バーナードループ

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バーナードループ (Barnard's Loop)
バーナードループ
星座 オリオン座
観測データ
種別 散光星雲超新星残骸
赤経 (RA, α) 05h30m~06h(J2000.0)
赤緯(Dec, δ) +05°~-10°(J2000.0)
距離 1,600光年
視等級 _
視直径 10° x 15°
物理的性質
直径 300光年
絶対等級 _
特性 _
その他の名称

Sh 2-276

Orion constellation map.png

バーナードループ[1]Barnard's LoopSh 2-276)はオリオン座にある巨大な散光星雲である。この星雲は同じオリオン座の馬頭星雲オリオン大星雲(M42)を含む巨大なオリオン座分子雲の一部を構成している。この星雲はオリオン大星雲付近に中心を持つ円弧状の形をしている。バーナードループのガスを電離して輝かせているのもオリオン大星雲の若い星々だと考えられている。

地球から見ると10度以上の範囲に広がっており、オリオン座のほとんどを覆うほどの大きさである。肉眼では見ることはできないが、長時間露出の写真撮影では明るく写る。1895年エドワード・エマーソン・バーナードが写真から発見した[1]

地球から約1,600光年の距離にあると見積もられている。この場合、実際の星雲の直径は約300光年となる。この星雲は約200万年前にこの領域で起きた超新星爆発の残骸であると考えられているが、古い超新星残骸であるため、既にシンクロトロン放射で発光するほどの高温にはなっておらず、通常のHII領域と同様にOB型星からの紫外線で水素ガスが電離されて光っている。このため、星雲の分類としては散光星雲(輝線星雲)に分類されることが多い。

天球上で大きな固有運動を持って運動している恒星を「走り去る星[2](runaway star、逃亡星)」と呼ぶことがあるが、このような速い運動をする恒星の中に、ぎょしゃ座AEはと座μおひつじ座53番という3つの恒星がある。これらの星は、固有運動の方向を逆に延長すると約200万年前にオリオン大星雲付近にあったことが分かっている。このことから、かつてこれらの星は多重連星系を作っていたが、約200万年前にその中の一つが超新星爆発を起こし、その衝撃波で連星系が壊れて、残りの星がばらばらの方角に飛び出したものと考えられている。爆発時期が一致することから、バーナードループを作ったのもこの時の超新星ではないかとする説もある。

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 藤井旭 『全天星雲星団ガイドブック』 誠文堂新光社、1978年、272頁。ISBN 4-416-27800-4 
  2. ^ 文部科学省; 日本天文学会編 『学術用語集 天文学編』 (増訂版) 丸善1994年11月15日、275頁。ISBN 4-8181-9404-2