ファイアーエムブレム 封印の剣

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ファイアーエムブレム 封印の剣
ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 ゲームボーイアドバンス[GBA]
開発元 インテリジェントシステムズ
発売元 任天堂
シリーズ ファイアーエムブレム
人数 1人(通信闘技場は2 - 4人)
メディア ROMカセット
発売日 日本の旗 2002年3月29日
売上本数 34万5574本[1]
その他 マルチカートリッジプレイ対応
アドバンス専用通信ケーブル対応
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ファイアーエムブレム 封印の剣』(ファイアーエムブレム ふういんのつるぎ)は、ファイアーエムブレムシリーズ第6作目として任天堂から2002年3月29日に発売されたゲームボーイアドバンス用ゲームソフト。

なお、本作はシリーズの生みの親加賀昭三離脱後の初作品である。

ストーリー[編集]

かつて、エレブ大陸には人と竜が暮らしていた。両者は互いの領域を侵すことなく平和に共存していた。しかし、人の突然の侵攻によってその均衡は破られる。後に「人竜戦役」とよばれる戦いである。互いの存亡をかけた争いはエレブ全土を荒廃させた。長く続いた戦いの末、人は「神将器」を操る「八神将」の力で竜を滅ぼし、遂に大陸の覇権を手に入れた。

それからおよそ千年の後、エレブ大陸は華やかで洗練された文化を持つ西の「エトルリア王国」、派手さはないが堅実な文化と強力な軍隊を持つ東の「ベルン王国」、この二大勢力に挟まれるように存在する小勢力達。これらの微妙なバランスによって世界の安定が保たれていた。

ところが、その安定が突然崩れた。東の大国ベルン王国が国王ゼフィールの命の下、各地へと侵攻を開始。サカ、イリアは瞬く間に平定された。これに対し、大陸南方の小勢力の一つ「フェレ家」の嫡男ロイは病気の父に代わりフェレ軍を率いて立ち向かう。その途上、ベルン国王ゼフィールの異母妹、王女ギネヴィアと出会い、やがて彼の辿る運命が大陸全土を巻き込むものとなっていく……。

概要[編集]

いままでの据え置き型ハードから携帯型ハードへと移行し、万一電源が切れてしまってもその時点から再開できる「オートセーブ機能」が追加されたため、ゲームボーイアドバンスの電池残量を気にせずプレイできる。オートセーブはマッププレイ中のみであり、進撃準備などでは適用されない。また、トライアルマップの出現により、クリア後も長く楽しめる作品となった。キャラクターデザインは金田榮路

