フェラーリ・275
フェラーリ275(Ferrari275 )は、イタリアの自動車メーカーのフェラーリが一連の250GT系の後継車種として生産したロードスポーツカーである。ただしそれまで市販されていたフェラーリのロードカーがレースカーをベースに作られていたのに対し、最初からロードカー/グランドツアラーとして設計されているため、格段に遮音・断熱などが向上し快適に運転ができるようになった。総生産台数は約950台と推定されている[1]。
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[編集] 275GTB/GTS
| フェラーリ・275 | |
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275GTB
275GTS
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| 販売期間 | 1964年-1966年 |
| 乗車定員 | 2名 |
| ボディタイプ | 2ドア クーペ |
| エンジン | 3,285cc水冷60度V型12気筒SOHC |
| 変速機 | 5MT |
| 駆動方式 | FR |
| 全長 | 4,325mm |
| 全幅 | 1,725mm |
| 全高 | 1,245mm |
| ホイールベース | 2,400mm |
| 車両重量 | 1,100kg |
| 先代 | フェラーリ・250GTルッソ |
| 後継 | フェラーリ・275GTB/4 |
| -自動車のスペック表- | |
バリエーションが多く、ウェーバー6連キャブを搭載した275GTB/6C、アルミボディを採用した275GTB/Cなど枚挙に暇がない上、顧客のオーダーで様々な仕様が存在している。
ボディはいわゆるロングノーズ,ショートデッキで、全長×全幅×全高は4,325mm×1,725mm×1,245mmだが、スカリエッティ製のボディは大量生産ではないため細かい部分でディテールが異なり実寸も個体差が大きい。大きめのフロントグリル下の両脇にフロントバンパーが付く。トランクのヒンジ部分がボディ内部にある。車両重量は発表時1,050kgとされたが、実際は1,100kgを下回ることはないと思われる。
エンジンはジョアッキーノ・コロンボが設計したティーポ213。60度V型12気筒[2]、ボア×ストロークはφ77mm×58.8mm[3]、総排気量3,285ccで、ストロークはベースになった250GT系のものと同一である。バンクごとに1本ずつカムを持つSOHC、2バルブユニット。3基のウェーバー40DCZキャブレターが標準。圧縮比9.2から最大出力280仏馬力/7,600rpm[4]、最高トルク30.0kg-m/5,000rpmを発生する。それまでのフェラーリのエンジンには特殊なカップリングを用いた冷却ファンが採用されていたが、この275GTBから電動ファンが採用された。
トランスミッションはデファレンシャルギアと一体のトランスアクスルとし後軸位置に置くトランスアクスル レイアウトを採用[5]し、ハンドリングに関しては世界中から賞賛を集めた[6]。ポルシェシンクロによる5速+リバースで、ギア比は1~5速が3.075-2.210-1.572-1.250-1.104、最終減速比は3.555、最高速度は250km/h[7]と発表されていた。ボルグ&ベック(現ボルグワーナー)製[8]クラッチはエンジンの後端に取り付けられ、エンジン/クラッチハウジングとトランスアクスルは途中にベアリングを持つプロペラシャフトで連結されていたが、このプロペラシャフトのアライメントずれのため特定の速度域でバイブレーションによるフロアの共振が認められたため、1965年にプロペラシャフトを廃止しエンジン/クラッチハウジングとトランスアクスルをφ75mmのトルクチューブでリジットに固定して振動問題を解決[9]し、またシャーシ強度も向上した。リミテッドスリップデフを標準で装備する。トランスミッション/デフの潤滑はインプットシャフト後部に設けられた専用のオイルポンプで強制潤滑される。
ボディデザインはピニンファリーナで、製作はGTBがスカリエッティ、GTSがピニンファリーナと分担して行なわれた[10]。ボディの材質は、ボンネットとトランクリッドがアルミ製でそれ以外はスチール製。1965年にダウンフォースを増やすためノーズを延長するとともにエアインテークを改良し、最高速度が8km/h向上した[11]。
シャーシはそれまでの250GT系と同じく楕円のマルチチューブを溶接して組上げられたラダーフレームで、フェラーリのディーラー以外では適切なメンテナンスが難しい[12]。ホイールベースは2,400mm、トレッドは前後それぞれ1,400mm/1,420mm(後期型)となっている。
サスペンションは、ロードフェラーリ初となる4輪独立縣駆で、前後とも不等長アームによるダブルウィッシュボーンにコイル/アブソーバー・スタビライザーとブロンズブッシュの組み合わせ、アブソーバーはコニ製が採用されている。
ブレーキは四輪ともダンロップ製のキャリパーにソリッドディスク、真空倍力によるイタリア製サーボアシスト付、前後独立の油圧系統を持っている。ホイールが14インチと小さく大径ディスクを入れられないこと、役立たずのイタリア製サーボを採用したことから制動能力は不足しており、サーボやパッドを優秀なものに交換しない限りオーバーヒートやフェードに悩まされた[13]。サイドブレーキは独立したスウィングキャリパーをリアに備える。
ホイールはカンパニョーロ製のマグネシウム合金、サイズは前後とも、前期型が6.5L×14インチ、後期型が7L×14インチでセンターロック、オプションでボラーニ製のワイヤー/アルミホイールが選べた。タイヤは195HR14[14]。
これらの装備はレースカーからの技術フィードバックによるものが大きいが、ステアリングは250GT系から続くZF製ウォーム・アンド・ローラーで、ラック・アンド・ピニオンはまだ採用されていない。
[編集] 275GTB/6C
6基のウェーバーキャブレターを搭載したモデルで、最高出力は300仏馬力/7,500rpmに向上した[15]。
[編集] 275GTB/C
6基のウェーバーキャブレターを搭載しオールアルミ製ボディ。1965年ル・マン24時間レースにエキュリー・フランコルシャンからのエントリーでシャーシナンバー6885が出場し総合3位、GTクラスで優勝した。
[編集] 275GTB/4
| フェラーリ・275GTB/4 | |
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275GTB/4
NARTスパイダー
