パンチングマシン
パンチングマシン (punching machine) とは、プレス機の一種で、穿孔やパッケージングを行う装置(工作機械)。またはゲームセンター等にある遊具(エレメカ)の一種で、ポリウレタンやスポンジ等の当て物が施された打撃対象面を殴る事で、パンチ力(殴りつけた際の速度や打撃力)を測定する物。この項では主に後者について述べる。
それ以外に関しては、下記に挙げた各々の項を参照。
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[編集] 工作機械
この装置は、紙やプラスチックシート等の、または薄い鉄板など、それほど強力な圧力を使用しない工作機器である。油圧等の機器もあるが、書類などをバインダーに挟むために穴を開ける2穴パンチャー等、事務用のものは穴開け機を参照。
板金を連続加工する物に関しては、プレス機を参照。
[編集] 遊戯機器
パンチングマシンは、遊戯機器の中では古くから見られる装置で、19世紀末には既にこれに近い遊戯装置があったと思われる。この遊具では、挑戦者は所定の代金を支払って、ハンマーで打撃部分を殴りつけると、レールに取り付けられた錘が梃子によって跳ね上げられ、規定以上の打撃力が与えられた場合は、レール先端に取り付けられたベルが鳴るという物で、規定に満たない場合でも錘の上がった高さを測定、この高さに応じて景品が与えられるという遊具(測定と景品の提供は、装置の管理者が行った)で、力自慢の若者が自分の力を誇示したりするのにも利用された。
後に打撃力をハンマーと錘ではなく、強力なスプリングや圧力計などで拳の威力を記録する様式になり、更にそれが自動化されて、今日のゲームセンターに設置されたパンチングマシンへと変化したと思われる。今日の物では、景品の交換があるのは稀であるが、コンピュータが内蔵され、打撃力を精密に測定したり、何回か殴って平均値を出したり、その日の最高パンチ力を表示する・殴った威力に対応して、表示画面で様々な効果映像が流されるなどの工夫が凝らされている。現在有る物では、画面に表示された悪漢の映像が歪んだり、建物や小惑星が砕け飛んだりと、非日常的な効果映像が用意されている物もある。
またその一方で、打撃のテクニックを競う遊戯装置もある。こちらは打撃力よりも、出てきたミットを素早く殴り付ける事で得点を稼ぐという物で、モグラ叩きに近い物である。本項ではパンチの威力を計測できるゲームを主として扱い、打撃のテクニックを競うものは類似ゲームとして扱う。
[編集] パンチ力測定ゲーム
プレイヤーがコインを投入し、筐体に付属されているグローブを装着し、打撃対象物を殴ると、その強さがパンチ力として数字化される。機種によってゲームの細部は異なるが、今日存在するパンチングマシンと呼ばれるゲームの基本は共通である。
[編集] パンチ力
パンチングマシンによって算出されたパンチ力は、機種によって基準が大きく異なる。パンチ力の単位は様々で、「kg」「kgw」「kgf」「mt」などがある。これらの単位はゲーム上だけの架空の単位であり、実際のパンチの重さを示す単位ではなく、あくまでゲームのスコアという位置づけである。なお、複数人でパンチングマシンを使用し、パンチ力の競争をする場合、同じ機種を同じ場所でプレイすることが大前提となる。その理由は機種によってスコアの上限や平均値などが大きく異なり、同じ機種同士でも店舗によって数値の出やすさが異なるからである。従ってアーケードゲームのパンチングマシンで正確な自分のパンチ力を測ることは出来ない。
[編集] マシンのタイプ
パンチ力を測定できる遊戯機器の中には、大きく分けて2種類のタイプの測定ゲーム機がある。
- 自動起き上がり型
打撃対象面であるパッドが筐体に付いていて、プレイヤーがコインを投入すると、自動でパッドが起き上がり、プレイヤーの近くまでパッドが近づいてくるものである。このタイプの場合、パンチ力計測の際に使われる基準は、パッドが倒れる際の速度であり、殴られた際にパッドが移動する軌道部分に、数か所の光学のスピードセンサーを設置することで、その通過速度をスコアとしている。
- 手動下ろし型
