ビーシュリンプ

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カワリヌマエビ属の一種
レッドビーシュリンプ
ビーシュリンプの改良品種
レッドビーシュリンプ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 甲殻亜門 Crustacea
: 軟甲綱(エビ綱) Malacostraca
: 十脚目(エビ目) Decapoda
亜目 : 抱卵亜目(エビ亜目) Pleocyemata
下目 : コエビ下目 Caridea
: ヌマエビ科 Atyidae
亜科 : ヒメヌマエビ亜科 Atyinae
: カワリヌマエビ属 Neocaridina
Kubo, 1938
: (未記載種) N. sp.
学名
未記載種 Neocaridina sp.
英名
Bee shrimp
黒ビーシュリンプ 白黒の改良品種

ビーシュリンプBee shrimp)、学名 Neocaridina sp. は、エビ目(十脚目)ヌマエビ科カワリヌマエビ属のエビの一種。ミナミヌマエビに近縁の陸封型の淡水エビである。白黒の横縞模様がある鮮やかな体色から観賞用に飼育され、繁殖も比較的容易な為、愛好者も多い。

目次

[編集] 概要

成体の体長は約3cm程度で、体の縞がハチ(Bee)に似ることからビーシュリンプと呼ばれる。ただしこの名前は輸入業者が輸入時に使用した名前がそのまま定着した物で、同名で複数の種が輸入・流通されていたと考えられる。

本種には学名が付いていない。Neocaridina sp.を学名として紹介した熱帯魚の書籍やウェブサイトがあるが、これは誤りである。この場合のsp.とは種小名が無いという意味。学名は属名+種小名から成り立つが、ビーシュリンプは種として新種同定がこれまで行われていない。本種は飼育環境下で繁殖が繰り返された結果、原産地と原種を特定するのが困難になった。タイプ標本も存在しておらず、このような現状で、新種記載を行うのは困難である[1]。人間が改良を繰り返した飼育動物に学名が付けられていない種は多数存在しており、ビーシュリンプに限定した珍しい事柄ではない。

アクアリウム市場では、茶色または黒の横縞と、透明または白の横縞が連なった縞模様の個体が原種とされ、原産地は香港と紹介されているが、学術的な詳細は分かっていない。レッドビーシュリンプは本種の突然変異で赤くなった個体を固定化した改良品種である。

現在も複数の種が流通しており、比較的初期から輸入・流通されていた白と黒の模様がハッキリした種は俗に「本ビーシュリンプ」「元祖ビーシュリンプ」「原種ビーシュリンプ」「リアルビーシュリンプ」「香港ビーシュリンプ」等と呼ばれる。

過去に日本への輸入が途絶えた時期に「ニュービーシュリンプ」の名称で、本項目のビーシュリンプに似たエビが輸入・流通された。「中国ビーシュリンプ」などの商品名でも呼ばれ、こちらも「香港ビーシュリンプ」あるいは単に「ビーシュリンプ」など、別種のエビにもかかわらず紛らわしい商品名を付けられることもある。

前例の「香港ビーシュリンプ」の様に、違った種が同一の呼称で流通していたり、「香港産(リアル)ビーシュリンプ」の様にブリードや出荷ファームの地域名であったり、複数の種が一括りに「ビーシュリンプ」として混ざった状態で販売されている事があるので、特定の種に限定して入手したい際には注意が必要である。

以下は比較的初期から輸入・流通されていた種について記述する。

[編集] 分布

原産および生息域はアジア圏と推測されるが、詳細は分かっていない。1980年代の後半よりコンスタントにワイルド(天然物)個体が輸入されていたが、その後輸入が途絶え、現在流通している個体は国内および海外での養殖物がほとんどである。

輸入が途絶えた理由としたは「災害・環境破壊・乱獲による個体消滅」「採取業者同士の争いにより、生息地に毒が撒かれた」など様々な噂あるが、真相は分かっていない。しかし本来の生息域では絶滅、またはそれに近い状態である事は確かである。

野生個体として香港産の個体が輸入・販売されている事が有るが、具体的な地域や、現地の天然下で生息している事を確認出来る情報が無く、また在来種では無く移入種の可能性もあり、真偽は不明である。

香港にて現地調査が行われたが、生息の確認には至っていない。[2]

[編集] 飼育

飼育難易度は中級者向けで、一般的なアクアリウム知識と機材が必要とされるが、特別な専門知識や高価な機材が必要と言う訳では無く、いかに適した水質を安定して維持できるかがポイントとなる。

観賞用エビの飼育全般に言えるが、水質には特に敏感で、pHアンモニア亜硝酸の変化や、化学物質の混入(薬品や農薬殺虫剤等)で簡単に死滅してしまう事もある。特に近年流通している水草には農薬を使用している物が多く、注意が必要である。また、観賞魚用の各種治療薬やコケ防止・抑制製品等にも弱い。一度ダメージを受けた個体が回復するのは極めて希である。

混泳については、中型・大型魚にとっては格好の餌であり、小型魚であっても、脱皮直後を襲われたり、幼体が捕食される事があるので、単独飼育が望ましい。

極めて希に、本来の黒の部分が赤く発色する、色素異常の突然変異個体が発生する。その変異の固定に成功し、現在では広く流通している。クリスタルレッドシュリンプ(CRS)、レッドビーシュリンプ(RBS)の元となったエビである。

  • pH:5.0-8.0
  • 温度:15-27℃。低温には比較的強く、10℃でも生存している例もある。
  • 餌:雑食性で食性は幅広い。藻類赤虫、糸ミミズ、茹でたホウレンソウタンポポ(ただし必ず無農薬)、一般観賞魚用飼料、エビ用の飼料 等
  • 寿命:およそ1年半~2年程度

[編集] 繁殖

水質や環境等の条件が満たされ安定すれば、比較的容易に繁殖する。繁殖に適した温度は20~27℃程度で、この範囲であれば年間を通じて産卵を行う。

オスもメスも、およそ生後2ヶ月程度で繁殖可能となる。メスの個体は産卵前に脱皮を行い、何らかの誘発物質を放出し、オスの個体を引き寄せ交接を行う。その際に、誘発物質に反応した他の個体が水槽内を縦横無尽に泳ぎ回り、俗に「抱卵の舞」と呼ばれる行動を行う事が多い。

一度の産卵で、直径1ミリ程度の卵を10~40個ほど産み、メスの個体が腹脚に抱え込むように保護する。孵化に要する累計温日はおよそ550℃・日で、幼体は親とほぼ同じ形状をしている。 (水温25度で、約25日で卵から子エビが孵る。)繁殖は淡水でのみ可能で、汽水や海水は必要としない。

[編集] 脚注

  1. ^ 学名の命名規約の詳細は学名の項目を参照
  2. ^ 「香港発 小型エビ情報 最前線!!」『楽しい熱帯魚』 2011年3月号(Vol.193)、(株)白夜書房、20-21頁
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