パーミット級原子力潜水艦

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パーミット級原子力潜水艦
水上航走中のパーミット級ガードフィッシュ(SSN-612 Guardfish)。
艦級概観
艦種 攻撃型原子力潜水艦
計画番号 SCB188、SCB188M(SSN-613~615)
艦名 魚名。
同型艦 14隻(SSN-593~596、603~607、612~615、621)
前級 スキップジャック級原子力潜水艦
次級 スタージョン級原子力潜水艦
性能諸元
排水量 水上:3,705t、水中:4,311t
構造 部分複殻式
全長 84.9m
全幅 9.7m
吃水 7.7m
予備浮力 16.4%
機関 原子力ギアード・タービン推進
WEC S5W 加圧水型原子炉×1基/蒸気タービン×2基/1軸、15,000SHP
電池 ガピーI/IA型×126個1群
最大速力 (水上/水中):15kt/28.0kt
潜航深度 396m
航続力
乗員 94名(士官9名、先任兵曹12名、下士官兵73名)
探索装置 ソナー:BQQ-1システム(BQS-6、BQR-7、BQS-8)、DUUG-1
レーダー:SS-2A、BRD-6、WLR-1
武装 533mm水圧式魚雷発射管Mk63×4
魚雷対潜ミサイル(のちにハープーンが追加)×23、
または機雷、水中射撃指揮装置:Mk113(SSN-593)、Mk113 Mod2(SSN-594以降)

パーミット級原子力潜水艦(パーミットきゅうげんしりょくせんすいかん、Permit class submarine)はアメリカ海軍の攻撃型原子力潜水艦。本来の1番艦にあたるスレッシャー(USS Thresher, SSN-593)が1963年に沈没事故で喪失したために、2番艦パーミット(USS Permit, SSN-594)の名からパーミット級と呼ばれる。艦名はノースカロライナ州からブラジルにかけての海域に生息するアジ科コバンアジ属 (英:Pompano、学:Trachinotus属)の一種、パーミット ( 英:Permit 学:Trachinotus falcatus )に因んで命名された。

概要[編集]

試験艦ノーチラスの成功を踏まえて、原子力による無制限の動力と水中性能に優れた涙滴型船殻の技術的統合であるスキップジャック級が建造されたが、水中高速力を発揮しうる潜水艦のもつ水中雑音という問題点も判明した(旧ソ連のノヴェンバー級の情報分析もこの点に対する意識を強めた)。こうした問題点に対する対策としてノブスカ計画(Project Nobska)と呼ばれる研究がおこなわれ(1956年)、その研究成果を適用した潜水艦の建造が開始された。それがこのパーミット級である。1番艦スレッシャーは1961年に就役している。

ノブスカ計画では、静粛化、運用深度増大、ソナーの性能向上の3点が提案された。これらに従い、潜航深度増大(+180m)と静粛化(-約10dB)のため、機関部の容積が増し、水中排水量の増加(+800t)につながった。また、パーミット級の艦首は巨大な球状ソナー・アレイで占められ、魚雷発射管は従来の艦首から艦体中央部に移動した(このレイアウトは、本級以後に建造された全ての米海軍の戦闘用潜水艦に適用されている)。

原子炉はスキップジャック級に引き続きS5W原子炉が採用され、出力も変更がなかったが、設計に配慮がなされたため、排水量増にもかかわらず速力の低下は1ktに抑えられた。また、同型原子炉は信頼性の向上が図られ、スキップジャック級に搭載されたものよりも連続最高出力発揮時間がほぼ2倍の1万時間に延長された。

スレッシャー沈没事件[編集]

1番艦スレッシャー(USS Thresher, SSN-593)は1963年4月10日コッド岬東方でオーバーホール後の公試中に沈没(乗員108名、その他士官4名、文官17名、総員死亡)。この事故後、就役中の全艦にSUBSAFE改装(海水管装置と原子炉管制系の改善、非常ブロー・システムの増設、気蓄器の圧力を従来の3,000psiから4,500psiに増大)が実施されたほか、DSRV(深海救難潜水艇)の開発のきっかけとなった。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

以下はスレッシャー喪失事件に関するリンク: