フェネストロン

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EC120Bのフェネストロン
OH-1のフェネストロン
Ka-60のフェネストロン
MH2000のフェネストロン

フェネストロン(或いはファンテイル)は、ヘリコプターの回転翼の反動を打ち消すためのテールローターと同等の働きをするダクテッドファンである。原型はシュド・アビアシオン(現在はEADSの一部門のユーロコプター)によって考案された[1]

概要[編集]

従来のテールローターが2-4枚羽根であるのに対して、フェネストロンは不等間隔に配置された8-18枚の羽根で構成される。羽根の直径が小さいため、従来のテールローターよりも高速で回転する。そのため、音は高周波成分が多い。羽根が不等間隔に配置されているのは一定の回転域において共振しないようにして互いの振動を打ち消し騒音を軽減するためである。

フェネストロンは、ユーロコプターの商標である[2]。フェネストロンの名称は、現代フランス語で"小窓"を意味し、さらに語源を遡るとラテン語で"窓"を意味するFenestra(en)に由来する[2][3]

歴史[編集]

フェネストロンは、1960年代末にシュド・アビアシオンによって後のSA341 ガゼル、SA341/342であるSA340の試作2番機に初めて搭載された。シュド・アビアシオンがアエロスパシアルに合併され、現在のユーロコプターになるまでに数多くのフェネストロン搭載機が世界各地で使用されている。フェネストロンは、ユーロコプター EC 120, EC 130, EC 135(また、その用版のEC 635(en))やAS365 N/N3 ドーファン(同様にアメリカ沿岸警備隊ではHH-65Cとして幅広く使用される)、EC 155 スーパードーファン(AS365 N/N3シリーズの新型)や最近では小型のレシプロエンジン式のカブリG2(en)など、多くのユーロコプターのヘリコプターで見られる。

かつてはアエロスパシアルの特許だったが、現在は特許期限が切れたこともあり、その優位性が認められ、他社での採用が広がりつつある。2004年に中止されたアメリカRAH-66 コマンチや、ロシアKa-60日本OH-1MH2000などで使用される。これらユーロコプター以外のヘリコプターでは、フェネストロンではなくダクテッド・ファンテールローターと呼ばれる。

なお、フェネストロンを採用したヘリは、独特の音をたてる。

フェネストロンの優位性[編集]

  • ダクテッドファンであるため、効率が良い。
  • ブレードがダクト内に収まり露出部分が少ないため、地上の人や物に接触する危険性が低く、安全性が高い。
  • 外部からの障害に対して比較的強い。小石などを跳ね上げた場合でも接触する可能性が低い。
  • 騒音と振動が少ない。ブレードの端が覆われているので風切り音が抑えられる。不等間隔に配置された多数の羽根が振動の発生を抑える。回転数が速いため、騒音は従来のテールローターよりもやや高い音域である。
  • 操舵が効果的に行える。

欠点[編集]

フェネストロンの欠点の多くは、通常のプロペラに対するダクテッドファンの欠点である。

  • 同規模の場合、重量が重く空気抵抗が大きい。
  • 製造、購入費が高い。
  • 側面の面積が増えるため、横風の影響を受けやすい。
  • 搭載できる航空機の大きさに限界がある[4]
  • フェネストロン失速現象の疑惑がある[5]

出典[編集]

  1. ^ "History of the fenestron" Rotor Online, Eurocopter
  2. ^ a b Prouty, Ray, Helicopter Aerodynamics, Helobooks, 1985, 2004, pg 266
  3. ^ 30 Years of Innovation
  4. ^ "Must Helicopters Be So Noisy?" By Fred George, Aviation Week. 4 March 2011
  5. ^ The Helicopter Pilot's Handbook

関連項目[編集]

  • 他に以下の方法による反トルク打消し方法が存在する。