ハラン (植物)
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ハラン(葉蘭、Aspidistra elatior)とはユリ科(APG植物分類体系ではスズラン科)の常緑多年草で、巨大な葉を地表に立てる植物である。よく庭に植えられ、斑入りなどの品種がある。
幅広い大きな葉は食物を包んだり盛ったりするのに用いられてきた。食品の装飾品を俗にバランともいうが、これは「人造バラン」の短縮である(後述)。
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[編集] 概要
中国南部原産であると言われてきたが中国での野生は見つかっておらず、鹿児島大学の研究者により九州南部の宇治群島、黒島、諏訪之瀬島が本来の野生地であるという報告がなされている[1][2]。 茎は地下を横に這う地下茎の形をとる。葉は薄いが硬くてつやがあり、深緑色。楕円形で長さが50cmを越える。密な群落を作るので、地面からこの様な大柄な葉が立ち並ぶような風景となる。日陰で手入れをしないでもよく育つ。
花は紫色で多肉質。5月ごろ地下茎から出て地面すれすれに咲く。ちょうど花が地面にめり込んだような格好である。果実も地表に乗った姿になる。
同属の植物は、これまでに85種が中国、インド東部、ベトナム、ラオス、台湾、日本で発見されており、そのうち59種は中国に分布し、さらにそのうちの54種は中国の固有種である。
ハランはヨーロッパでも植えられ、ジョージ・オーウェルの自伝的作品"Keep the Aspidistra Flying"(「葉蘭をそよがせよ」1936年)には、イギリス中産階級の象徴として庭のハランが登場する。
折詰や刺身についてくる「緑色のプラスチックシート」はハランを真似たものである。本来はハランの葉を包丁で細工したもので、現在ではハランそのものを料理の飾りに添えて使用することは少なくなったが、高級料亭、寿司店で実物を使うこともある。
[編集] 花粉媒介
この植物の花は地上すれすれに咲くことからカタツムリやナメクジにより授粉されるとの仮説を提唱した植物学者がいたが、1995年に日本の加藤真がダンゴムシがこの種の花粉を媒介することを示した[3]。
[編集] 人造バラン
寿司などの食品に付属する緑色のプラスチック装飾品をハランまたはバランというが、これはハランを真似て作ったプラスチック製のものを人造ハランと呼んだのが起源であるらしい。前方に「人造」の語彙が付くため「ハラン」が濁音化して人造「バラン」となり、「人造」が取れて短縮された結果である。そのような経緯から正式にはバランという植物名は存在しないため、多くの図鑑はバランを別名として認めていない。植物名やプラスチック装飾品に「馬蘭」(ばらん)の漢字を用いる俗称があるのも、このような過程でバランという呼称が発生した後付の当て字である。
[編集] 脚注および参考文献
- ^ Sako and Maruno (1983). “Flora of Island Kuroshima.”. Bulletin of Kagoshima Univ. Forest 11: 33-61.
- ^ Sako et al. (1988). “Flora of the Uji Ials.”. Bulletin of Kagoshima Univ. Forest 16: 83-108.
- ^ Kato, M. (1995). “The aspidistra and the amphipod”. Nature, London 377: 293.
[編集] 外部リンク
- ハラン Aspidistra elatior 一葉・葉蘭・蜘蛛抱蛋 江戸時代・明治時代の植物事典(長野電波技術研究所)