ゲームシステムについて
前作までのスキルシステムやランダム再行動システムに捕獲システムなどを廃止し、基本的な戦術システムは『紋章の謎』と同様に簡潔なものとなった。
剣・槍・斧および理・光・闇魔法の3すくみや、『トラキア776』から追加された「かつぐシステム」などは残された。
『聖戦の系譜』から採用された騎馬ユニットの再移動の条件が、村訪問時・アイテム交換時、救出時のみとなった。
救出時の能力低下が技と速さのみになった。
『トラキア776』における策敵マップでは、味方の可視範囲外では地形すら見ることができなかったが、今作以降の策敵マップでは地形効果は見ることができるようになった(敵はもちろん見えない)。また、今作までは策敵マップであっても敵の総数を確認することができる。
『トラキア776』では間接攻撃をミスしても武器の耐久が減ったが、今作以降は武器に関しては減らず、魔法をミスしたときにのみ減るようになった。
本作より味方がすべて行動終了すると自動的に敵ターンになるオートターンエンド、攻撃時のデータがダメージと2回攻撃か否かだけわかる簡易版と、従来型の攻撃力や防御力・攻速などが表示されるものか選択できるようになった。なお簡易版では武器の耐久が残り1回であってかつ2回攻撃が可能であっても2回攻撃とは表示されないが、1回目をミスしたときにはちゃんと2回攻撃できる。この点は『蒼炎の軌跡』以降改善される事となる。
体格が固定パラメータとなり、クラスチェンジやアイテム以外では上がらなくなった。にもかかわらず、体格で攻速の計算をするため、体格の低いキャラは重い武器を扱いづらい。この点は、『蒼炎の軌跡』以降で改善されることとなる。
ストーリーの分岐について
ある特定の条件をクリアすることで進める「外伝章出現システム」を採用。外伝章のみで入手できる特殊なアイテムを全て集めたか否かでストーリー展開が決まるようになった。同じく外伝章を取り扱った『トラキア776』があくまで「おまけ」のステージであったのに対し、このゲームでは外伝を通らなければ、真のエンディングに到達することはできない。
さらに、一部のユニットの成長状態や2つある村のどちらを訪問したかを条件として分岐する章もあり、分岐したシナリオで仲間になるキャラや手に入るアイテムも異なってくる。
傷薬が、従来型の10回復するものと全快するものに分けられた。
エンディングは大きく分けて3通りある。さらに細分すると5通り(ある条件を達成しないと終章未到達でクリアーとなる。終章まで到達した場合は、ある特定キャラクターの生死で2パターン、そのキャラクターの支援効果がAを達成したかで2パターン)の変化がある。
支援会話システムについて
聖戦の系譜』から採用された、一定の条件を満たした特定のキャラクター同士が近くにいればその間はお互いの能力が向上する「支援効果システム」をアレンジしている。支援効果を発生させる相手をキャラクターごとに決められた数人から選択できるように変更され、支援レベルがC~Aへと上昇するにしたがって、より効果が高まるようになった。また、本作から「属性」というパラメータが取り入れられており、各ユニットの持つ属性によって支援関係で得られる効果に違いがある。属性は炎、雷、風、氷、光、闇、理の7種類があり、3すくみのような優劣関係はない。今作では1章あたりに上昇する友好ポイント(これが一定に達すると支援が可能になる)の総和に上限があるため、組み合わせを計画しないと、適当に支援を組み合わせようとしても友好ポイントが上昇しないこともある。これは次回作では上限がなくなっており、改善されている。
キャラクターに支援効果を付けるには一定の条件を満たした後に「支援会話」イベントを発生させなければならず、支援レベルの上昇にともなって会話もより親密なものになっていくので、彼らの絆の深まりがテキストだけではなくゲームプレイの面でも実感できる。ほかにも、支援会話イベントで彼らそれぞれの意外な一面を垣間見ることもあり、キャラクターたちへの愛着やゲーム世界の広がりを感じさせる。
難易度について
チュートリアルモードが追加され、携帯機でのファイアーエムブレム第1弾ということもあってか、難易度は過去の作品に比べれば初心者向けレベルにあるとされるが、GBAの主な購買層である低年齢層など、シリーズ初プレイヤーからはクリアできないとの抗議も寄せられたという。全体的なゲームバランスとしては、『暗黒竜と光の剣』並みと評価されることが多い。
一度クリアした後に追加される「ハードモード」では、敵ユニットの強化や増援部隊の出現数増加などがなされ、かなり手ごたえのある仕上がりになっている。ちなみに、敵から寝返るユニットの能力も(レベルは同じなのにもかかわらず)強化されているため、仲間になって以降も強力なことが多い(プレイヤーの間では俗にハードブースト現象とよばれる)。
また、ハードモードでは進撃準備での武器屋が存在せず、アイテムの売買が不可能となっている。
今作では味方ユニットの各クラスごとすべてに男女のキャラを作るという構想があったそうで、多くのクラスにおいて男女両方のキャラクターが仲間になる。このため、編成を男性のみ、女性のみで編成してもそれなりにバランスの取れた編成を行うことができる(戦士系ユニットのような男性専用職、ペガサスナイト・トルバドールといった女性専用職などは存在する)。
武器レベルについて
武器レベルは、『トラキア776』のように使った回数によって成長するシステムをとっており、キャラクターやクラスによって初期値が異なる。EからAまでのアルファベットにSを加え、Sが最大、アルファベットの順番が前であるほどレベルが高い。ワンランク上がるには武器の種類にかかわらず同じ回数だけ使用する必要があるが、とどめをさすと2倍武器経験が上がる。最大レベルは下級職ではA、上級職ではSであり、クラスチェンジ時に下級職から使っていた武器レベルは基本的にワンランク上昇(AならばS)に、使えなかった武器のレベルはEとなる。武器レベルを最大にしてもボーナスなどとくにメリットはなく(強いて言えば神将器が使える)、また、1キャラで使えるすべての武器レベルをSにすることができる。
