ヒメウスバシロチョウ

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ヒメウスバシロチョウ
Parnassius stubbendorfi ulster.jpg
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera
上科 : アゲハチョウ上科 Papilionoidea
: アゲハチョウ科 Papilionidae
亜科 : ウスバアゲハ亜科 Parnassiinae
: ウスバシロチョウ族 Parnassiini
: ウスバシロチョウ属 Parnassius
亜属 : Driopa
: ヒメウスバシロチョウ P. stubbendorfii
学名
Parnassius stubbendorfii honnei
和名
ヒメウスバシロチョウ(姫薄羽白蝶)

ヒメウスバシロチョウ(姫薄羽白蝶、Parnassius stubbendorfii)は、チョウ目アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科に属するチョウの一種。 シロチョウと名は付くが、シロチョウ科ではなくアゲハチョウ科の蝶である。この混同を嫌って、和名をヒメウスバアゲハとする立場もある。 日本には北海道亜種(Parnassius stubbendorfii honnei )が分布する。

形態[編集]

大きさはだいたいモンシロチョウ同じくらいかそれよりやや大きい。半透明にも見えるほど薄く白い翅を持つ。和名の姫は小さくて可愛らしいことの表現。近似のウスバシロチョウとの対比。ウスバは黄色い体毛を持つが、本種の体毛は灰色で黄色は一切ない。

雄の胴体はふさふさとした体毛に覆われるが、雌では体毛は薄くそれほど目立たない。交尾後の雌個体は受胎嚢と呼ばれる雄の分泌物によるシールを腹端に持つため、容易に判別が出来る。

特徴[編集]

本種はアゲハチョウ科の中でも原始的なグループであるウスバシロチョウ属(Parnassius属)に属する。北方系の種で、氷河期の落とし子とも呼ばれる。年に1回春から初夏にかけて姿を見せることから蝶のスプリング・エフェメラルとしても数えられる。

生態[編集]

成虫は年一化。平地から低山では5月から6月下旬にかけて、亜高山帯では7月から8月上旬にかけて発生する。越冬態は卵で、翌春早くに孵化する。

幼虫は急速に成長し、蛹化する。この時、蝶としては珍しく繭を作る習性がある。幼虫の食草はケシ科エゾエンゴサクエゾキケマンが知られる。

分布[編集]

国内では北海道のみ。内陸性で、北部・道南にはいない。

日本国外においては、アムールウスリーチベット中華人民共和国東北部、朝鮮半島など広く分布する。

近縁種[編集]

同じウスバシロチョウ属(Parnassius属)であり、本種に極めてよく似たウスバシロチョウ本州四国などに広く分布し、北海道の温暖な一部の地域では本種と混生する。区別点は、後翅の付け根から胸にかけての体毛が、ウスバシロチョウでは黄色みを帯びるのに対し、本種では色味も薄く白みがかって見えることが挙げられる。しかし、汚損した古い個体や、雑種の存在もあって必ずしも簡単に見分けられるわけではない。

また北海道には同属であるウスバキチョウ大雪山系などの高山帯に分布するが、分布は限られる上に、色調や斑紋も異なっており、区別は容易である。

参考文献[編集]

  • 牧林功解説 『日本の蝶』成美堂出版、1994年、ISBN 4-415-08045-6
  • 日本環境動物昆虫学会編『チョウの調べ方』文教出版、1998年、ISBN 4-938489-11-2

関連項目[編集]