ビリン語

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ビリン語
ብሊና
話される国 エリトリアの旗 エリトリア中部
話者数 70,000人
言語系統
表記体系 ゲエズ文字ラテン文字
言語コード
ISO 639-1 なし
ISO 639-2 byn
ISO 639-3 byn
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ビリン語(ብሊና、Blin、b(ə)lina、bɨlina、Bilin、Bilen)はエリトリアで話されている言語である。話者はケレン(Keren)市周辺におよそ70万人いる。ビリン語はエリトリアで唯一の中部クシ諸語に属する言語である。

音韻論[編集]

子音[編集]

注意:/tʃ/は借用語の中で使われており、音素として/ʔ/については確立していない。

/r/ は語中でははじき音、語尾ではふるえ音となる。

子音音素
  両唇音 唇歯音 歯茎音 後部歯茎音
硬口蓋音
軟口蓋音 咽頭音 声門音
Plain 唇音化
破裂音
破擦音
無声音   [t] [(tʃ)] [k] [kʷ]   [(ʔ)]
有声音 [b] [d] [dʒ] [ɡ] [ɡʷ]
放出音 [tʼ] [tʃʼ] [kʼ] [kʷʼ]
鼻音 [m]   [n]   [ŋ] [ŋʷ]    
摩擦音 無声音   [f] [s] [ʃ] [x] [xʷ] [ħ] [h]
有声音 [z] [ʕ]
R音     [r]          
半母音       [j]   [w]    
側面音     [l]        

母音[編集]

母音音素
  前舌母音 中舌母音 後舌母音
狭母音 [i] [ɨ] [u]
[e] [ə] [o]
広母音 [a]

表記体系[編集]

ゲエズ文字[編集]

ビリン語の表記体系は宣教師によって開発された。彼らはゲエズ文字を使用し、1882年に最初のテキストを出版した。ゲエズ文字はセム語派の言語で使われているが、ビリン語の音素はとても似ている。(7つ母音、両唇軟口蓋音と放出音)。そのためビリン語に適合するように文字にわずかながら修正が必要となった (子音の追加[ŋ][ŋʷ])。ビリン語を書記するために追加が必要となったいくつかの文字は"エチオピア文字拡張"として Unicodeにおいて、"エチオピア文字"より広い範囲の文字コードを使用している。

以下にゲエズ文字の一覧表を示す。

音素 /h/ /l/ /ħ/ /m/ /s/ /ʃ/ /r/ /kʼ/ /b/ /t/ /n/ /ʔ/ /k/ /x/ /w/ /ʕ/
ゲエズ文字
音素 /j/ /d/ /dʒ/ /ɡ/ /ŋ/ /tʼ/ /tʃʼ/ /f/ /z/ /t͡ʃ/ /ʃ/
ゲエズ文字

ビリン語に必要な拡張文字

音素 /kʷʼ/ /kʷ/ /xʷ/ /ɡʷ/ /ŋʷ/
ゲエズ文字

ラテン文字[編集]

1985年にエリトリア人民解放戦線はビリン語およびすべての少数民族言語についてラテン文字の使用を決定した。[要出典] これは大きな政治的な決断であった。ゲエズ文字はキリスト教の典礼に使用することになっているためである。ラテン文字はより中立的なものとみられている。1993年に政府はビリン語の標準化とラテン文字での正書法を整備する委員会を立ち上げた。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

推薦文献[編集]

  • F.R. Palmer. 1958. "The noun in Bilin," Bulletin of the School of Oriental and African Studies 21:376-391.
  • Leo Reinisch. 1882. Die Bilin-Sprache in Nordost-Afrika. Vienna: Carl Gerold's Sohn.
  • A.N. Tucker & M.A. Bryan. 1966. Linguistic Analyses: The Non-Bantu Languages of North-Eastern Africa. London: Oxford University Press.

外部リンク[編集]