ファイヤーフォックス (映画)

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ファイヤーフォックス
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監督 クリント・イーストウッド
製作総指揮 フリッツ・メインズ
製作 クリント・イーストウッド
脚本 アレックス・ラスカー
ウェンデル・ウェルマン
出演者 クリント・イーストウッド
音楽 モーリス・ジャール
撮影 ブルース・サーティーズ
編集 ロン・スパン
フェリス・ウェブスター
配給 ワーナー・ブラザーズ
公開 1982年
上映時間 136分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語
制作費 2100万ドル
興行収入 4670万ドル
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キネマ旬報
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IMDb
  

ファイヤーフォックスは、クレイグ・トーマス原作の小説および、それを元に1982年に製作されたアメリカ映画。作中に同名の戦闘機が登場する。クレイグ・トーマスは、1976年ベレンコ中尉亡命事件にヒントを得て、この小説を一気に書き上げた。 なお小説の邦題は『ファイアフォックス』である。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] ストーリー

ソビエト連邦(ソ連)が、完璧なステルス性能を持ち、マッハ5で飛行でき、スイッチや操縦桿やボタンによらずパイロットが思考するだけで各種ミサイル機関砲を制御できるという、それまでの戦闘機を凌駕する高性能な新型戦闘機「MiG-31 ファイヤーフォックス」(なお現実のMiG-31 フォックスハウンドとは無関係)を開発したとの情報がNATOにもたらされる。

これにショックを受け、軍事バランスが崩れることを恐れたNATO各国は対抗する戦闘機の開発を検討するが間に合いそうもない。そのため、その技術を機体もろとも盗み出すことを決定し、ロシア語をネイティブで話し、考えることができる元米空軍パイロット、ミッチェル・ガントに白羽の矢を立てたのであった。

ソ連内のスパイと協力してファイヤーフォックスを盗み出すまでのサスペンス風のスパイ映画の前半部と、特撮を駆使した空戦アクション映画の後半部からなり、特に北極海の氷原を滑走路代わりに潜水艦から給油を受けるシーンや、追ってきたファイヤーフォックス2号機とのドッグファイトシーンは迫力があり、その中の台詞「ロシア語で考えろ」は、後々まで語り草となっている。

[編集] 映画

小説と映画では、若干、ストーリーが変更されている。

小説では、ベトナム戦争でのPTSDに悩まされるミッチェル・ガント、ソ連への潜入工作とそれを追い詰める刑事など、ドッグファイト以外のスパイ小説さながらの息詰る描写、心理にかなりの頁を割いていた。映画では、心理描写は大幅に簡略化されるとともに、ファイヤーフォックス搭乗後の活劇シーンに脚光が当てられ活動的な映画となった。

さらに小説では、ミッチェル・ガントはファイヤーフォックス秘密基地に潜入の際、ファイヤーフォックスのエースパイロットを殺害しており、ファイヤーフォックス2号機とのドッグファイトはリザーブパイロットとの戦いとなり、お互いに機体に不慣れな状態で戦う心理を巧みに描いている。

一方、映画では、クリント・イーストウッド扮するミッチェル・ガントはエースパイロットを殺害せずロッカーに閉じ込めるに止めている。その後のエースパイロットが操るファイヤーフォックス2号機とのドッグファイトにおいてファイヤーフォックスが失速した時、ファイヤーフォックス2号機に決定的な撃墜のチャンスがあったのにも拘らず攻撃せずに失速回復を待ち、再びドッグファイトを挑んでいる。

監督でもあるクリント・イーストウッドは、彼の往年の西部劇とも共通するフェア精神も込め、痛快な冒険活劇に仕上げた。

また、映画ではミッチェル・ガントとソ連兵士との会話はロシア語で行われており、クリント・イーストウッドのロシア語も見所のひとつである。ただし、直後のコンタルスキーとの会話や、ソ連人同士の会話は全て英語で行われている。ちなみに、この部分に英語字幕はなく、コンタルスキーへの説明で内容がわかるようになっている。

[編集] スタッフ

[編集] キャスト

役名 俳優 日本語版1 日本語版2
ミッチェル・ガント クリント・イーストウッド 山田康雄 山田康雄
ケニス・オーブリー フレディ・ジョーンズ 富田耕生 宮川洋一
ブッフホルツ デイヴィッド・ハフマン
パヴェル・ウペンスコイ ウォーレン・クラーク 内海賢二 麦人
セメロフスキー ロナルド・レイシー 城山堅
コンタルスキー ケニス・コリー 家弓家正 小関一
ウラディミロフ クラウス・ロウシュ 加藤精三 田中信夫
バラノビッチ ナイジェル・ホーソーン 徳丸完
書記長 ステファン・シュナーベル 藤本譲
ナタリア ディミトラ・アーリス 火野カチコ
クツゾフ アラン・ティルヴァーン 今西正男
翻訳:宇津木道子、演出:水本完、調整:山田太平
翻訳:木原たけし、演出:蕨南勝之 、調整:小野敦志
  • 吹き替え版の場合、音楽を変更している。特に最後ではオリジナルでは2号機撃墜後静かな曲が流れる(その後、出演者のテロップと共にメインテーマが流れる)この点を吹き替え版では撃墜直後、爆発確認後に明るいメインテーマが流れる。護衛艦のミサイルからの回避、ミサイル撃墜シーンでは明らかに曲がより大きく流れている。また、85年のTV放映版では、コンタルスキーが作業中のバラノビッチを間近で監視しているシーンや、書記長が基地に到着するシーン、そして1号機と2号機の空戦シーンに映画『ブルーサンダー』の劇伴が流用・追加されていた。