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| 販売期間 | 1966年-1968年 |
| 乗車定員 | 2名 |
| ボディタイプ | 2ドア クーペ |
| エンジン | 3,285cc水冷60度V12DOHC |
| 変速機 | 5MT |
| 駆動方式 | FR |
| サスペンション | ダブルウィッシュボーン+コイル |
| 全長 | 4,325mm |
| 全幅 | 1,725mm |
| 全高 | 1,245mm |
| ホイールベース | 2,400mm |
| 車両重量 | 1,100kg |
| 先代 | フェラーリ・275 |
| 後継 | フェラーリ・365GTB/4 |
| -自動車のスペック表- | |
1966年のパリ・サロンで発表された。
シリンダーブロックはSOHCモデルと同じでボア×ストロークも変更がないながら新設計のシリンダーヘッドを採用し、フェラーリのロードカーとしては初の4カム(DOHC)、かつドライサンプエンジンを採用した。バルブアングルはSOHCモデルの57度から54度へと狭められ、吸排気効率の向上と燃焼効率向上に寄与している。キャブレターは6基のウェーバー・ダウンドラフト40DCN-17ツインチョーク。圧縮比は9.8[16]で最高出力は300仏馬力/8,000rpm、最大トルクは30.0kg/6,000rpm。
ギア比は1~5速が3.076-2.119-1.572-1.250-1.038へと変更された。最終減速比は変わらず3.555のままだが、最高回転数が上がったため最高速度は発表値で268km/hへと向上した。
ボディは前期型に比べ約90mm長いロングノーズで、前期型に比べ小さめのグリルの両脇にバンパーを咥えたような造形になった。高くなったエアクリーナーをクリアするためボンネット上にバルジが設けられた。またリアウインドーが前期型より広く採られ、トランクのヒンジ部分が外部に出ている。
タイヤは205HR14に変更された[17]。
ステアリングはラック・アンド・ピニオン[18]。
1968年のパリ・サロンでフェラーリ・365GTB/4が発表され、その生産を終えた。生産台数は350台程と言われる。
[編集] 参考文献
- 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』辰巳出版
[編集] 脚注
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.021。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.015。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.015。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.021。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.014。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.019。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.021。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.019。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.021。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.019。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.019。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.019。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.019。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.020。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.021。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.015。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.020。
- ^ 『栄光の名車たちVOL.1 スーパープレミアム』p.015。
[編集] 関連項目
| フェラーリ ロードカータイムライン 1940年代-1960年代 Next -> | ||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タイプ | 1940年代 | 1950年代 | 1960年代 | |||||||||||||||||||||
| 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | ||
| FR | スポーツ | 125S | 166S | 195S | 212エクスポート | 225S | 250MM | 250モンツァ | 250GT ツールドフランス |
250GT SWB |
250GTO | 250LM | ||||||||||||
| 159S | 250S | 250 エクスポート |
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| GT | 166 インター |
195 インター |
212インター | 250ヨーロッパ | 250GT ヨーロッパ |
250GT ボアノ |
250GT エレナ |
250GT クーペ/スパイダー |
250GT ルッソ |
275GTB | 275GTB/4 | 365GTB/4 デイトナ |
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| 2+2 | 250GTE | 330GT | 365GT | |||||||||||||||||||||
| MR | ディーノ206 | |||||||||||||||||||||||
| アメリカ | 340 アメリカ |
375 アメリカ/MM |
410 スーパーアメリカ |
400 スーパーアメリカ |
500 スーパーファスト |
365 カリフォルニア |
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