打撃対象面が筐体上部に吊るされているタイプである。プレイヤーがコインを投入し、自分自身で筐体上部に吊るされた打撃対象物(パンチングボールやパッド)を引っ張り下ろすことで、ゲームが開始となる。このタイプの場合、パンチ力計測の際に使われる基準は、殴られた打撃対象物が筐体の計測装置が埋め込まれた板にぶつかった際の衝撃の強さをスコアとしている。近年のゲームでは、ボタンを押すと自動で打撃対象物が下りてくるものもある。
[編集] ゲームの種類
この項ではパンチ力測定型パンチングマシンとして実際に販売されたアーケードゲームの種類について紹介する。機種によって測定可能上限値や平均値、スコアに対するランク付けなどが異なっている。なおタイトーのストーリーに沿って進むパンチングマシンでは、ステージクリアに必要なノルマの数値は、店舗の設定により異なっている。
- ノックダウン (ナムコ) 1981年
- 初代パンチングマシン。的を殴るとその威力が算出されるシンプルなゲーム。プレイヤーは2回殴ることができる。プレイ終了時には、プレイヤーの記録の強弱に応じて5種類のメッセージの中から1つが表示される。なお発売当初はグローブがついておらず、プレイヤーは素手で殴っていた。
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ランク 逃げるが勝ち 明日があるさ やったぜ!人並! よっ!町の実力者! 世界チャンピオン スコア 69kg以下 70~79kg 80~95kg 96~109kg 110kg以上
- ソニックブラストマン (タイトー) 1990年
- 各ラウンド毎に示される「3回殴って○○を止めろ」との条件に従い、様々なものを殴って止めるヒーローを演じるゲーム。最初に止めるのは街の悪漢だが、ラウンドが進むに従い、暴走トレーラー・ビル・巨大蟹の怪獣、挙句の果てには隕石といったとんでもない物を殴ることになる。所定の合計パンチ力が出ないと、哀れヒーローは止めきれずに返り討ちにされてしまう。例として、先述の隕石の破壊に失敗すると「人類は滅亡した」というバッドエンド的なオチになる。
- ノックダウン90 (ナムコ) 1991年
- ノックダウンの改良版。前作では力の強い人が殴るとパッドの消耗が激しく、詰め物がボロボロにってしまい、次第にショックを吸収できなくなることから、故障が頻発するという事態が起きていた。本作ではパッドの改修ならびにグローブを設置することで手の保護が出来るようになり、安全面が強化された。
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ランク ごくろう様でした もう一回チャレンジ! メンツは保った 強い!これはてごわい 地上最強の男! スコア 69kg以下 70~79kg 80~95kg 96~109kg 110kg以上
- キャプテンゾディアック (タイトー) 1993年
- 筐体の一部に骸骨が取り付けられ、喋ることから通称「骸骨」と呼ばれている。なお店舗によるメンテナンスの状況によっては、骸骨が音声に合わせて動かなくなったり、骸骨自体が撤去されてしまった店舗も存在する。プレイヤーは4つのレベルのうち1つを選択し、ゲームを進める。レベルによってクリアノルマが異なる。
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レベル EASY NORMAL HARD SUPER HEAVY ノルマ 200 300 400 500 単発平均 67以上 100以上 136以上 167以上
- リアルパンチャー (タイトー) 1994年
- 前作ソニックブラストマンの続編。正式名称はリアルパンチャーだが、ブラスト2と呼ばれることも多い。前作との変更点としてデジタルカメラが内蔵され、自分の顔を撮影し殴れるようになったが、ゲームセンターなどで弱い立場にあるいじめられっ子が本人の意向に関わらず顔写真を利用され、ゲーム上でボコボコにされるという遊び方が見られ、一部の教育委員会から「教育上好ましくない」と苦言が呈された。
- デンジャラスバー (ナムコ) 1995年
- 太った悪漢人形の腹にパンチを打ち込む、風変わりなマシン。プレイヤーのパンチ力に応じて、人形の発する音声が変化する。スコアは本日1位と歴代1位が記録されている。
