フェラーリ・F512M

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フェラーリ・F512M
概要
製造国 イタリア
販売期間 1994年 - 1996年
デザイン ピニンファリーナ
ボディ
乗車定員 2名
ボディタイプ クーペ
駆動方式 MR
パワートレイン
エンジン F113G 4,943cc バンク角180°V12 DOHC
最高出力 440ps/6,750rpm
最大トルク 51.0kgm / 5,500rpm
変速機 5速MT
サス前 前/後:ダブルウィッシュボーン
サス後 前/後:ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,550mm
全長 4,480mm
全幅 1,976mm
全高 1,135mm
車両重量 1.455kg
系譜
先代 512TR
後継 550マラネロ
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F512M(Ferrari F512 M)は、イタリアの自動車メーカー、フェラーリが1994年から1996年に製造していたスーパーカーである。

概要[編集]

1971年に発表された365GT4BBから、512BBテスタロッサ512TRと続いてきた一連シリーズの最終発展形であり、フェラーリにおいてV型12気筒エンジンをリアミッドシップに搭載する最後のカタログモデル[注釈 1]となった。1994年から1996年にかけて501台が生産され、フロントエンジンの550マラネロに後を譲った。

車名は512TRの改良型ということから、イタリア語のModificata(:Modified、『改良型』の意)を略したMを末尾に付加して「F512M」となった。「512」は排気量5Lの12気筒エンジンを搭載していることを表している。

デザイン面では、フロントは512TRまで継承してきたリトラクタブル・ヘッドライトを廃して固定式に変更。リアはテスタロッサ以来の特徴であったルーバー越しのテールライトが他のモデル同様丸型4連に変更された。ボンネット左右に追加されたNACAダクトは、改良されたエアコンのコンデンサー冷却、室内へのフレッシュエアーの強制導入を増大させるもの。セミバケットタイプのシート、ダッシュボード、ドアトリム、その他に最高級コノリーレザーが採用された。フェラーリ故障診断テスターをフロントボンネット内に装着した。

シャシはチューブラーフレームで、素材はカーボンスチール鋼を基本とし、高い負荷のかかる部位には特殊クロームモリブデン鋼を用いている。シャシにスチールパネル(フロアパネル、ルーフ、リヤパネル、フロントフレームプロテクションおよびピラー)を溶接することによって強固なセンターセクション(車室内)を構成し、車両剛性の向上を図っている。フロントとリアのアンダーボディおよびリアウィングインナーパネル、エンジンベイ、ラゲッジコンパートメントはアルミ製。他のボディ各部、フロントとリヤのインナーフェンダー、フロントウィングアウターパネル、リヤエアーインテイクなどはファイバーグラス製。ドアはスチール製である。

エンジンは鍛造アルミ製ピストンを採用し燃焼室形状も一新。バルブスプリングは追従限界が10,000rpmというバリアブルピッチの物に変更。チタン製コンロッドを採用するなど軽量化が行われた。また、スピードライン製アルミホイール、4ピストンブレーキキャリパーも軽量化が行われ、BOSCH製ABSが装着された。

脚注[編集]

  1. ^ スペチアーレ(限定車)としては、その後もエンツォ・フェラーリラ フェラーリなどが登場している。

関連項目[編集]