、アンコウ目アカグツ亜目に所属する魚類の分類群の一つ。ミドリフサアンコウなど、底生性深海魚を中心に2属14種が記載される[1]

分布・生態[編集]

フサアンコウ科の魚類はすべて海水魚で、太平洋インド洋大西洋など世界中の深海に幅広く分布する[1]。水深90mから2,000mにかけての大陸斜面海山を主な生息範囲とし[1]、日本近海からは少なくとも1属3種が報告されている[2][3]

特徴的なずんぐりした体型は遊泳には不向きで、岩礁および砂泥の海底でじっとしている姿がしばしば観察される[2][3]。誘引突起を利用した待ち伏せ型の捕食を行うとみられるが[3]、その他の生活史ついてはほとんどわかっていない。日本では底引き網延縄によって漁獲され、味醂干し鍋料理などに利用される[3]

形態[編集]

フサアンコウ属の1種(Chaunax pictus)。風船のような丸い体と細長い尾柄部が本科魚類の特徴である

フサアンコウ科の仲間は丸みを帯びた球状の体型をもち、皮膚は風船のようにぶよぶよとして柔軟性が高い[4]。ピンクやオレンジ、あるいは赤色を基調とした体色の種類が多く、体長は最大種で35cmほどになる[1]。体表はトゲ状あるいは細長い糸状の突起によって覆われる[4]。口は斜め上向きでほとんど垂直となり、顎・鋤骨口蓋骨に微小な歯を備える[4]

アンコウ目の魚類に共通した特徴として、背鰭の第1棘条に由来する誘引突起をもつが、他の棘条は欠いている[1]。頭部にはU字状のくぼみが存在し、誘引突起および擬餌状体を収納することができる[4]。背鰭および臀鰭の軟条はそれぞれ10-12本・5-7本で、腹鰭は小さく1棘4軟条からなる[4]。胸鰭はやや大きく腕のような形状をもつが[4]、近縁のアカグツ科ほどには発達していない。の開口部は胸鰭基底の後方に位置する[1]

分類[編集]

フサアンコウ科はフサアンコウ上科を構成する唯一のとなっている。カエルアンコウなどを含むカエルアンコウ亜目の仲間から本科を経て、アカグツ科(アカグツ上科)へと形態の特化が進んだものとみられている[5]

フサアンコウ科にはNelson(2006)の体系において2属14種が認められている[1]。本稿では、FishBaseに記載される16種についてリストする[4]

フサアンコウ属の1種(Chaunax stigmaeus)。大西洋西部に分布する種類。深海サンゴの遺骸の上で静止する姿が観察されている[4]
Chaunacops 属の1種(C. coloratus)。明るい色調の体色は本科魚類の特徴で、個体差による変異も大きい
  • フサアンコウ属 Chaunax
  • Chaunacops[6]
    • Chaunacops coloratus
    • Chaunacops melanostomus
    • Chaunacops roseus

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g 『Fishes of the World Fourth Edition』 p.253
  2. ^ a b 『潜水調査船が観た深海生物』 pp.370-371
  3. ^ a b c d 『日本の海水魚』 pp.142-143
  4. ^ a b c d e f g h Chaunacidae”. FishBase. 2010年10月23日閲覧。
  5. ^ 『日本の海水魚』 pp.144-145
  6. ^ Bathychaunax は本属のシノニムである(FishBaseによる)。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]