フォーマルハウトb

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フォーマルハウトb
太陽系外惑星 太陽系外惑星の一覧
Fomalhaut with Disk Ring and extrasolar planet b.jpg
2004年と2006年でのフォーマルハウトbの位置
主星
恒星 フォーマルハウト
星座 みなみのうお座
赤経 (α) 22h 57m 39.1s
赤緯 (δ) −29° 37′ 20″
視等級 (mV) 1.16
距離 25 ± 0.1 ly
(7.66 ± 0.04 pc)
スペクトル分類 A3V
軌道要素
軌道長半径 (a) ~115 AU
(~17300 Gm)
    ~1510 mas
近点距離 (q) ~103 AU
(~15400 Gm)
遠点距離 (Q) ~128 AU
(~19200 Gm)
離心率 (e) ~0.11
周期 (P) ~872 y
軌道傾斜角 (i) ~66°
物理的性質
質量 (m) 0.054 – 3 MJ
発見
発見日 2008年11月13日
発見者 カラスら
発見方法 直接撮影法
観測場所 ハッブル宇宙望遠鏡
現況 確認
他の名称
参照データベース
Extrasolar Planets
Encyclopaedia
data
SIMBAD data

フォーマルハウトb(Fomalhaut b)は、みなみのうお座の方向に地球から約25光年離れた位置にある太陽系外惑星である[2]。2008年にハッブル宇宙望遠鏡の撮影した写真により、A型主系列星フォーマルハウトの周囲を公転しているのが発見された[3]。フォーマルハウトbと、同時に発見が発表されたHR 8799の3つの惑星は、直接撮影により軌道の動きが明らかとなった初めての太陽系外惑星である。

発見[編集]

フォーマルハウトbは、フォーマルハウトから約115AU離れた軌道を公転している。これは原始惑星系円盤の内縁よりも約18AU内側にあたる[4]。惑星が発見されるまで、8年間に渡って系の研究が続けられていた[5]。 惑星の存在は、2005年にフォーマルハウトのダスト円盤に与える影響から推定された。恒星は円盤の中心から外れた位置にあり、円盤の内側の境界線は他の恒星に見られるものよりもくっきりしていた[6][7]。しかし、2004年から2006年にハッブル宇宙望遠鏡の撮った写真を利用して2008年5月にポール・カラスが検出するまで、惑星の位置は判らなかった[5]。NASAは、2008年11月13日にハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラで撮られた画像を用いた合成写真を公開した。この写真では、明るい外側の楕円のリングは塵のリングで、その内側のバンドは恒星の散乱光によるノイズを表している[8]

カラスは、「以前は見えなかった惑星を発見するのは、深遠で圧倒的な経験だ。5月末にフォーマルハウトbが恒星を公転していることを確信した時は、心臓発作になりそうだった。」と語っている[5]

太陽系とフォーマルハウトの惑星系の比較

フォーマルハウトbは可視光で直接発見された初めての太陽系外惑星だった。また、発見の前に予測された惑星としては海王星以来の撮影された惑星であり、塵のディスクとの相互作用から正しく予測された初めての惑星でもある[9]。これまでに直接観測された太陽系外の天体の中では、最も冷たく低質量の天体であるとも信じられている[10]

しかし、その後の赤外線の観測ではフォーマルハウトbは発見されず、フォーマルハウトbの存在を懐疑的に見る見方もある[11]。惑星に見える点は、小惑星や彗星の衝突によって発生した「塵の雲」という主張である[12]

物理的特徴[編集]

この惑星は、およそ木星と同じ大きさであると推測されており[5]、質量は最大で木星の3倍、おそらくは木星の0.5倍から2倍であると考えられている[7][13]。恒星から115AUの距離(海王星の3.8倍)を872年の軌道周期で公転している。フォーマルハウトは太陽の16倍の光度で、逆2乗の法則のため、海王星とフォーマルハウトbの温度は同程度である。

フォーマルハウトbは可視光で明るく赤外線で暗いことから、木星の半径の20倍から40倍の位置にがあると考えられている。これは木星のガリレオ衛星と似たような軌道であり、惑星の周りに衛星系ができる前の段階であると考えられている[3][5][7]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ NAME Fomalhaut b -- Extra-solar Planet Candidate, entry, SIMBAD. Accessed on line December 6, 2008.
  2. ^ Seth Borenstein (2008年11月14日). “Images captured of 4 planets outside solar system”. Associated Press via Google. 2008年11月14日閲覧。
  3. ^ a b Kalas, Paul; Graham, James R.; Chiang, Eugene; Fitzgerald, Michael P.; Clampin, Mark; Kite, Edwin S.; Stapelfeldt, Karl; Marois, Christian; Krist, John (2008-11-13). “Optical Images of an Exosolar Planet 25 Light-Years from Earth”. Science (American Association for the Advancement of Science). doi:10.1126/science.1166609. http://arxiv.org/abs/0811.1994 2008年11月20日閲覧。. 
  4. ^ Science Centric”. 2008年11月14日閲覧。
  5. ^ a b c d e Lewis Smith (2008年11月13日). “First pictures taken of planet outside the solar system: Fomalhaut b”. The Times. 2008年11月14日閲覧。
  6. ^ Kalas, Paul; Graham, James R.; Clampin, Mark (2005). “A planetary system as the origin of structure in Fomalhaut's dust belt”. Nature 435 (7045): 1067?1070. doi:10.1038/nature03601. arXiv:astro-ph/0506574. 
  7. ^ a b c Alexander, Amir (2008年11月14日). “Scientists Lay Eyes on Distant Planets”. Planetary Society web site. Planetary Society. 2008年11月14日閲覧。
  8. ^ APOD: 2008 November 14 - Fomalhaut b”. 2008年11月14日閲覧。
  9. ^ Predictions for a planet just inside Fomalhaut's eccentric ring, Alice C. Quillen, Monthly Notices of the Royal Astronomical Society, 372, #1 (October 2006), pp. L14?L18, doi:10.1111/j.1745-3933.2006.00216.x, Bibcode2006MNRAS.372L..14Q.
  10. ^ Exoplanets finally come into view”. BBC. 2008年11月14日閲覧。
  11. ^ アルマ望遠鏡の該当記事
  12. ^ ナショナルジオグラフィックスの該当記事
  13. ^ Yeager, Ashley (2008年11月13日). “Astronomers claim first snaps of planets beyond the Solar System”. Nature News. Nature Publishing Group. doi:10.1038/news.2008.1224. 2008年11月16日閲覧。

外部リンク[編集]