ピロシキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ピロシキまたはピロジュキ(пирожки, 単数形:pirozhok, 複数形:pirozhki) は、ロシア料理の惣菜パンのこと。ロシア語でパイを意味する「ピローグ」(Пирог pirog)の指小形である。小麦粉を練った生地に色々な具材を包み、揚げるかオーブンで焼いてつくる。
目次 |
[編集] 各地のピロシキ
[編集] ロシア
ロシアでは、ピロジュキの大きさは幅6cmから13cmくらいである。生地は卵とバターを使ったパン生地、折りパイ生地、練りパイ生地など色々である。揚げたピロジュキよりも焼いたピロジュキの方が一般的。具も多種多様で、畜肉(挽き肉、レバー、脳など)、魚肉(サケ、チョウザメ、コクチマスなど)、ゆで卵、トヴォログ(Творог フレッシュチーズの一種)、米、カーシャ、ジャガイモ、茸、キャベツなどが用いられる。お茶のお菓子として、ジャムや果物を詰めた甘いピロジュキも作られる。間食とする他、コンソメやボルシチなど汁物に添えたり、朝と夜のお茶の時間に食べるのが一般的である。[1]
その他「ピロジュキ」と呼ばれるロシア料理に、片面だけを焼いたブリンチキで具を包み、パン粉をまぶしてバターで焼いたブリンチキのピロジュキや、折りパイで作った円形の容器に具を詰めた、フランスのヴォロヴァンによく似たピロジュキがある。どちらも肉、レバー、脳などで作った具を詰めることが多い。
ピロシキはロシアの伝統的な家庭料理であると同時に、ピョートル1世の時代から街中で売られている一般的な食べ物であり、現在ではファーストフード店でも売られている。
ピロシキは近隣のウクライナ、ラトビア、カレリア、ポーランド、イランにも伝わり、現在では世界的に有名な食べ物となった。ラトビアではピーラーギ(pīrāgi)、カレリアおよびフィンランドではピーラッカー(piirakkaa)として知られている。なお、ポーランドのピエロギはおかずパンというよりも餃子に近い料理である。
[編集] 日本
日本では揚げたものが主流で、具は挽肉、ゆで卵、春雨、タマネギ等を炒めたものを入れたり日本のカツレツ風にパン粉を塗して揚げたものもある。1960年代、1970年代に関西で人気を博したパルナス製菓のピロシキ(商品名パルピロ)は、ゆで卵、タマネギ、牛ミンチ肉を、塩、胡椒味で仕上げた具を用い、揚げて作っていた。
ただし、日本でピロシキとして販売されているパンには日本人の味覚に合わせて大幅にアレンジされたものや、製造者が抱くイメージに基づいて作られているものも多い。さらには、実質的には揚げ中華まんとでも言うべき具材構成・味付けのものも決して珍しくはない。
また、揚げパンの一種であるカレーパンは、ピロシキに着想を得て作られたといわれている。
北海道札幌市の市内に幾つか存在するロシア料理店では、本家本元であるロシアでのレシピと同様、焼いて作るタイプが主流である。
[編集] イラン
小麦粉に水、卵、植物油、イースト、砂糖少々を入れて練ったパン生地で挽肉、トマト、玉葱、刻んだゆで卵、パセリのみじん切り、ゼレシュク(zereshk)というメギの実などを混ぜた具を包んで揚げたもの。形はアラブ人の「サンブーサク」とよく似ている。
[編集] 参考文献
- ^ Anne Volokh. The Art of Russian Cuisine. Collier Books, New York, 1983. p290-289

