ピアノ調律師
ピアノ調律師(ピアノちょうりつし pianotuner)は、ピアノの調律や保守管理を専門に行う職業である。工房で修理を手がけたり、メーカーで設計・製作に携わる者もいることからピアノ技術者(piano technician)やピアノ製造技師(piano builder)とも呼ばれる。
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概要 [編集]
日常的なピアノ調律以外に、メカニックの調整(整調)や修理、整音(【英】voicing 【独】Intonation)、オーバーホール、修復などを行い、ピアノに関する様々な専門知識や技術を必要とする。 国内では各ピアノメーカーで認定試験や特別研修がおこなわれピアノ調律師が育成されてきたが、2011年「職業能力開発促進法の指定機関の指定に関する省令の一部を改正する省令政令」により一般社団法人日本ピアノ調律師協会においてピアノ調律技能検定試験が実施される。[1] この試験に合格した者をピアノ調律技能士といい、ピアノ調律業界における唯一の国家資格である。 ドイツのマイスター制度には、ピアノ製作マイスター(Klavierbaumeister)という資格がある。
コンサートチューナー [編集]
コンサートやレコーディング時にピアノの調律、メカニックの調整や整音を演奏家の要望に対して的確にピアノへ反映し、主にコンサート会場やスタジオにおいて音作りを行なうピアノ調律師のことをコンサートチューナー(Concert Tuner)と言う。 コンサートチューナーは、大手ピアノメーカーが独自に定める検定や、グレードが存在し、基本的にはそれらに合格、若しくは通過した者を称することが基本となる。 国内ではヤマハ、河合楽器製作所、海外ではスタインウェイ・アンド・サンズ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインなどが制度を設けている。[2] しかし、中にはどのピアノメーカーにも属さず、独自に人脈や実績を構築して行き、著名演奏家や大手の興行会社、コンサートプロモーター、レコード会社などから直接の信頼を得て、 コンサートチューナーへと躍進して行く者もいる。 基本的には一般的なピアノ調律師の中から、特化した能力の高い人間が選出されて育成される[3]。 しかし名称自体が曖昧な部分があり、自称を越えない場合が多々ある。 例えばピアノ発表会レベルであっても、コンサート会場のピアノを調律したことには変わりないが、 いわゆるメーカーなどで定めているコンサートチューナーとの定義とは大きく食い違う。
著名人物 [編集]
日本のピアノ調律師・製造技師 [編集]
- 山葉寅楠:日本初のオルガン(リード・オルガン)製造者であり、日本のピアノ製造業の創始者の一人[4]。
- 河合小市:河合楽器製作所創設者で、ピアノ製造技師[5]。
- 西川虎吉:西川風琴製造所を設立。
- 山葉直吉:10歳で弟子入り後、山葉寅楠の養子となる。
- 松本新吉:日本で初めてピアノ調律師の広告を出す。
- 福島琢郎:東京楽器研究所を創設。東京音楽学校(現・東京芸術大学)講師[6]。
- 広田米太郎:広田ピアノを設立者で、全国ピアノ技術者協会創設の中心人物の一人。
- 杵淵直都:宮内省、NHKなどでコンサートチューナーとして活躍し、全国ピアノ技術者協会創設の中心人物の一人。
- 中谷孝男:国立音楽大学の講師として楽器学の講義をもち[7]、全国ピアノ技術者協会創設の中心人物の一人。
- 大橋幡岩:ディアパソン、オオハシ、トニカなどのピアノの作品の設計を手がける。
- 竹内友三郎:帝国劇場専属のコンサートチューナーとして外来演奏家のための調律をする[8]。
- 杵淵直知:ヨーロッパのピアノ工場で経験を重ね、帰国後は桐朋学園、NHKホールなどの専属ピアノ調律師として活躍[9]。
- 辻文明:ヤマハにも勤務。内田光子やエッシェンバッハなどの調律をしたことが知られる。
- 村上輝久:ヤマハのピアノ調律師として、リヒテルやミケランジェリを担当[10]。
海外のピアノ調律師・製造技師 [編集]
- フランツ・モア:スタインウェイ・アンド・サンズで、長年ホロヴィッツやルービンシュタインなどのパートナーを務める。
- チェーザレ・アウグスト・タローネ(it):ピアノ調律師兼ピアノ製作者。コルトー、エドウィン・フィッシャー、ミケランジェリらの調律を担当。
脚注 [編集]
- ^ 職業能力開発促進法の指定機関の指定に関する省令の一部を改正する省令政令
- ^ コンサートチューナー ピアノテクニカルサポート河合楽器製作所
- ^ ヤマハコンサートチューナー Back Stage Pass
- ^ ヤマハの歴史
- ^ 河合楽器-会社情報-沿革
- ^ 『日本のピアノ100年』草思社 2001年 ISBN 4-79421086-8 119頁「東京楽器研究所の創設」より引用
- ^ 『楽器の事典 ピアノ』東京音楽社 1982年 ISBN 4-88564036-9 318頁より引用
- ^ 『楽器の事典 ピアノ』東京音楽社 1982年 ISBN 4-88564036-9 320頁より引用
- ^ 『楽器の事典 ピアノ』東京音楽社 1982年 ISBN 4-88564036-9 320頁より引用
- ^ 『日本のピアノ100年』草思社 2001年 ISBN 4-79421086-8 304頁 「ピアノをストラディヴァリウスにする男」より引用