フォートマクマレー

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フォートマクマレー
Fort mcmurray aerial.jpg
(写真:フォートマクマレーの上空から)
標語We have the energy.
アルバータ州内の位置
アルバータ州内の位置
座標:北緯56度43分 西経111度22分
基礎データ
Flag of Canada.svg カナダ
Flag of Alberta.svg アルバータ州
行政区 第16区分
都市名 ウッドバッファロー
英語名 Regional municipality of Wood Buffalo
設立日 1870年
面積 35.00 km²
標高 海抜 370 m
人口 2006年[1]
 - 市域1 52,643 人(国勢調査)
 - 人口密度 0.8 人/km²
 - 市域2 64,441 人(市の統計2006[2]
時間帯 山岳部標準時(MST)、UTC-7
夏時間 山岳部夏時間(MDT)、UTC-6
郵便番号 T9H~T9K
市外局番 +1-780
公式サイト
フォートマクマレーの看板

フォートマクマレー(英語:Fort McMurray、またはFt. McMurray)は、カナダアルバータ州北東部に位置するウッドバッファロー内の一地区である。以前は市制であったことからフォートマクマレー市としても知られるが、合併により現在は単独の一都市ではなくなっている。街は特にオイルサンド産業とオーロラ観光で知られている。

歴史[編集]

18世紀後半にヨーロッパ人が入植するまでは先住民の中でもクリー族が多く見られた。オイルサンドの存在は地元の人々にすでに知られており、表層堆積物はカヌーの防水加工に使われていた。1778年にヨーロッパ人の探検家ピーター・ポンドがヨーロッパの毛皮需要のため、この地方に探索で訪れた。ピーター・ポンドはアサバスカ川クリアウォーター川のかなり南部から探検し、アサバスカ湖近くのアサバスカ川を交易所とした。彼の選んだ交易所は1788年に閉鎖となったが、これは現在のフォートチペワイアンとなり、アルバータ州で最も古くから今に続いている入植地にあたる[3]

1790年、オイルサンドに関する最初の記述がアレグザンダー・マッケンジーによって残された。この時期、クリアウォーター川とアサバスカ川の合流地点において、クリー族と探検家の間で交易が行われていた。また、この地方においてハドソン湾会社とノースウエスト会社が熾烈な競争を行っていた。1870年にハドソン湾会社によってフォートマクマレーは設立され、以降、交通の要所として運営された。

この地域はカナダの石油産業の歴史において重要な役割を担ってきた。20世紀初頭から石油探査が行われていたことが知られているが、人口は数百人からほとんど増加しなかった。1921年に、石油と砂を分ける精製工場の開発・発展が見られ、アルキャン石油会社が最初にフォートマクマレーでバルクのテストを行った。また、街近くにウォーターウェイと呼ばれる街が設立され、鉄道が開通する1925年までの間、水上輸送の終着地として機能した。

1930年代、最初にオイルサンドから石油を抽出することに成功した会社はアバサンズ・オイルだったが、生産量は非常に少ないものだった。この頃、人口が徐々に増えだし、第二次世界大戦時には1,100人を超えた。そして、アメリカ軍カナダ軍によってパイプラインと幹線道路を引く計画が進められ、フォートマクマレーはその足場となった。

1947年、フォートマクマレーとウォーターウェイズはマクマレー(村制)の名で合併した。歴史的な名称が反映される1962年まで「フォート」の名は省略された。村制から数年後に町制へと昇格し、州からの予算が増える。1966年には人口2,000人を越えた。

1967年、グレート・カナディアン・オイルサンド社(現在のサンコア社)がフォートマクマレーにプラントを開いたのをきっかけに街の経済は発展し始める。その後、オイルサンドのプラントが次々に建てられた。特に、政治的緊張と対立のあった中東における石油危機の影響を受けた1973年から1979年に多く建てられている。街の人口は1971年に6,743人となり、1981年には30,772人と劇的に増え、この翌年、市制となった。

原油価格が低迷し、石油不況となっても数年間は発展を続け、およそ37,000人で一度ピークを迎えたが、その後すぐ、1987年には34,000人へと減少する。1986年以降、原油価格は低迷を続け、コストのかかるオイルサンドの精製は、非経済的となり、オイルサンドの生産量は大きく減ることとなる。

1995年4月1日、フォートマクマレー市と第18改善地区とが合併し、ウッドバッファロー地域(特別都市)となる。以降、フォートマクマレーは市制としての地位を失い、同地域の都市部の地区名を指すようになる。同地域は単独の独立都市で行政もひとつに統一されているが、行政機関はフォートマクマレーにある。

地理[編集]