闘技場について
闘技場については細かな仕様が変更され、GBAシリーズを通して基本的システムは同じである。敵の武器は基本的に味方の防御(魔防)に依存し、これが高いほど強い武器を使ってくるが、闇魔法使いはミィル固定である。また、一部敵は能力の限界を突破するなどの強さをもっている。特に、フィンブルを装備したヴァルキュリアは異常な強さを誇り、速さが相当高いキャラですら追撃を食らうなど、攻速が限界を突破しているのではないかと言われた。
武器の場合は銀>鋼>鉄であり、理魔法ではフィンブル>エルファイアー>サンダー>ファイアー、光魔法ではディヴァイン>ライトニング、闇魔法はミィルのみである。
戦闘の流れは味方が1回攻撃(たとえ2回攻撃できても)、敵が攻撃(2回攻撃できる場合は2回)、味方が2回攻撃できる場合は2回だが1回目で1ターンとなっており、この間にキャンセルした場合は味方が1回攻撃してからキャンセルとなる。敵に2回攻撃される場合でも、最低2回は攻撃に耐えきらねばキャンセルできない。後述のキャンセルを応用したテクニックを用いれば有利に戦える。基本的に速さが高く防御が高すぎないキャラが有利であるため、剣士系は斧使いに対して3すくみの関係上も速さの関係でも有利であるのに対し、アーマー系などは3すくみで有利な剣使い相手でさえ銀系武器で高確率で2回攻撃されるなど、闘技場向きではない。
複数武器を使えるユニットは使ってくる武器が固定されており、ソシアルナイト、ドラゴンマスター、ファルコンナイト、ジェネラルは槍、パラディン、勇者は剣、ウォーリアは斧、遊牧騎兵は弓を必ず使ってくる。
味方で使える武器が複数あるキャラの場合、その時点で武器レベルが最も高い武器を用いる。すべての武器レベルが等しい場合は、剣>槍>斧>弓の優先順位で使う武器を選択する。闘技場で使いたい武器を選択したい場合、武器レベルを調整しておく必要がある。使える武器は最弱(武器は鉄系、魔法はファイアー、ライトニング、ミィル)である。
敵のレベル・種類・武器が表示された段階でリセットすれば闘技場に入る前からやり直せるうえ、入ってキャンセルして入り直した回数によって出てくる敵が固定されているため、自分と有利な敵が出てくるまでリセットを繰り返す方法が横行した。また、Bボタンを押せばキャンセルできるが、ここでも間違ってBボタンを押してしまった場合、リセットすればその直前の戦闘からやり直すこともできる。これはGBAシリーズを通して有効である。
また、神将器を装備すると能力が上昇するが、この補正は闘技場でも有効である。たとえば、デュランダルを装備すると力が+5されるが、闘技場でも攻撃力が5上昇したまま戦うことが可能である。
闘技場コマンドの上に支援コマンドが表示されるため、支援が発生するキャラを回復役と闘技場をプレイするユニットとして使用している場合、操作ミスで支援を行なってしまう事故が起こりやすい。これはGBA版を通して一切改善されていない。
クリア後について
クリア後、エキストラミュージックルームの追加、クリアしたセーブデータからプレイできるトライアルマップなど、クリア後の特典も充実している。
ミュージックルームは出現すれば最初から全て視聴できる。
トライアルマップとはクリアデータを元にプレイできる特殊マップであり、クリアすると各種評価も得られる。経験値は入らない。トライアルマップ用にキャラを育成する、アイテムを揃えるなどの本編のプレイも楽しめる。
トライアルマップでは、クリア回数に応じて使えるトライアルマップ専用キャラがおり、シナリオ中では敵ユニットだったゼフィールやナーシェン、次回作で活躍するエリウッドやヘクトルも使うことができる。しかし、専用キャラとマップをすべて出現させるには、最低1回ハードモードを最後までクリアすることを含め、計9回クリアしなければならない。
隠し設定
隠しとして、玉座には魔防を5上げる効果がある。
通信闘技場
シリーズ初の通信対戦機能が追加された。プレイするには最初の章以降のクリアデータが必要であり(本編そのものをクリアする必要はない)、最初の章のデータを作っただけでプレイしていない状態では不可能である。
プレイヤーは本編のデータを元に1人から最大5人のユニットからなるチームを作り、2人から4人で対戦することができる。チーム名にはカナと英数、一部漢字が使える。チームは複数作ることができ、削除することもできる。自分のチーム同士で2チームから4チーム(重複可)で戦うこともできるが、この場合プレイヤーが操作できるのは1チームだけであり、残りはコンピュータが操作する。各ユニットには最低1つ以上の使用可能な武器を持たせる必要があり、持たせないと出撃できない。武器の耐久は無限となり、どちらかが倒れるまで戦える。当然、戦闘能力のない僧侶などは出撃できない。また、マムクートも竜石があっても出撃できない。きずぐすりや杖、遠距離魔法などを持たせても使用できないが、リザイアによるHP回復は可能である。
対戦はターン制であり、各チームが1ターンにつき1人だけ相手を攻撃できる。3チーム以上の場合でも自分以外の全員を攻撃できる。戦闘が終了すると与えたダメージなどによりポイントが入る。基本的に相手の反撃を受ける距離での攻撃が優先され、魔法でも相手が直接攻撃武器を装備しているなら直接攻撃しなければならない。弓で直接攻撃武器しか持っていない相手であれば、反撃されないが自分が逆に攻撃されると反撃できない。
こうして戦いを進めていき、1チームを除いて全員が全滅すると対戦終了であり、ルールに応じてランク付けされる。通信対戦の場合、ランキングが各カートリッジに記録される。
ルールは細かな設定が可能であり、武器を最低ランクのものしか使えなくする(それより強い武器も強制的に最低ランクになる。オフにすると戻る)、ポイントではなく生死により勝敗を決する(最後まで生き残ったチームが勝ち)、敵の能力などを直接攻撃するまでわからなくするなどの設定ができる。GBAシリーズを通して対戦機能が搭載されているが(基本システムは封印の剣と変わらない)、同じソフト同士でないと基本的に対戦できない。余談だが、『新・暗黒竜』ではマップ上で対戦できるようになった。