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ランク 負け犬・・・ 一般人? ハードパンチャー ダウンタウンヒーロー ストリートファイトチャンプ スコア 39kg以下 40~69kg 70~99kg 100~129kg 130kg以上
- ストロングパンチャー (アイモ) 1999年
- パンチングボールを自分で下ろし、それを殴ると針が回転し威力が表示される。
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ランク フライ バンタム フェザー ライト ウェルター ミドル ヘビー スコア 0~120 120~210 210~290 290~370 370~440 440~500 500~600
- ノックダウン2001 (ナムコ) 2001年
- レーンに吊るされたサンドバッグを殴るタイプ。このゲームでは、「女性」「軽量級」「無差別級」の3つコースの中から選択し、ゲームを開始する。2発殴った後、プレイヤーのパンチ力が表示され、スコアの高い方がパンチ力ランキングに順位付けされ、その強弱に応じてプレイヤーがランク付けされる。なおパンチ力ランキングは、当日ランキングと歴代ランキングがあり、歴代1位になると「グランドチャンピオン」となる。
- ハードパンチャー はじめの一歩 (タイトー) 2001年
- 漫画はじめの一歩の名場面をストーリーに取り入れたゲーム。4人対戦モードや助走防止センサー、歴代ランキングなど新たなシステムが加わった。これまでのパンチングマシンの計測可能上限数値が300~400であったのに対し、本作では999まで計測が可能となった。このゲームパンチングマシンの中でも、台ごとの算出されるパンチ力のスコアに最もバラつきがあると、有名なゲームでもある。2002年には続編「ハードパンチャーはじめの一歩2王者への挑戦」を販売し、選択できる対戦キャラクターを一新している。
- パンチングトライ (アトラス) 2007年
- アトラスのトライシリーズのパンチ力測定ゲーム。パッドを殴るとスコアが表示されるシンプルなゲーム。対戦モードなどもある。スコアは針による表記とデジタル表記の2つで表示される。当日記録のベスト3のみ記録されている。
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ランク フライ バンタム フェザー ライト ウェルター ミドル ヘビー スコア 0~120 120~210 210~290 290~370 370~440 440~500 500~600
- ザ・ボクシング (RS) 2008年
- ボタンを押すと、筐体上部に吊るされたパッドが下りてくるので、それを殴るシンプルなゲーム。スコア上限は999で、数値によってプレイヤーのランクが表示される。
- ソニックブラストヒーローズ (タイトー) 2011年
- タイトーとしては10年ぶりの新作ゲーム。1991年に販売されたソニックブラストマンの名場面を、グラフィックを大幅に向上させることで再現した。不正防止カメラを筐体に取り付けることで危険行為防止を強化し、更なる安全性を向上させたゲーム。本作ではパンチのハイスコアを計測した場合、日付、本日順位、月間順位、歴代順位、月間平均値などが記録され、プレー終了後に棒グラフで表示されることにより、自分のパンチ力がどの程度の位置にあるのかが客観的に分かるようになった。
[編集] 海外製パンチングマシン
一部のゲームセンターでは、海外のメーカーで販売されたパンチングマシンを輸入し、稼動させている店舗が存在する。これらはゲームの音声や説明書きが日本語ではないため、日本語でゲームのプレイ方法を記入したPOP等を筐体に貼り付けている。
- DRAGON PUNCH
プレイヤーはコインを投入後、筐体上部に吊るされているパンチングボールを下ろしてから殴る。パンチのスコアは上位2位までに入ると当日中は筐体に記録されている。なお当日記録の1位を抜かせば、ボーナスゲームとして1プレイ追加で遊ぶことが出来る。
- MONSTER POWER
プレイヤーはコインを投入後、筐体に付いているボタンを押すことで、筐体上部に吊るされているパンチングボールが自動で降りてくるので、それを殴る。なお続編「MONSTER POWER 2」では、打撃対象面がパンチングボールから、ステンレスの棒にクッションを巻いたものへと変更している。