フォートマクマレーはエドモントンから北東に435km(270 mi)離れており、ハイウェイ63号線で結ばれている。サスカチュワン州の州境とは60km(37mi)の距離。針葉樹林に囲まれており、アサバスカ川クリアウォーター川の合流地点に位置する。海抜は370m。ウッドバッファロー市内(地域)では最大の地区である。

人口動勢[編集]

地区内の人口は、2006年の統計[4]で、6万4,441人。州内では5番目の人口規模をもつ。1999年より2006年の間で平均して毎年8.5%ずつ伸び続けている。ウッドバッファローの統計によると2012には10万人を超えると予測されている。

フォートマクマレーはカナダ国内や世界中から人々が集まってくるため、民族構成が豊かで、多文化な街になっている。地区内のおよそ半分がアルバータ州内から移住してきており、ニューファンドランド・ラブラドール州からは17%と続く。

気候[編集]

冬のビスタ・リッジの丘から

気候は湿潤大陸性気候ケッペンの気候区分:Dfb)に属し、亜寒帯気候よりわずかに温かい。夏は温暖だが短く、冬は長く厳しい。冬の気温はときおり −40℃(−22°F) 以下に達し、夏の7月には 35℃(95°F) 以上まで上がることもある。年間降水量は455.5ミリで、夏に雨が降りやすい。年間降雪量は155.8cm。

経済[編集]

カナダ国内とアルバータ州内における石油産出の中心地のひとつとして知られ、アサバスカ・オイルサンドの近くに位置する。オイルサンドに加え、街の経済は天然ガスパイプライン、林業、観光業で成り立っている。

また、石油産業によるブームを受け、住宅価格や賃貸価格が高騰しており、2006年ではアルバータ州内で最も高い[6]

観光[編集]

フォートマクマレーのオーロラ

石油産業の街であることを反映してオイルサンドの文化施設があるほか、歴史村、劇場などがあり、野外では魚釣りなども盛ん。また、オーロラベルトの最南端にあり、極北の鑑賞地と比べ温暖な上、晴天率も高いことからオーロラ観光も盛んである。

  • オイルサンド・ディスカバリーセンター[1]
オイルサンドの文化施設(資料館)。油田見学ツアーもある。
  • フォートチペワイアン博物館
アルバータ州内で最も古くから続く入植地フォートチペワイアンに関する小さな博物館。
  • ヘリテージパーク
フォートマクマレーの小さな歴史村。
  • キヤノ劇場[2]
キヤノ・カレッジにある劇場で、街の芸術、文化の中心地になっている。

交通[編集]

ハイウェイ63号線

空港[編集]

エア・カナダやエア・カナダ・ジャズ、エア・ミキソー、コーポレート・エクスプレス、インテグラ・エア、ノースウエスタン・エア、ウエストジェットカルガリーエドモントン、フォートチペワイアン、フォートスミス、レスブリッジ、ピースリバー、サスカトゥーントロントセントジョンズから定期便を運航している。様々な石油会社によっても法人向けやチャーター便が運航されている。短期労働者が多いことや人々はハイウェイ63号線の運転を避ける傾向にあるため、フライトの搭乗率が高い傾向にある。

市内交通[編集]

  • フォートマクマレー・トランジット(FMT)
フォートマクマレー地区内には公共交通機関があり、路線網は中心部から南北へと結んでいる[3]

長距離バス[編集]

グレイハウンド・カナダ社とレッド・アロー社がエドモントンとの区間をハイウェイ63号線に沿って運航している。

ハイウェイ[編集]

ハイウェイ63号線が主な幹線道路で、フォートマクマレーとエドモントンとを結んでいる。オイルサンド需要のため、このハイウェイは1kmあたりの輸送総重量がカナダ国内で最も多い。

鉄道[編集]

カナディアン・ナショナル鉄道(CN)によって運行されていた旅客列車は1989年に廃止された。

教育[編集]

フォートマクマレーにある小学校

フォートマクマレーでは公立校とカトリック校の学校区があり、小学校、中学校の義務教育を提供している。これに加えて私立の学校もある。

キヤノ・カレッジは公立の職業訓練校として設立され、特に楽器の修理とオイルサンドの労働者に教育の場を提供する役割を担っていることで知られる。

メディア[編集]

フォートマクマレー出身の著名人[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 2006 Community Profiles | Community highlights for Wood Buffalo (Regional municipality)”. 2008年5月22日閲覧。
  2. ^ Regional Municipality of Wood Buffalo. (2006) | 2006 Municipal Census”. 2008年5月22日閲覧。
  3. ^ The History of Fort McMurray
  4. ^ Regional Municipality of Wood Buffalo. (2006) 2006 Municipal Census
  5. ^ Fort McMurray Airport, Alberta” (English & French). Canadian Climate Normals 1971–2000. Environment Canada. 2013年2月3日閲覧。
  6. ^ Edmonton Journal - prices in Fort McMurray

外部リンク[編集]