本作発売より少し前の2001年11月21日に『大乱闘スマッシュブラザーズDX』が発売された際に、本作の主人公ロイが出演(声優は福山潤、海外版で同)。任天堂ゲームの中では比較的地味だったファイアーエムブレムシリーズが有名になると同時に、本作よりファイアーエムブレムを触るという人が多かった(本来、大乱闘スマッシュブラザーズDXと封印の剣は同時期発売予定だったが、封印の剣が発売延期になった)。

また、集英社とタイアップしており、発売とほぼ同時に『月刊少年ジャンプ』でアナザーストーリー『ファイアーエムブレム 覇者の剣』(原作:井沢ひろし/漫画:山田孝太郎)が連載された。『覇者の剣』は格闘アクションの要素が濃い少年漫画になっている。 なお、封印の剣にメインパーティ(アル、ガント、ティーナ)の話とその名が付いた武器が登場したり、『烈火の剣』においてティーナの領地タニアがマップに存在していたりと、ゲーム本編とのクロスオーバーが見られる。

2003年4月には、本作の20年前を描いた『ファイアーエムブレム 烈火の剣』が発売された。

地理[編集]

エレブ大陸
本編の舞台。全容はヨーロッパを模していると思われる。大陸西方の海には「西方三島」、南方の海には「魔の島」の異名を持つ「ヴァロール島」がある。
大陸北部は「イリア」とよばれる寒冷の地、大陸東北部から中央部にかけては「サカ」とよばれる大草原、大陸南西部の「ミスル半島」には広大な「ナバタ砂漠」、大陸南東部の「ベルン」南方は大山岳地帯が広がる。
物語の舞台となるエレブ新暦999年頃には各地に人が住み着いており、文化レベルは近世ヨーロッパ頃に相当。一部の人間は魔法を行使することができる。
千年ほど前には人類と竜族が共存していたが、人類が突如竜族に対し侵攻を開始。「人竜戦役」とよばれる大乱の結果、竜族は大陸から排除されることとなった。
国家・諸地域
エトルリア王国
エレブ大陸で最も華やかで、歴史のある大国。大陸西部に位置するが、鉱物資源の豊富な「西方三島」をその植民地とし、イリア地方、サカ地方、ミスル半島の一部も領有し最大の版図を誇る。ベルンと並ぶ二大大国の一つ。王都はアクレイア。文化が非常に洗練されており、三軍将の下、軍事力も高く整備されている。大陸一信者の多い宗教「エリミーヌ教」の総本部も有する。エレブ新暦999年現在、実権は現王モルドレッドの手を離れ、宰相ロアーツら腐敗した貴族が掌握している。
リグレ公爵家
エトルリア屈指の名門貴族。先代公爵が嫡男パントの婚約者を決めるお披露目会を開いた際には、国中から20人の美姫が集められたという。
ベルン王国
大陸南東部に位置する、「八神将」の「英雄ハルトムート」の興した王制国家。険しい山々が連なる地域もあり、王城も周囲を山に囲まれた天然の要害となっている。エトルリアと並ぶ大国。文化が華やかに成熟しているエトルリアに対し、質実剛健で能力主義の気風を誇る。「三竜将」を筆頭に、「飛竜」に騎乗する「竜騎士」を中心とした大陸最強の軍事力を擁する。エレブ新暦980年頃には軍の腐敗が進んでいたが、現ゼフィール王体制下で、建て直しがなされた。
リキア同盟
大陸南部に位置する諸侯の治める小国家群による軍事同盟。オスティア侯爵家を盟主とし、「諸侯会議」とよばれる意思統一の場を有してはいるが、各諸侯の連帯は弱く「寄せ集め」の感は否めない。大国に挟まれ、また、それゆえ文化の橋渡し役となる中継地点でもある。
オスティア侯爵家
リキア同盟の盟主。所領はリキア西北部に位置し、エトルリアと隣する。大戦の勇者ローランの直系を称する名門。リキア最大の都市オスティアを拠点とし、アーマーナイト、ジェネラルなどの重装歩兵を中心とする騎士団がリキア最強と誉れ高いこともあり、その城は建国以来敵の侵入を許すことはなかった。エトルリアとの交流は盛んだが、質実剛健、尚武、実力主義の気風はむしろベルンに近いといえる。。『烈火の剣』の主人公の一人ヘクトルとその娘リリーナの故郷。
フェレ侯爵家
所領はリキア東部に位置し、ベルンと国境を接する。リキアでは名門に属するが、他国からすれば田舎貴族の部類。領内に大都市はなく、牧歌的でのどか。年に一度の収穫祭には侯爵一家揃って参加している。騎兵を中心とする屈強な騎士団を有する。『封印の剣』の主人公ロイ、『烈火の剣』の主人公エリウッドの故郷である。
旧キアラン侯爵家
