ビュージンゲン

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ビュージンゲンの位置
ビュージンゲンの衛星画像

ビュージンゲンドイツ語Büsingen)は、ライン川沿いのスイス領内に位置している、ドイツバーデン=ヴュルテンベルク州に属する飛地である。

概説[編集]

ビュージンゲンは面積7.62平方キロメートル、人口約1,450人と小さな村である。ビュージンゲンにはスイスの警察が駐在しているものの、一般的にドイツの法律が適用され、犯罪などが発生した場合はドイツ側からドイツの警察官がやって来る。警察官はドイツ側からビュージンゲンまで、スイス領内の指定されたルートを通って700メートル離れたドイツ側から入るよう定められている。しかし有事の際の経済統制や農業、衛生(食品、薬品等)に関してはスイスの法律が適用される。

また、関税はスイスのものが適用される。通貨スイス・フランが使用されるが、ユーロも流通している。ビュージンゲンは政治的にはドイツの領土だが、住民生活はスイスの経済圏にある。スイス側との往来に制限はなく、住民の多くは西隣に位置するスイスの都市であるシャフハウゼンで働いている。

現在はドイツもスイスもシェンゲン協定を施行しているため、ドイツ本土も含めて国境検査が撤廃され、往来が自由化されている。

領土の確定[編集]

歴史的にもビュージンゲンの住民は、シャフハウゼンを中心にした生活を続けている。第一次世界大戦が終結した1918年住民投票が行われ、投票者の96%がスイスへの帰属を希望するという結果になった。しかし、スイス側が飛地交換に伴いドイツへ渡すことになる代替地を用意できず、スイスへの帰属は実現されなかった。

1956年、当時の西ドイツ政府はビュージンゲンと西ドイツ本土との間の農地を買収し、西ドイツ領に編入して飛地の解消を試みたが、必要な予算の割に効果が期待できないのに加えてスイス側が拒否したこともあって、断念している。結局1967年、ビュージンゲンはスイスが西ドイツと締結した条約で改めてドイツ領(当時は西ドイツ領)として存続することが決定した。

外部リンク[編集]