[編集] ソフトについて

これまでにリリースされたものとしては、レンタル・販売用VHS盤、廉価版VHS盤及びDVD盤が約125分で、LD盤のみ約137分となっている。

この125分版はアメリカのケーブルテレビでの放送用にイーストウッド自身が公開後に再編集したものだが、その後のアメリカでの販売ソフトではメディアを問わず全て137分版が使用されている(日本での劇場公開はオリジナルの137分版だった)。

これらの中で、ほぼオリジナル通りの(と思われる)137分ノートリミング版は1996年に2度目にリリースされたLD盤だけで、その後リリースされたDVD盤はノートリミングであるものの125分である(中国語、タイ語、インドネシア語などを含む8ヶ国語の字幕スーパー、約30分のドキュメント映像つき。わずかだがクレイグ・トーマスのコメントもある)。レンタルソフト店舗に置かれているDVDは、このバージョンのようだ。

125分版でカットされている主なシーンは、

  1. ガントの訓練シーン(数分間に渡る大幅カット)
  2. モスクワ警察のトルティエフ警部による捜査場面の幾つか
  3. ビリアルスクに向かう途中、検問所を出た直後のウペンスコイとの会話
  4. バラノヴィッチ博士の心情の吐露
  5. 奪取された直後、アンドロポフ議長とクツーゾフ空軍元帥が責任のなすりあいをして、書記長が止めに入るシーン

 であるが、2についてはテレビでの放映では逆にカットされていないことも多かった。また、カットされていなければ、1で、ガントが作戦の概要を全て明かされていないことに最初から不安を感じていたことや、3によって、とっつきにくい男ウペンスコイのガントへの気遣いがわかるようになっていた。

[編集] 続編

原作小説においては、その後ソ連領空を脱出したファイヤーフォックスが前作ラストのドッグファイト中の損傷から燃料漏れを起こし、そして燃料切れとなりフィンランドの湖に不時着した後の脱出行を描く『ファイアフォックス・ダウン』、『ウィンターホーク』、『ディファレント・ウォー』が作られ「ミッチェル・ガント4部作」と呼ばれるが、映画化されることはなかった。

[編集] 豆知識

  • 原作のみについて言えば、4年前にベレンコ中尉が亡命した、という下りがあり、また続編での記述などから、物語の時間軸は1980年の3月下旬か4月初旬で、本編及び『ダウン』も含めて1週間程度の期間だったと推測できる。また、機体はアメリカで分解されたと『ディファレント・ウォー』にわずかに言及されている。
  • 映画の中で、氷原にファイヤーフォックス1号機が着陸したのではないかと偵察に現れるヘリコプターは、ソ連海軍では使われていなかったミルMi-24ハインドのA型とおぼしき機体であるが、コックピットのアップシーンに使われているのは、ロイ・シャイダー主演の映画『ブルーサンダー』の主役ヘリコプターザ・スペシャルである。これはテレビやレンタルでのトリミングされた画面ではわからないが、1996年リリースのLD盤や近年リリースされたDVD盤などのノートリミング画面で、キャノピー後方に突き出たエアインテイク状の部分がはっきりと映っていることでわかる。
  • 劇中、ファイヤーフォックス1号機がミサイル巡洋艦から発射されたミサイルの撃墜や2号機を撃墜する際に機体後部から発射したものはミサイルではなく、対ミサイル妨害装置のフレアである。しかしながら実際にガント扮するイーストウッド自身は劇中終盤、「rearward missile」=「後部ミサイル」と呼んでおり、字幕、TV吹替共に「後部ミサイル」と訳されている。そのため、「なぜ1号機と2号機は後方につかれたときにすぐ使わなかったのか」という矛盾を生んでいる。劇中中盤、バラノビッチ博士は機体の装備の説明時、「rear defence pod」=「後部防御装置」と言っており、「炎の爆発によってミサイルを倒す」と英語では説明している(日本語字幕ではここもミサイルとしてしまっている)。2号機が撃墜されたのは後方につかれて絶体絶命となったガントが苦し紛れに放った1号機のフレアを誤ってエアインテークに吸い込んでしまったからであり、原作において詳しい説明(特に続編である『ファイアフォックス・ダウン』に)がなされている。
  • 実物大セットとコックピット撮影セットとでは座席の形が違う。与圧服の設定まで再現しているが、どちらもシートベルトがない。
  • 作中のKGB議長ユーリ・アンドロポフは映画の日本公開時には既に共産党書記長になっていた。就任後間もない書記長の知名度は高かったらしく、アンドロポフが名指しで叱責されると客席に笑いが起こった。
  • LDゲーム化もされ、テレビゲームの老舗・重鎮であるアタリとしては珍しく、業界最後発組で登場している(アタリショックの影響による遅れもある)。LDゲームとしては人気が高かったが、日本ではLDゲーム自体は短命に終わった。詳細は「レーザーディスクゲーム」を参照。
  • ネットで検索をすると、この映画やMiG-31そのものについてなどのホームページや有志による紹介記事、模型等の販売に辿り着き、今もなお熱烈なファンに支持されていることが窺える。また、海外のサイトを丹念に検索すれば、ファンが入手したらしい映画製作時の写真なども見つけることができる。
  • コックピットキャノピーが曲面ガラスを採用していないが、正面を向いていることから、ステルス性能を意図したものではなく、単なるセットの費用を下げるために平面ガラスを用いていることがわかる。この他垂直尾翼、吸気口の形状もステルス性を考慮していない。

[編集] 外部リンク