リキア中央部に位置する。その所領は海に向かって伸びており、港町バドンを有する。エレブ新暦979年の跡継ぎ争いで、騎士隊に多くの死者を出した。ハウゼン侯死後、後継者リンディスの希望によりオスティア家の統治下に置かれた。
ラウス侯爵家
リキアのほぼ中央、海に面した南部に位置する豊かな草原地帯を領有する。エレブ新暦980年、先侯ダーレンが同盟への謀反を企て軍事行動を起こした過去を持つ。現侯エリックも関与していたが、不問とされた様子。
トリア侯爵家
リキアの北西部に位置する。トリア候のオルンはヘクトルの従兄弟であり、フェレにも友好的な国家といわれる。しかし、臣下のワグナーがオルンを暗殺して実権を握ってからは親ベルン派に一転、リキア同盟軍に襲いかかる。
サンタルス侯爵家
リキア東の湾岸に位置する。南の丘陵地帯を挟んで隣接するフェレ侯爵家とは縁が深い。サンタルス候ヘルマンはフェレ候エルバートと親交が深かったが、ラウス侯に唆されて反乱に加担し、エリウッド率いるフェレ軍の前に立ちふさがった。
旧コンウォル侯爵家
侯爵による同盟資金横領の罪でエレブ新暦970年代に取り潰された。人の良い侯爵夫妻が知人の借金の肩代わりを重ねたのが原因だという。その後、侯爵夫妻は長子レイモンドを残して自殺した。
アラフェン侯爵家
リキア北東部に位置し、サカと国境を接する。リキア第二の都市を拠点とし、ベルンの侵攻に際しては同盟軍の前線基地となった。地理的に近いサカとは交流も多いが、アラフェン候自身が無類のサカ嫌いのため、関係は上手くいっているとは言えない。
カートレー侯爵家
アラフェンとキアランに挟まれる位置に存在。カートレー領郊外の砦は【黒い牙】の拠点になっていた。ちなみに、キアランからは10日ほどの距離とのこと。
タニア侯爵家
キアラン・フェレ・カートレーに隣接する位置に存在。キアラン後継争いの際には、エリウッドの言により中立を保った。漫画『覇者の剣』に登場するティーナ姫の故郷。
トスカナ侯爵家
リキア最北端、キアラン・アラフェン・ラウスに隣接する位置に存在。キアラン後継争いの際には、エリウッドの言により中立を保った。
リキア同盟西部
ラウス領となるリキア中央部の草原地帯から西側は、作中ではほとんど触れられることがないが、ラウスの西にはレーデ侯爵家、レーデのさらに西にはウォード侯爵家が存在。リキアの地図によると、ウォードより西には、湾を取り巻くようにさらにオルスト侯爵家ラグナ侯爵家など七つの侯爵家が存在する。
イリア諸騎士団
北方「イリア」の地に割拠する諸騎士団の統治する国家体の総称。寒冷な気候にあるため食糧の生産力が低く、産業があまり発展していない。そのため、傭兵業が貴重な収入であり、各領主自らも各地に赴いている。「イリア」特産の「ペガサス」が男性を騎手として選ばないという性質を持つことからも、女性の軍参加率も高い。統一政体は持たず、リキアのような大規模な軍事同盟も存在しない。「雇い主に忠実」として「イリア傭兵」の評価は高いが、一方で「血に飢えた獣」などのような蔑視を受けることも少なくない。
サカ部族
「サカ」の草原で遊牧生活を営む部族群。地球のヨーロッパスタイルを持つ他地域の人々とは容貌、服飾、生活スタイルなどを大きく異にし、アジアン・テイスト、とくにモンゴル色が強い。統一政体を持たないが、外敵には一丸となってこれに当たるなどの厳しい掟が各部族に伝わっている。同胞意識も強い。
クトラ族
サカ最大の部族。サカ最強の戦士「灰色の狼」ダヤンを族長とする。ベルン侵攻の際、ジュテ族の攻撃を受け四散の憂き目に遭う。
ジュテ族
サカ部族の一つ。クトラ族ほどではないが大きな部族。族長モンケに従いベルン軍の侵攻に協力し、クトラ族を攻撃した。
ロルカ族
サカ部族の一つ。山賊に急襲されたことで壊滅的な被害を受けた。本作には登場しない。『烈火の剣』の主人公の一人であるリンはこの部族の族長の娘であった。
ミスル半島
中央部は広大な砂漠地帯が広がり、人々は住んでおらず、賊が横行している。深部のオアシスには人間と竜族が共存する理想郷がある。先端部と隣接するカフチ島には緑もあり、人も住んでいる。
西方三島
エレブ大陸の西部に浮かぶ三つの大島とそれに付属する諸島の総称。三島はそれぞれ「フィベルニア島」「カレドニア島」「ディア島」とよばれる。いずれも鉱脈資源豊かで、エトルリア総督府の管理下に置かれ、開拓が進められている。本国の目を盗んだ貴族らの不正により事実上の植民地状態で、圧政と重税が敷かれている。エトルリア総督府が賊と内通し、人々を苦しめている。