[編集] 安全への取り組み
パンチングマシンは、他の体を使う体感型アーケードゲームに比べ、体ごと筐体に接触するという特性があるため、ルールを守らないとプレイヤーが怪我をしてしまう危険性が高い。筐体には正しいルールでのプレイを促す注意書きや、モニター上での映像やアナウンスによる告知等でプレイヤーに注意を呼びかけている。しかしそれでもルールを守らずにプレイし、捻挫や打撲、骨折等をするプレイヤーがいて、ゲームの安全性が問題視されてきた。パンチングマシンが一時期、新作を出さずに姿を消していたのは、こうした安全性に関する問題が解消されていなかったからであった。[1]
またタイトーでは設置店舗に対して、適度にグローブやパッド、プロテクターを補修するように呼びかけている[2]。
[編集] 禁止事項
パンチングマシンでは怪我なく安全にプレイをする観点から、以下の行為は禁止されている。これらのルールを無視して怪我をした場合でも、設置店は責任を負わないこととなっている。
- 筐体付属のグローブを着用しない状態でのプレイ
- 素手、軍手、自前のグローブ使用等
- ストレートパンチ以外で殴る
- パンチ以外の行為
- 武器を使用したプレイ
- バットで殴る、グローブに錘を仕掛ける
- その場で殴らずマシンから離れ、走りながら殴る
- 助走行為
- パッドが起き上がる前に殴る
- 酒気帯び状態でのプレイ
[編集] 点検強化
パンチングマシンは、筐体とその付属パーツが強い衝撃を受けるため、それらの磨耗が激しくなっている。特にグローブやパッド、筐体につけているスポンジ状のショック吸収型プロテクターなどは、不完全な状態であるとプレイヤーの怪我にむすびつくことから、定期的な点検とメンテナンスを促している。なおタイトーでは発売から10年以上経過したパンチングマシンに関しては、予備部品の生産終了に伴い、メンテナンスサービスを終了し、以後破損した場合は稼動を取りやめるよう促している[2]。
[編集] グローブの使用
80年代のパンチングマシンでは、筐体にグローブがついておらず、プレイヤーは素手で殴っていた。しかし安全面への対策から、後に発売されたパンチングマシンからはグローブが付属され、プレイヤーは必ず装着してプレイすることが義務づけられた。なおタイトー製品では長らくウイニング製のグローブを使用してきたが、現在では安全面の強化から手首が固定されるタイプのものへと変更されている[3]。
なおグローブは筐体に紐で固定されているが、紐を切って盗むといった盗難事故が起きており、設置店では監視カメラを設置したり、紐を鎖に変える、カウンターで貸し出し制にするといった対策をとる店もあった。
[編集] 類似ゲーム
- チャンピオンキック(太平技研)
- 的を蹴ることでキック力を計測するゲーム。パンチングマシーンの蹴りバージョンで、キックマシーンと呼ばれる。改良版「NEW CHAMPION KICK 」と2種類が存在する。
- ザけんじゃね~よ!(太平技研)1994年
- モンタージュビンタマシン。プレイヤーのビンタ力を測定するゲーム。グローブを付けず張り手に近い状態で筐体の打撃対象面をビンタするため、気をつけないと手首を痛めてしまう。
- ストリートパンチャー(タイトー)1988年
- モグラ叩き系で、等身大のボクサー人形(レリーフ)を相手に、セコンドの指示音声+表示ランプに合わせてボディ・ストレート・ライト・レフト・アッパーで、いずれもボクサー人形レリーフ正面から殴るゲーム。ラウンドを上がる毎に、より素早いパンチを要求され、短い所定時間内にパンチを入れなければならなくなる。ポリウレタンの柔らかい面を殴るとはいえども、あまりにも数多くのパンチを要求されるため、素手で殴っている間に次第にエキサイトする人も多く、手が滑ってゲーム機の硬い所を殴って怪我をする人や、連続プレーで手が肉刺や痣だらけになる人が続出した。これら負傷対策に本物のボクシンググローブを貸し出すゲームセンターまで登場した。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
- アーケードゲーム(業務用ゲーム機)
- ARM CHAMPS(腕力を測定できる腕相撲ゲーム)