ピーター・ギーチ

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Peter Geach
生誕 1916年3月29日(98歳)
ロンドン
死没 2013年12月21日(97歳)
時代 20世紀の哲学
地域 西洋哲学
学派 分析哲学
研究分野 哲学的論理学, 歴史哲学, 宗教哲学
主な概念 分析的トミズム, 全能の逆説
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ピーター・トマス・ギーチ(Peter Thomas Geach1916年3月29日 - 2013年12月21日)はイギリス哲学者。彼の関心のある領域は歴史哲学哲学的論理学同一性の理論である。

彼はオックスフォード大学ベリオール・カレッジで学んだ。彼はバーミンガム大学(1951年 - 1966年)とリーズ大学(1966年 - 1981年)で哲学を教えた[1]

彼はその哲学的業績のためにローマ教皇庁から教皇の十字形「プロー・エックレシアー・エト・ポンティフィケー」を授与された。

思想[編集]

彼の初期の著作には古典的な教科書『Mental Acts』と『Reference and Generality』があり、後者は指示 (referenceという重要な近代の概念を中世代示理論に対して擁護している。

彼のカトリックとしての視点は哲学と統合されていいる。彼はおそらく分析的トミズムの創始者である(だが彼とエリザベス・アンスコムの著作を通じて今日まで存続している思想は表面上ジョン・ハルデンによって40年後に言及されているのみである)。分析的トミズムの目的はトミズムのアプローチと分析哲学のアプローチを統合することである。彼は、人間は本性上合理的な動物であり、個々が奇跡的に創造されているというトミズムの立場を擁護する。彼は彼はダーウィンの理性は人間にとって本質的でないと見なそうとするのを「詭弁的で、ばかばかしく、哀れな考えにすぎない」として一蹴している。彼は動物の言語使用を「物や行動による手振りからの連想」にすぎないとして否認している。

ギーチはプラグマティズム認識論の真理概念を退け、アクィナス版の真理の対応説を推奨している。究極的な真理の創造者たる自体に由来する真理のみが存在すると彼は主張した。神は、ギーチによれば、真理「である。」

略歴[編集]

彼の妻で時々研究生活上の協力者であったのが著名な哲学者にしてヴィトゲンシュタイン研究者のエリザベス・アンスコムである[1]。二人ともローマ・カトリックに改宗していて、1941年に結婚して7人の子供を授かっている[2]。彼らは共著として1961年に『哲学の三人―アリストテレス・トマス・フレーゲ』を書いているが、アンスコムがアリストテレスを担当して、ギーチがアクィナスおよびゴットロープ・フレーゲを担当している[1]。彼らは四半世紀の間、1954年にコランバ・ライアン神父が始めたスタッフォードシャーのスポード・ハウスで毎年行われるカトリック哲学者の会合である「Philosophical Enquiry Group」の主導的な人物であった[3]

著作(抜粋)[編集]

  • (edited, with Max Black) Translations from the Philosophical Writings of Gottlob Frege, 1952/1960/1966
  • "Good and Evil," Analysis (1956)
  • Mental Acts: Their Content and Their Objects, 1957/1997
  • Three Philosophers: Aristotle; Aquinas; Frege (with G.E.M. Anscombe), 1961
  • Reference and Generality: An Examination of Some Medieval and Modern Theories, 1962
  • History of the corruptions of logic, inaugural lecture, University of Leeds, 1968
  • God and the Soul, 1969/2001
  • Logic Matters, 1972
  • Reason and Argument, 1976
  • "Saying and Showing in Frege and Wittgenstein," Acta Philosophica Fennica 28 (1976): 54-70
  • Truth, Love, and Immortality: An Introduction to McTaggart's Philosophy, 1979
  • (edited) Wittgenstein’s Lectures on Philosophical Psychology, 1946–47: Notes by P.T. Geach, K.J. Shah, and A.C. Jackson, 1989
  • Logic and Ethics (edited by Jacek Holowka), 1990
  • Truth and Hope: The Furst Franz Josef und Furstin Gina Lectures Delivered at the International Academy of Philosophy in the Principality of Liechtenstein, 1998 (ISBN 0-268-04215-2)

日本語訳[編集]

  • 『合理的思考のすすめ』西勝忠男訳、法政大学出版局、1984年1月、ISBN:978-4588021015
  • G.E.M.アンスコム、P.T. ギーチ共著『哲学の三人―アリストテレス・トマス・フレーゲ』野本和幸藤沢郁夫訳、勁草書房1992年4月、ISBN:978-4326198863

脚注[編集]