用語[編集]

人竜戦役
エレブ大陸で千年前に起きた、人類と竜族の間の戦争。人類の侵攻に端を発した。当初は個々の能力が圧倒的に優る竜族が優勢であったが、次第に個体数に勝る人類が戦局を覆していった。これに対して竜族は、生体兵器「戦闘竜」とそれを大量に生み出す母体「魔竜」の開発に成功、数的不利を挽回し、戦線は膠着状態に陥った。そこで人類側は決戦兵器「神将器」を「八神将」に託し、「魔竜」の篭る竜族の拠点「竜殿」を襲撃。しかし、その戦闘において竜族と「神将器」の強大な魔力が相干渉し、「終末の冬」と呼ばれる事象が起こり、竜族はその個体能力を激減させてしまった。結果、人類は戦争に勝利し、生き延びた竜族はエレブ大陸から追われることとなった。
終末の冬
人竜戦役の最終局面において、竜族の魔力の暴走によって引き起こされた天変地異。エレブ大陸の「秩序」を崩壊させ、自然環境が激変、が降り、昼が夜になった、という。人類に深刻な被害を出したと伝えられている。
「秩序」の崩壊は、とくに竜族に大きな影響を与えた。彼らは新たな「秩序」のもとでは竜としての姿を保つことができなくなり、「マムクート」とよばれる人型に姿を変え、わずかな力を「竜石」に残すのみとなった。「マムクート」は「竜石」を用いれば一時的に竜と化し真の力を発揮できるが、通常時は人にも劣る力しか持たない。
人類に勝利をもたらした「終末の冬」だが、その異常気象は人類にも深刻な被害をもたらしため、現在のエレブ大陸では、「竜族の魔力が引き起こした事象」として伝えられている。
実際には、「神将器」と竜族の強大な魔力の干渉によって「終末の冬」が引き起こされたのである。
戦闘竜
「人竜戦役」時、竜族によって投入された量産可能な生体兵器。「魔竜」によって生み出される。数的不利を補うために創られたものなので、竜族に比べて戦闘能力は低く、感情・知性をほとんど有さず、敵意に反応して破壊行動をとるだけの存在。とはいえ、常人では全く太刀打ちできないだけの力は有する。
八神将
人竜戦役で活躍した人類側の英雄。「英雄ハルトムート」、「小さな勇者ローラン」、「狂戦士テュルバン」、「騎士の中の騎士バリガン」、「神騎兵ハノン」、「大賢者アトス」、「聖女エリミーヌ」、「謎多き者ブラミモンド」、の八人。戦役後は、各地に分かれて復興に努めた。
神将器
人竜戦役の最終局面において、人類側が用いた決戦兵器。「八神将」とよばれる屈強の戦士たちに預けられ、膠着状態にあった戦局を大きく動かすこととなった。見た目は普通の武器や魔道書にすぎないが、強大な魔力が込められている。千年の年月のうちに、施されていた魔法が弱まっているため、往年とは比べものにならないほどその力は弱まっているが、戦闘竜たちを打倒するには十分な力を持つ。
  • 【伝説の剣】エッケザックス:ハルトムートの大剣。ベルン国王に代々伝わる。間接攻撃が可能。通常は巨大な槍の形態をとるが、所持者の意思一つで大剣に変化する。本作ではゼフィール専用、したがって、トライアルマップでしか使用できない。
  • 【烈火の剣】デュランダル:ローランの大剣。幅広かつ肉厚であり、非常に大きい。オスティア近郊の洞窟に封印。装備者の力+5
  • 【天雷の斧】アルマーズ:テュルバンの戦斧。使用者には非業の死がもたらされる、という曰くがある。西方三島に封印されていた。装備者の守備+5
  • 【氷雪の槍】マルテ:バリガンの槍。白銀に輝く。イリアのエデッサに封印。装備者の技+5
  • 【疾風の弓】ミュルグレ:ハノンの弓。神将器の特効が優先されているため、弓であるにもかかわらずペガサスナイトに対して飛行特効が発生しない。サカのブルガル郊外に封印。装備者の速さ+5
  • 【業火の理】フォルブレイズ:アトスの理魔法。ナバタの「理想郷」に封印。装備者の幸運+5
  • 【至高の光】アーリアル:エリミーヌの光魔法。神将器の中でも特別な力を持ち、古代の超魔法による闇の衣で武装した特殊な闇魔道士に絶大な威力を発揮する。王都アクレイア「聖女の塔」に封印。装備者の魔防+5
  • 【黙示の闇】アポカリプス:ブラミモンドの闇魔法。ベルンの「封印の神殿」地下に封印。装備者の魔力+5
封印の剣
ハルトムートが魔竜を封印した剣。所有者の意思を感じ取って、攻撃に反映させる力を持つ。柄にファイアーエムブレムという赤い玉をはめ込まないと、その効力を発揮しない。
イドゥンが魔竜となった経緯を知っていたハルトムートは彼女を憐れみ、ベルン奥地の神殿に彼女を封印した。なお、イドゥンの処遇については八神将の中で意見が分かれた(小説や漫画ではテュルバンらを殺害派に設定しているが、本編中では不明)。
本作ではロイ専用で、耐久値は20だが、自身の体力を回復することができ、また竜族やラスボスに特効があり、さらに間接攻撃まで可能である。守備・魔防+5

クラス[編集]

下位クラス
ロード
やがて国を背負うことになる未完の大器。ロイ専用クラス。を装備できる。彼が死亡するとゲームオーバーになる。専用武器はレイピア。
ソシアルナイト
馬に乗り、高い移動力を誇る騎士。剣とを装備できる。移動力に優れ汎用性が高い。
ペガサスナイト
天馬を駆り戦場を駆ける空の騎士。槍を装備できる。速さや魔防、移動力に優れる。弓に弱い。
ドラゴンナイト
飛竜を駆り戦場を駆ける空の騎士。槍を装備できる。力や守備、移動力に優れる。魔法や弓に弱い。
アーマーナイト
分厚い鎧をまとった重騎士。槍を装備できる。守備に優れる反面、魔法に弱く移動力が低い。
アーチャー
弓を用いて戦う軽装の兵士。を装備できる。シューターが使える。
遊牧民
馬と共に暮らす草原の民。弓を装備できる。速さや移動力に優れる。
戦士
屈強な体格を誇るあらくれ。を装備できる。HPや力に優れるが、守備は低い。
海賊
海を縄張りとするあらくれ。斧を装備できる。水の上を移動できる。
山賊
山を縄張りとするあらくれ。斧を装備できる。高い山を移動できる。
傭兵
戦場における戦いのスペシャリスト。剣を装備できる。安定した強さを持つ。
剣士
東方出身の剣の使い手。剣を装備できる。力は低いが、技や速さに優れる。
魔道士
自然の力を使う魔法使い。理魔法を装備できる。シャーマンに比べ、速さが高く、魔力が低い。
僧侶
神に仕える者。により回復や戦闘補助を行う。攻撃手段を持たない。
シャーマン
古の闇の力を使う魔法使い。闇魔法を装備できる。魔道士に比べ、魔力が高く、速さが低い。
トルバドール
馬上で杖を使う乙女。移動力に優れ、杖により回復や戦闘補助を行う。攻撃手段を持たない。
上位クラス
マスターロード
国を治める君主の器。ロードの上位クラスで、ロイ専用クラス。剣を装備できる。専用武器は、レイピアおよび封印の剣。イベントでクラスチェンジする。
パラディン
功績を認められ、称号を得た聖騎士。ソシアルナイトの上位クラスで、剣と槍に加え斧も装備できる。
ファルコンナイト
聖なる加護を受けた天馬騎士。ペガサスナイトの上位クラスで、槍に加え剣も装備できる。
ドラゴンマスター
飛竜の扱いに長けた竜騎士。ドラゴンナイトの上位クラスで、槍に加え剣も装備できる。
ジェネラル
堅牢な守備を誇る巨壁。アーマーナイトの上位クラスで、槍に加え斧も装備できる。
スナイパー
百発百中の腕前を誇る狙撃手。アーチャーの上位クラスで、弓を装備できる。シューターが使える。
遊牧騎兵
戦の経験を積んだ遊牧民。遊牧民の上位クラスで、弓に加え剣も装備できる。
ウォーリアー
戦を勝ち抜き、実力を認められた勇士。戦士の上位クラスで、斧に加え弓も装備できる。
バーサーカー
山と海を荒らしまわる覇者の称号。山賊と海賊の上位クラスで、高い山と海へ移動可能で斧を装備できる。クリティカル率が+30%される。
勇者
名声を得た傭兵の称号。傭兵の上位クラスで、剣に加え斧も装備できる。
ソードマスター
剣の道を極めし者。剣士の上位クラスで、剣を装備できる。クリティカル率が+30%される。
賢者
高い魔道の才を得た魔道士。魔道士の上位クラスで、理魔法に加え杖も装備できる。
司祭
悟りを開いた聖職者。僧侶の上位クラスで、杖に加え光魔法も装備できる。
ドルイド
さらなる闇の力を得た魔道士。シャーマンの上位クラスで、闇魔法に加え杖も装備できる。
ヴァルキュリア
戦場を馬に乗って駆ける戦乙女。トルバドールの上位クラスで、杖に加え理魔法も装備できる。
特殊クラス
すべてクラスチェンジできない。
盗賊
宝を狙って戦場を駆けまわる盗賊。剣を装備できる。特殊コマンド「盗む」によって敵からアイテムを奪えるほか、「とうぞくのかぎ」を使用できる。盗む能力は『トラキア776』と違い武器や魔道書、杖は盗むことができず、アイテム欄に空欄があって、かつ相手より速さが上回っている場合にアイテムのみ盗むことが可能である。
踊り子
踊りを生業とする芸者。ララム専用クラス。戦闘能力は持たないが、特殊コマンド「踊る」によって隣接した味方ユニット1人を再行動可能にする。
バード
琴を奏で歌う吟遊詩人。エルフィン専用クラス。戦闘能力は持たないが、特殊コマンド「奏でる」によって隣接した味方ユニット1人を再行動可能にする。
マムクート
通称「人ならざる者」。普段は人間の姿をしているが、攻撃時は竜石の力で竜に変身する。高い攻撃力を誇るが、竜石の使用可能回数は少なく、複数入手も不可能。
輸送隊
物資の輸送を専門とする。マリナス専用クラス。戦闘能力は持たないが、隣接したユニットは倉庫のアイテムをやり取りできる。レベルを上げる場合、敵から攻撃を受けると1経験値が入るが、これを繰り返さなければレベルが上がることはない。さすがに面倒すぎるためか、『烈火の剣』では一度も戦闘不能に陥らなければ次のマップでレベルが1上がる仕様となった。ただし、攻撃されても経験値は入らなくなった。
敵専用クラス
ソルジャー
王国の一般兵士。槍を装備できる。全体的に能力値が低い。
国王
圧倒的な力を誇るベルン国王。ゼフィール専用クラス。剣を装備できる。専用武器はエッケザックス。
魔竜
闇の力に取り込まれてしまった竜族。イドゥン専用クラス。闇のブレスを操る。

登場人物[編集]

各種メディア関連商品[編集]

その他の話題[編集]

  • 初期に公開された少年漫画風の元気なロイの公式イラストが変更になる。そのロイの開発画面写真が、毎日コミュニケーションズ発行の『大乱闘スマッシュブラザーズDX 全キャラ戦書』で見ることができた。
  • CM
    • 『暗黒竜と光の剣』のオペラCMのリニューアルヴァージョン。ロイとリリーナをイメージしたキャラクターに俳優・谷口賢志と森脇恵里子。それ以外は二期会を起用している[2][3]
  • 仲間入りの曲に『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』の仲間入りのアレンジ曲が、トライアルマップの味方と敵のマップ曲に『ファイアーエムブレム外伝』、アルム軍の味方と敵のマップのアレンジ曲が収録されている。
  • 大乱闘スマッシュブラザーズDX
    • プレイヤーとしてロイが登場する、声優は福山潤
    • 「対戦ゲーム」の「名前の登録」を「おまかせ」にすると、まれにマーカスが登場する。
  • 大乱闘スマッシュブラザーズX
    • マップに敵が残り少なくなったときの曲のアレンジが収録されている。
    • シールにロイ、リリーナ、ルトガー、ディークがある。

出典[編集]

  1. ^ 週刊ファミ通(2001年12月31日~2002年12月29日の集計)より
  2. ^ 倉恒良彰 (2008年9月22日). 樹の上の秘密基地『ファイアーエムブレム封印の剣』 そのCMを誰が作ったか? 倉恒良彰インタビューその1 “スタコラ逃げろ、ドツボにはまる”. (インタビュー). ほぼ日刊イトイ新聞.. http://www.1101.com/nintendo/nin25/nin25_1.htm 2013年7月1日閲覧。 
  3. ^ 『ファイアーエムブレム 封印の剣 オリジナル・サウンドトラック』に記載。

外部リンク[編集]